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王都ヴェルツィア

王都ヴェルツィアに入り、城を目指していましたが、途中馬車が入れない程に道が破損していたので私達は徒歩での移動を余儀なくされたのでした。

御者に馬車と共に城に帰ってもらう事にしました。

ソフィアス様から王様に通信にて連絡してもらい、私達はこのまま調査を続行することになります。


「オールリヒール」


私は全員にリヒールをかけ、体力が減るのを防ぎました。


ヒラヒラした格好では動きづらいので、私は木の後ろに隠れ、トレジャーハンターの衣装に着替えました。

うん、やっぱり私はこっちの方が合っています。


ステータス画面を出しっぱなしにして、皆のHPやMPを小まめにチェックしながら進みましょう。


「酷い有様ね・・・」

「街の人の安否が気になりますね・・・」

「アニキ、あそこに家がありますよ!」

「本当ですね、どなたかいらっしゃいますかね?」


家の近くまで来た私達は、家の惨状を見て息を呑みました。

家の壁は壊れ、家の中が丸見えになっており、中を覗くと家の中は滅茶苦茶に壊れていました。


「これは、モンスター?人?の仕業ですかね・・・」


し、死体とか無いですよね・・・?

恐る恐る家の中に入ってみると、人の気配はありません。


「こんにちはぁ〜?」


返事はありません。


「アニキ、なんか落ちてますよ」

「ん?アレ、本当です」


近づいてみると、不思議な色をした大きな羽根が落ちていました。

鳥・・・ですかね。


家中一通り見ましたが、それ以上は何もありませんでした。

死体とか無くて本当に良かったです。何度も言いますが、死体とか無くて本当に良かったです!


家から出た丁度その時に、


キェェェェェェェェェェェェェェェ!!!


と何かの鳴き声が当たり一面にこだましました。


「何?何の声よ?」

「あ、あそこ・・・!!」


空に大きな翼を広げて羽ばたいているモンスターが現れました。


「城の騎士団はどうなっているのだ?あからさまな街の脅威ではないか」


縦横無尽に飛び回るモンスターを討伐する者は誰も居ません。


「こうなったら私達でどうにかするしかないですよ!」

「承知したわ!」

「わかったのだ!リリーシュカは後方で支援を頼むのだ!」

「了解です!オールプロテイン、オールバリア」


ジェシーが近くに落ちていた石をモンスターめがけて投げました。

モンスターに当たりました!


「こっちに気付いたわよ!」

「気をつけてください!」


モンスターは鋭い足を向けて猛スピードでジェシーを狙ってきました。

ジェシーは手斧で応戦しますが、物理攻撃が利かない様です。

・・・魔法しか利かない?

この中で魔法が使えるのは私とソフィアス様・・・でも、私は攻撃魔法が使えない・・・。

ソフィアス様の炎の魔法が利かなかった場合はヤバイです・・・。


「プロテイン、プロテイン、プロテイン!!」


私はソフィアス様に力増強の魔法をこれでもかってくらい重ね掛けしました。


「ソフィアス様、炎の魔法使ってください!」

「了解なのだ。・・・炎の神・イフリートよ・・・我に汝の力を授けよ!」


ソフィアス様の身体が赤く光り始めました。


「ジェシー、モンスターから詠唱中のソフィアス様を守って!」


「わかったわ!おーい!こっちよ、鳥さーん」


イマイチ緊迫感が無いですね・・・。


「猛る炎よ我が剣に宿り、悪しき者を焼き尽くせ!!炎剣演舞!!」


おぉ!?

業火を纏ったソフィアス様の剣が鳥のモンスターを焼き尽くします。


キェェェェェェェェェェェェェェェェェェッ!!!


モンスターは断末魔を残して灰になりました。


「か・・・・・・っっこいい!!」


わー!わー!こういう厨二病入った詠唱とか唱えるのがやりたかったんです!私。

なのに私の魔法って詠唱レスですからね・・・。

経験値と、お金と鳥の羽根とどこかの鍵を手に入れましたよ!

経験値とお金は折半です。つっても私は経験値要らないですけどね。


「リリーシュカ、私カッコよかったかな?」

「はい!すっごく格好よかったです!!ソフィアス様の剣!!」

「あ・・・剣か・・・」

「お城の様子が心配ですね!私小まめにリヒールをかけますんで急ぎましょう!」


私達は走りました。それはそれは走りました。

途中ロバートが転がった方が速いとか言うので試してみましたが、やっぱり走った方が早かったので、ロバートは罰ゲーム決定です。


城の近くまで来ましたところ、城も民家ほどでは無いですが、所々破損していました。

城門は固く閉ざされており、門番も見当たりません。


「どうしましょうか?」

「どこか、入れるとこが無いか探すのだ」

「アッシ物探しは得意です」

「じゃぁ、モルゾ・・・ロバート、頼んだわよ」

「あっ、ていうかさ、もうジェシーが門扉を壊しちゃえば良いんじゃないですか?」

「そ、そうね!その方が早いかしら」


もう、その頃の私達はむごたらしい惨状を目の当たりにした為、正気ではありませんでした。


ドゴォォォッ


と、ジェシーの正拳突きで音を立てて崩れる門扉。

つぇぇ!ジェシー、ハンパないッス!


「これ、誰かに問われたらさっきの鳥のせいにしましょうね!」

「さすがアニキ!えげつなさ王国ナンバーワン!ピュ・・・ピュフィ・・・」

「口笛吹けないなら吹かないでよね!調子が狂うのよ!」

「・・・こんな事していいのだ?」


私達は城の中を目指して邁進しました。

今回もお読みくださり、ありがとうございました(^^)

9/20誤字脱字を訂正しました。

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