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魔王軍四天王

魔王軍とか四天王とか、オラ、ワクワクすっぞ!!

ってな展開になってきましたよ!ようやく・・・ようやくですよ。

まー、私攻めの攻撃は何一つ出来やしないんですけどね!へへっ!役立たずですよ、サーセン!

光属性の攻撃魔法とか覚えらんないですかね?あぁ、攻撃力を考えたら覚えたとしてもへっぽこ魔法でしょうけど。


「四天王・・・ですか?」


いまだ出来る王子様モードのソフィアス様が話を続けます。


「あぁ。背中に黒い翼を生やした女の上級モンスターでな、名前はなんと名乗っていたかな・・・。「こんな世界なんて滅んじゃえばいいんです〜」とか言ってたなぁ。大きな鳥のモンスターと共にヴェルツィアの建物という建物を破壊し尽くして去っていったんだが、それ以来ずっと大きな鳥のモンスターは街を飛び交っているのだ」


へぇ〜。どっかで聞いた様な口調ですね、その四天王の1人。


「国の精鋭を招集するにも、通信ツールが使えない様になっていての。この街に留まっていた精鋭達ではどうにもならなかった・・・。鳥のモンスターから身を隠す為にも、とりあえずの策としてヴェルツィアの民を城の地下に保護したのだ。どうにか外部や、ヴァルプールに連絡が取れないものかと考えておった所だ・・・」


王様は大きな身体を目一杯小さくして項垂れています。心なしか顔色が悪い様な・・・。

私は王様の様子を気にしつつ、そんな状況なのに宝箱にガーターベルトを隠したやつの事が気になって仕方がありませんでした。


「あっ。ソフィアス様!それじゃぁ、ソフィアス様が送った通信も届いてないのでは?」


通信ツールをいじろうとすると【圏外】と出てきます。

えっ!圏外て!


「一度ヴァルプールに戻って報告するにしても、その間にここが襲われでもしたら・・・」

「私がちゃちゃっとひとっ走り行ってきますよ!」


ソフィアス様の発言に食い気味に私が提案しました。

私の足ならそう時間はかからないはず。本当は姫様に頼んだ方が私より速そうなんですが、ソフィアス様との婚約の夢が絶たれた今、ただ私を無言で睨みつけるだけの生きる屍みたいになってますからね。協力は難しいでしょう。


「その必要は無い」


突然背後から声がしました。後ろを振り返ると、ふわっとした短い金髪で、青いつり上がった目のメガネをかけた細身のイケメンの貴公子が立っていました。


「あなたは・・・?」


イケメン貴公子は私の質問を無視して、リディロン王の前に跪いて挨拶をしました。


「リディロン王におかれましてはご機嫌麗しゅう事と存じます。グリューンヴェルデ城第2王子、ファレルが参上致しました」


「へ?ファレル・・・ってあの、女とあらば見下してマウント取りたがるあの、俺様ファレル様!?過去に女性問題で何かあってトラウマを抱いてるとしか思えない程女嫌いの、あの、俺様ファレル様ーーー!?」

「・・・貴様。相変わらずの様だな?」

「リリー、あんたまた・・・」

「わー、私思った事は口に出さなくちゃ気が済まないみたいです!てへぺろーっ☆」


いやいや、危ない危ない。しかし、あの贅肉は


「あの贅肉は、どこに置いてきたとか思ってんじゃないだろうな?お前、喋らなくても顔でわかるからな!」


ファレル様がギロッと私を睨みます。わ、わー。私ってば正直者☆


「兄上。ヴェルツィアに入ったら届くはずの兄上からの通信が来ないので、父上の命で私もヴェルツィアで調査をする事になりました」

「そうだったのか!頼んだぞ!ファレル」


「うむ。宜しく・・・た、の・・・」


リディロン王の身体がグラっと揺れて玉座から落ちてしまいました。


「リディロン王!?いけない!」


私はリディロン王に駆け寄り、ヒールをかけました。


「ジェシー!王様をお運びして!姫様!案内をお願いします」

「わ、わかりましたわ。こちらへ」

「よいしょっと。ごめんなさいね、こんな担ぎ方で」


ジェシーは王様を米俵を持つかの様に肩に担ぎました。

姫様の案内で、王様の寝室まで来ました。ジェシーが、王様をそっとベッドに降ろしました。


「あぁ、ありがとう。リリーシュカと言ったかな?そなたの治癒魔法で大分楽になったぞ」


王様は先程までとは違い、頬に赤みがさしています。


「良かったです。ご心労が祟ってお身体を悪くしておられたのですね。私達が来たからにはもう大丈夫です!」


ふふ、リリーシュカの、一度は言ってみたいセリフ第4位です。


「おぉ・・・。その聖母の様な慈愛に満ちた微笑み・・・さすがソフィアス王子が見初め、妻に娶られる程の娘。儂がもっと早くにそなたと出会えておったら後妻にと・・・」

「お言葉ですがリディロン王、私とリリーシュカはこうして結ばれる事が世界の理だったのです。例外などありません」


ソフィアス様がムキになって熱く語ってますけど、やだよ。そんな世界の理は。

それにしても“聖母の様な”って所でぶふぉっ!て吹き出したジェシーとロバート。アイツら後でシメなくては!


「あの、リリーシュカ様。父を助けてくださってありがとうございました」


姫様がシュンとして私に頭を下げます。お可哀そうに。ソフィアス様に振られ、お父様は疲労困憊でダウンしてしまいましたしね。えぇと、こういう場合に掛ける言葉は・・・


「姫様、姫様は笑った方が可愛いですよ」

「丘の上の王・・・いえ、リリーシュカ・・・お姉様!(ポッ)」


ん?何かチョイス間違ったですかね?何はともあれ、王様には休んでいただいて私達は作戦会議でもしましょうかね。

・・・その前に早急に城の門扉と入り口の扉を直さなくてはですね。私達がやりっぱなしで来てしまったせいで、ファレル様がなんなくここまで辿り着いてしまった位セキュリティが低い状態ですからねぇ・・・。

今回もお読みくださり、ありがとうございました┏○ ペコリ

9/25誤字を修正しました。

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