プリンセス☆プリンセス
音速のプリンセス姫様は、ふわふわのプラチナブロンドの髪の毛をした、それはそれは可愛らしいお姫様でした。
うん、もうプリンセスオブプリンセスですよ!!
こんな可愛い子に抱きつかれたら、そら堪らんでしょう!!ヒューヒューだよ!
「ソフィアス様、ワタクシとっても怖かったですの・・・」
「一体何があったのだ?」
あれ?ソフィアス様プリンセス姫様とあんなに密着しているのに、鼻血出ませんね・・・。
どこか頭・・・コホン!調子がおかしいのでしょうか。
「ここでは何ですから、こちらへどうぞ」
プリンセス姫様はソフィアス様から離れ、突き当たりのドアの鍵を開けようとしていますが、何やらてこずっていますね。
「あら?あら??鍵が、見当たりませんわ!!あの鍵が無いと・・・困ってしまいましたわ!!」
「えっと、もしかして鍵ってこんなんですかね?」
私は先程の鳥のモンスター討伐時にゲットしていたどこかの鍵を取り出して見せました。
「そうです!これです!!どこに落ちてましたか?」
「いや、城門と入り口の扉を壊したモンスターを退治した時に拾いました(キリッ)」
「(ちょっ!アニキそっちの設定で行くッスか!?)」
「(シッ!テンパっててジェシーの神案が飛んじゃいました)」
「まぁ、あの恐ろしいモンスターを討伐してくださったんですね・・・」
あ、信じてくれた様なので、このまま推し進めましょう。
プリンセス姫様が鍵を開けて、扉の中へと案内してくださいました。
「こちらです。足元にお気をつけください」
扉を開くと中は下へと続く階段があり、薄暗くて階段を踏み外しそうです。
行き止まりのドアを開いた先にある光景に私達は驚愕の念を隠せませんでした。
お城の地下に街があります!!ちゃんと、人も居ます!
街の外に人気が無かったのはもしかして、全員ここに避難しているからですかね?
しかし、これ程の状況になりながらも友好国に助けを求めないって何故なんでしょうか?
そして、ヴァルプールにもヴェルツィアの情報が入ってこなかった訳は・・・。
姫様の案内で、町の中央のお城縮小版みたいな建物に入りました。
「お帰りなさい姫様・・・そちらの方々は?」
可愛らしいメイド姿の女の子がプリンセス姫様をお出迎えしています。
「ただいま。メミ。こちらはグリューンヴェルデ城のソフィアス王子とその下僕達ですわ」
下僕・・・。可愛い顔してその言葉のチョイス・・・!ギャップ萌えですね!!
「これはっ!第1王子様、わざわざ遠方よりお越しくださいまして、恐縮に存じます」
メミと呼ばれた少女はソフィアス様に向かって深々とお辞儀をしました。
「あ、いや。この人は下僕ではなく、私の婚約者なのだ!」
はっ!?えっ?今それ言うところですか!?ヴェルツィアがこんな状態になっているので、その設定は無くなったものだと思ってましたけどね!何よりウィッグはつけたままとはいえ、こんな格好ですし。
「ホホホ、ご冗談を。ワタクシが婚約者じゃありませんか」
おぉ!正統派婚約者が現れた!!やっぱり本当の婚約者じゃないってバレますよね。
「・・・本当なのだ、リリーシュカの左手を見るのだ!」
おいおい、王子さんよぉ・・・。いきなり何を言い出すんでさぁ。余計な事言うと話が変な方向に行っちまうだろうが・・・。
「はっ!その指輪は・・・!ソフィアス様の婚約者にしか身につけられないという、あの・・・」
くっそ。ほらみろー。話が逸れちゃったじゃないですか!!
「キィィィィィィィィ!!外しなさいよ!えいっ!えいっ!」
「いだだだだだだ!ちょ!指!指抜けちゃいます!」
ぎゃぁぁ!オートシールドが働かないーーー!
「や、やめるのだ!プリンセス姫!!・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
プリンセス姫を止めようとしたソフィアス様が弾き飛ばされました。
えっ?何ゆえ?
「あー・・・。プリンセス姫様はリリーのオートバリアが発動する前にリリーまで辿り着いたのね。で、オートバリアの内側に居るプリンセス姫様もリリーと一緒に守られているって事ね(ドヤ)」
ジェシーが冷静な分析をします。・・・先程から鋭い視点で物事を見ていますね。
くっ・・・。ドヤ顔してます。これが大人の女の余裕ってやつですかね・・・。
「あぁ、なるほど。私のバリア発動よりも速かった・・・だと!?」
思わぬところで私のオートバリアの弱点を発見してしまいました。やっぱりオートバリアに頼りっぱなしじゃダメかぁ。
「あの、これ。不本意ながら、抜けないんです」
「だったら指を切り落とすまでですぅぅぅぅぅ!!!キェェェェェェ!!」
ひぃぃ、あの可愛らしかったプリンセス姫様が最早クリーチャーに見えてきました・・・。
どうしたもんでしょうか・・・。
こうなったら致し方ないですね・・・。
「ホーリーライト・・・ほいっ」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ま、まぶしっ!!!溶ける・・・!」
いやいや、溶けはしないでしょう。流石に。
プリンセス姫様は両手で目を抑えながら床をのた打ち回っています。一国の姫様なのに・・・。
私はホーリーライトをプリンセス姫様の目と目の間に発動しました。しばらく目が眩んで動けないと思います。
・・・・・・やっぱりソフィアス様に懐く人はどこか狂ってるんですね。
「ジェシー、これ、“正 当 防 衛”ですよね?」
私の問いかけに対してジェシーがいい笑顔で親指をグッと突き出しているのできっと大丈夫でしょう。
今回もおよみくださり、ありがとうございました(^^)