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心構え

ソフィアス様から、ちゃんとした告白をされてしまいました。

ロマンティックな夜に、中身はどうあれ見た目は超イケメンからの告白です。

ですが、王子のお相手は私には荷が重い・・・重過ぎですよ。


私が考えあぐねていると、勝手に左腕がソフィアス様の目の前に、上がりました。

え?え?何これ?勝手に手を差し出す形になっちゃいましたよ!?無意識?いや、いや、あり得ませんて。

これじゃあ、まるで私が了承したみたいじゃないですか!


「リリーシュカ・・・!!ありがとうなのだ」

「え・・・、あ、ちょっ!」


ソフィアス様は、とても嬉しそうに両手で私の手を大切そうに握った後、先程までソフィアス様が自分の指にはめていた指輪を私の左手の薬指にはめました。

それは、とても震えている手でした。

その指輪は、何故か私の指にピッタリとハマり、一瞬、他の4つの指輪と共に、より一層眩しく光りました。

余りの眩しさに目をギュッと瞑ると、オデコに柔らかい感触を感じました。

驚いて目を開けると、顔を真っ赤にしたソフィアス様の顔がありました。

お、おでこにキスされた・・・!?


「な、な、な・・・!何を・・・?」

「ち、誓いのキスなのだ!く、口にしたら、赤ちゃんが出来てしまうからオデコに・・・」


あ、いつものソフィアス様です。一瞬で絶景補正という魔法が解けました。とはいえ、キスされた事は普通に恥ずかしいので、


「お、お、お、おやすみなさい!」

「あっ、リリーシュカっ!・・・おやすみなのだ」


と、一言だけ告げ、私は急いで自分の部屋の中に入りました。

その勢いで、ベッドにバフッと倒れ込み枕に顔を埋めました。

何これ、何この流れ!何で勝手に腕が動いたの?これは夢だ!

そ、そうです!きっと私もう寝てるんですよ。


その晩はそのまま意識を手放したみたいで、目覚めると朝になっていました。


私はぼんやりと左手を見ました。


指輪、してました。


・・・はい、夢じゃないぃー!現実でしたぁぁー!


あれ?ソフィアス様の指輪、青い色だった筈ですが・・・基本は青色ですが、光の加減で虹色に光ります。

念の為、大事な物カテゴリーを開いたら仕舞ったはずの指輪が全て無くなっていました。

えっ?もしかして、合成されたって事ですか?私、無意識の内に錬金術師デビューですか?

自分の才能が末恐ろしいです・・・。



「リリーシュカ、おはようなのだ!」

「おはようございます、ソフィアス様」

「リリーシュカ、昨日は・・・」

「わーーーー!昨夜は私、なんだか夢遊病みたいでした!勝手に動き回ってたらごめんなさいね!!」

「えっ・・・」


ごめんなさい、ごめんなさい!

私自身、勝手に動いた左手の事を上手く説明できないんです。

しかもこの指輪。どうやっても抜けなくて。

呪われた指輪かもしれないので、ちょっと今は指輪の事忘れたいです。


なのに


「あら、リリー。その指輪どうしたの?えっ?合成?なんなのそれ?」

「アニキ、その指輪イカシテるっスね!王都で買ったんスか??」


と、ちっとも忘れさせてくれません。本当、どっちもKYだな!!


「うぅぅうるさいな!!どうでもいいじゃないですかっ」

「やぁだ。ヒステリー?アンタ感情の起伏激しすぎんのよ」

「アニキ・・・女の子の日っスか(ぶふぉあぁっ)」


ロバートがジェシーにぶん殴られました。


「とにかく、もうちょっと落ち着いた言動しなさいよね」


ロバート、地面にめり込んでピクピクしてますけど大丈夫ですかね?

まぁ、痛覚は無いみたいだから大丈夫でしょう!


「それより、国境を越えて隣国に入ったら作戦開始ですからね!皆頑張りましょう」

「まぁ、隣国で何が起こっているか調査をするだけだから、すぐ帰れるでしょうけど」

「むががむごご・・・!(アッシも頑張りますぜ!)」


馬車に乗り込み、いざ、隣国へ。


途中、国境で出現したモンスターは通常こちらの国では出ない類のモンスターだった事から隣国でモンスター関連の問題が起こっているのではないかと予想がされました。


隣国へ入ると、道の舗装がとろこどころ剥がれており、どこか荒れた印象があります。


「なんていうか、寂れてない?王都へ続く道よね?」

「いや、もっと道は綺麗だったのだ!こんな王都へ続く道も整備されていないなんて、何が起こっているのだ・・・?」


ソフィアス様が嫌な予感がすると言っていた事が現実のものとなりそうで一同に一気に不安が広がりました。


「人も歩いて居ないですね」

「通常この時間帯は周りに広がっている小麦畑の手入れ等誰かしらは居るはずなのだけれど、小麦畑も荒れ果てているのだ・・・」

「ちょーっと、これは心してかかった方がいいかもね」


私はこの異常事態に、戦闘が絡むかもしれないと思い今までサボっていた魔法やスキルのチェック等を行う事にしました。


おぉ〜。結構新しいスキル覚えてますね。

冒険者なのに今までチェックを怠ってしまっていて冒険者失格です。でも、それだけラディプールは平和だったって事ですよね。

このミッションが終わったら遺跡回りの旅にでもでましょうかね。

それとも魔王退治を狙ってみましょうか。


とりあえず、私は戦闘になったら、ソフィアス様とジェシーのサポートを上手くやらないとですよね。・・・うわぁ。少し緊張してきました。

上手くやらないと・・・上手くやらないと!!

今回もお読み下さり、ありがとうございました<(*_ _)>

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