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紙一重

【ヴォルフォズマ国 王都ヴェルツィア リディロン城内】


城門を突破した私達は城の入り口も同様に破壊して突破しました。

場内は荒れては居らず、ここまではまだモンスターに襲われてはいない様でした。

えっ!じゃぁ、強行突破なんてしたら隣国に対しての宣戦布告って事にならないかな?・・・大丈夫だよね?鳥のせいにしとけばオッケーだよね?

でも、逆の立場になって考えたら、隠れてるとこにドアを破壊して入って来られたら普通ビビるよね?侵略者だって思うよね!?


「ね、ねぇ。リリー、さっきから何で黙ってんの?そんで何で青ざめた顔してんの?」

「こ、壊したのはジェシーですからね。私の手は汚れていないですよね?」

「は?はぁぁぁぁ!?ちょっとアンタ!ここに来て裏切る気!?アンタは首謀者よ!共犯よ!捕まったらアンタも道連れにするからねぇぇ!ムキィィィィ!」

「ちょっ!二人とも落ち着くのだ!これは“正当防衛”なのだ!」

「そ、それだぁ!ソフィアス様あったまいい!よし、安心して先に進めますね!」

「・・・いやいやこれ、“過剰攻撃”よね、間違いなく。なんか言われたら非常事態だとか、緊急事態だったからとか言っとけばいいじゃない。これは本当なんだし」

「・・・・・・」「・・・・・・」

「・・・何よ、二人してアホな顔してこっち見て黙って・・・」

「「あ な た が 救 世 主(メ シ ア) か ! ! 」」

「は?(ヤダ。コイツら思考が一緒!)・・・(ボソ)アンタ達お似合いよ」


城のどこかに居るのは間違いは無さそうなのですが、隠し通路とか隠し部屋とかあるかもです。

しかし、城は広いので全ての部屋を隈なく探すわけにはいきませんので、ソフィアス様の記憶を頼りに主要箇所だけ調べる事にしました。


「この階段を上って中央の部屋が謁見の間で、えーと、その奥の扉を開けると中庭と繋がった通路になっていて、奥まで進んで最上階が王の部屋なのだ」


階段を上って・・・謁見の間。ここにも人は居ません。ゲームとかだと、玉座に仕掛けがあったりするんですよね!

私は念の為、玉座の裏側を確認してみました。


「ちょっ!!これっ!」


玉座の裏側には押してくださいと言わんばかりのあからさまなスイッチがありました。

罠かなぁ?あからさますぎますよね・・・。でも押してみようかな・・・?


「ロバート、ちょっとこれ押してみて」

「了解っス!・・・つかなんでアニキそんな遠くに居るんスか?(ポチッ)」


ビーッ ビーッ ビーッ ビーッ ビーッ


「わわわ、やっぱり罠でしたかね?」

「やっぱりってなんスか!?」

「あ、玉座が動いてるわよ!」


ロバートがボタンを押した途端、突如鳴り響くブザー音!!

そしてゆっくりと玉座がずれて下へと続く階段が現れました。


「隠し・・・通路?」

「ほ、ほら。私の思った通りですね!!」

「やっぱりアニキはすげぇッス!!」


なんとなく、ロバートがいつの間にか、ッスッス口調になったのが気になりますが、小物っぽくていい味出しているので放っておきましょう。


「一応気をつけて入りましょう・・・」


っしゃぁぁぁぁ!!これですこれです!これぞ、お城攻略の醍醐味です!

そして、道中宝物庫でもないのにところどころに宝箱とか置いてあるんですよね!


「アニキ!宝箱がありますぜ!」


ほらね!!!!!


「あ、開けてみて・・・」

「了解ッス!(ガチャ)・・・アレ?」

「何が入ってました?(ワクワク)」

「・・・ガーターベルトッス」


うはぁぁぁぁぁ!!それ出ちゃった?それ出ちゃったの!?この世界にもそれ入れる人居るんですね!!

もうさ、お城の中の宝箱でガーターベルトとかさ、誰が入れたの?正気?揉め事にならないですか?っていつも思っていました。


「それ、後で使う事になるかもしれないから持ってて」

「はっ!?はいっ!!!」


なんかガーターベルトをゲットして俄然やる気が出た感じのロバートです。キモッ。


お城の地下を歩く事数分で突き当たりまで来ました。

突き当りには一枚のドアがあります。


開けてみましょうか・・・?


「そ、そこは入らないでください!!」


私が部屋のドアに手を掛けた時に背後から少女の声がこだましました。


後ろを振り向くと、この非常時だというのに頭にティアラをつけてゴージャスなドレスを着た、多分この国のお姫様なんじゃないかなぁ?って風貌の少女が立っていました。何かあった時に(今、正にその時ですが)その格好で逃げづらくないんですかね?


「プリンセス姫!!無事だったのか?」


え・・・?ちょっと待って?このお姫様、“プリンセス”って名前なんです?

こ、ここにも居ましたよ!!ラブリーちゃんに次ぐキラキラネームの人!!

プリンセス姫・・・プリンセスプリンセ・・・んん、考えるのはやめておきましょう・・・。

ふと、ジェシーを見ると、ジェシーもなんだかお姫様を凝視したままプリ・・・プリ・・・って呟いています。


「まぁ、ソフィアス様・・・っ!ワタクシ達を助けに来てくださったのですね!!」


プリンセス姫様は、そう言うとダッシュでソフィアス様に抱きつきました。

うわぁぁぁぁ!めっ・・・・・・っちゃ速い!!F1みたいな音聞こえそうだった!!

私が先程抱いた事は杞憂でした。

さすがプリンセス・・・いついかなる時も戦闘服(ドレス)を身に纏い、心からプリンセスであり続けるのですね・・・。

今回もお読みくださり、ありがとうございました(^^)

9/20誤字脱字を修正しました。

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