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Shall We Dance?

ソフィアス様の剣術についてですが、何かその力を試す方法が無いもんですかね。

剣術が出来ないとなると、本当にソフィアス様は私にとって、荷物以外の何者でもないですからね。鑑賞用?確かに顔は・・・顔だけはいいんですよ。ただ、顔の良さだけでは補いきれない問題行動や言動が多過ぎるんです。


「リリーシュカ様、お次はダンスレッスンになります。ソフィアス様も準備は宜しいでしょうか?」

「はい・・・」

「私はいつでも大丈夫なのだ♪」


はぁ。ソフィアス様から、凄い調子に乗ってるオーラが漂ってきます。

ソフィアス様と向き合い、まずホールドの仕方を教わりました。

そして、1に姿勢、2に姿勢、3、4も姿勢で5も姿勢。

とにかく、ダンスは姿勢がとっても大事なのだとモリーが熱弁しています。


私はそれよりもホールドで密着した体勢で今にも噴火しそうなソフィアス様の鼻元が気になってしまい、気が気ではありませんでした。

それに加えて、背中に回された手がずっとプルプル震えていて、それも気になってしまって教わった事が頭に入ってこなくて困りもんです。


「あの、練習相手はソフィアス様じゃないとダメでしょうか?ソフィアス様の緊張が尋常じゃないんですけど」

「リっリリーシュカ!?くっ!リリーシュカに心配されるとは・・・!!ち、ちょっとだけ待っていて欲しいのだ!」

「えっ?ソフィアス様?どこへ?」

「すぐ戻るのだー!!」


ソフィアス様はそう言い残すと、部屋から出て行ってしまいました。


「あの、ソフィアス様が居なくても出来る事から教えてください」

「・・・かしこまりました。それではステップをいくつか覚えてもらいますね」


モリーもあっけにとられていましたが、何事も無かったかの様にレッスンを始めました。流石ですね。いちいちソフィアス様の奇行に反応していたら身が持たない事を悟ったのでしょうね。


「いざとなったらソフィアス様が、しっかりとリードしてくださいますから・・・多分」

「はぁ・・・」


そういや、ソフィアス様戻ってきませんね。

まぁ、私はひたすらステップを覚えるまでです。

最初は嫌々でしたが、やってみればなかなか楽しいもので、覚えがいがありますね!

前世では身体が丈夫だったとしても、社交ダンスに縁があったかどうかわからないですからね。

多分ここで教わる事は、普通に生きていたら経験出来るか分からない事なので、いい経験だと思う事にしましょう。


「リリーシュカ様は、テーブルマナーはアレですがダンスはなかなか筋がいいですね」

「ありがとうございます!」


へへ、褒められました。“テーブルマナーはアレ”とか言われましたが。


「リリーシュカ!待たせたのだ!」


丁度その時にソフィアス様が、戻って来ました。

なんだか服が乱れていますが、何をして来たんでしょう?


「精神統一の為に城の兵士達と打ち合いをしてきたのだ!」

「は?」

「これで、暫くは大丈夫なのだ」


えぇ?打ち合いって。私はそれをしている所を見たかったんですけど。


「さぁ、リリーシュカ。踊ろうか」

「はぁ・・・」

「では、音楽をかけますね。ステップは大分上手くなられましたので、今度は姿勢にも注意してくださいね」

「はい!」


ソフィアス様と再びホールドを組んで、音楽に合わせてステップを踏みます。

お!先程はアレでしたが、格段に踊りやすくなっています。・・・というか、ソフィアス様のリードが凄く上手いです。

モリーにターンは教わっていないのですが、ソフィアス様が上手くリードしてくださるので、自然にターンをする事が出来ました。


「ソフィアス様!凄いです!とても踊りやすいです!」

「そ、そうか!リリーシュカが踊りやすいなら良かったのだ(リリーシュカの貴重な私に向けた笑顔なのだ!)」


曲が終わってソフィアス様を見上げると、とても穏やかな顔をしてこちらを見ているので、少し調子が狂ってしまいますね。


パチパチパチパチパチ・・・


モリーが笑顔で拍手をしてくれました。


「お二人とも踊っている時はとても素敵でした!リリーシュカ様も初めてなのに、ここまで踊れるのはとても素晴らしいです。テーブルマナーの時はどうなる事かと思いましたが・・・」


踊っている時「は」って・・・。なんか素直に喜べない自分が居ます。

テーブルマナーの事は相当ヤバかったのか物凄く引きずってますね。モリー。

人には向き不向きがあるんです!


「じゃぁ、後はテーブルマナーさえ完璧にすれば、残りの期間はお城に滞在していなくても大丈夫ですかね?」


それとなく聞いてみましたが、モリーは首を横に振り、


「他の踊りもありますし、まだまだ覚えて頂きたい事がありますので、期限までみっちり頑張りましょうねっ!」


ニッコリと微笑みながらそう言いました。

凄いプレッシャーを感じます。


ダンスのレッスンを終えて部屋に戻る途中、何気なくお城の外を見ました所、庭に数十人の兵士が倒れているのを見かけました。

あれは・・・ソフィアス様と打ち合いをした方々だったのでしょうか?

あんなに兵士が倒されていて、お城のセキュリティは大丈夫なのでしょうか?


そんな少しの不安と、ソフィアス様と踊ったダンスが楽しかった高揚感とがごちゃまぜになってこの日は少しテンションがおかしな1日でした。

本日の更新はギリギリになってしまってすみませんでした。

そして、今回もお読み下さり、ありがとう御座いました<(*_ _)>

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