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剣士になりたくて

 もう、どの位歩いてきたのでしょうか?うっすらとお城の様な建物がある街を発見しました。

 うわぁ、屋根と壁の色がカラフルで可愛らしい街です。


 街に近づいていくと街の入り口に兵士がたっています。通行証見せないと街に入れないシステムでしょうか?

 私は門番に近づき、とりあえずパスポートを見せてみました。


「んー?お前ライセンス無しか。ライセンス無しはとりあえずこっから見えるあの、水色の壁の建物。わかるか?あそこに行ってライセンス貰ってこいよ」

「ライセンス・・・?」

「お前ライセンス知らないのか?ライセンスはこの国で暮らしていくための職業の資格だよ。好きな職業のライセンスを貰えばいいんだよ。ライセンスのねぇやつは職につけないからな」

「はぁ。ありがとうございます」


 えっとまず街に入るにはライセンス発行が必須・・・と。パスポートは身分証明書として通用しましたね。この国で暮らしていくには何らかの職に就いてお金を稼がなくてはならないですよね。で、ライセンスっていうのはその職に就くための許可みたいなもんですね。・・・もちろん、私は冒険者をやりたいです。


 私はワクワクしながら、街の外に建てられた役場みたいな雰囲気の建物の前にやってきました。

建物の入り口の看板には見覚えの無い文字が書かれていましたが、『セルドジルワール職業相談所』と読めました。セルドジルワールっていうのは街の名前でしょうか?さっきの門番に聞き忘れてしまいましたね。それはそうと、言語関係の問題は無さそうですね。安心しました。

 建物の中に入ってみましたが、何だかテレビで見たサスペンスドラマに出てくる刑務所の面会のシーンみたいにガラスの仕切りを隔てて対面する窓口が沢山あります。

 

「あ、ライセンス発行の手続きですね!こちらの窓口で受付け致しますよ」


 わっ、健康的な褐色の肌の色の、ショートカットで、水着のビキニのトップにショートパンツという露出度高めの服を着たお役所仕事にはそぐわない格好をした豹柄のけも耳をつけたお姉さんが案内してくれました。

 こ、ここはビーチかリゾート施設か何かでしょうか??


 私は案内された窓口の椅子に腰掛け、パスポートを渡しました。


「えっと、リリーシュカさん。お名前とお写真の確認しました、と。一応最初に就ける職業ですが、こちらになります」


 お姉さんに手渡されたパンフレットには、『はじめてのライセンス』という言葉とチープなイラストが書かれています。ペラっとページをめくると色んな職業の特徴と、取得資格などが書かれておりました。

えーと、冒険者(G)、酒場のスタッフ、薬師、料理人、騎士見習い、メイド・・・メイド!?

 うん、冒険者1択ですよ!


「冒険者でお願いします!」

「はい、冒険者にもジョブの種類がありまして・・・うんぬんかんぬん」


 冒険者にもランクがある様で、あと、ジョブっていうのもありました。

ランクは実績を積んだら上がるものらしく、ランクが上がると報酬も上がります。初心者パンフレットに記載されている冒険者(G)の(G)というのがランクみたいですね。初心者はGランクしか就けないんですね。ランク上げ・・・燃えますね。フフフ。

ジョブというのは、剣士とか魔法使いとか弓使いとか傭兵とかの種類で、冒険者は冒険者でも色々枝分かれしています。


「では、あちらの突き当りを右に曲がってすぐの、お部屋で適正測定をしますので、今から向かってください」

「はっ、はい」


 適正測定・・・もしかしたら、あなたは冒険者には向いていませんとか言われちゃったりしないですかね。ドキドキ不安です。

 私は言われた通りに突き当りを右に曲がりました。

曲がってすぐのお部屋の入り口に『測定室』とかかれたプレートがかかっています。

ドアを開けて中に入ると中は、病院のCTとかを取る時の装置みたいなものがデーンと設置されていました。


「はい、それではこちらに横になってくださいね。あ、頭はこちらです」


 なんだか前世での病院漬けだった日々を思い出してしまいます。朝から晩まで検査、検査、検査。

多少のトラウマを感じながら私は素直に機械に横になりました。


「すぐ、終わりますからね」


 お姉さんがそう言って機械のスイッチを入れたようです。

ウィィィ・・・ンと私の乗った台がトンネルみたいな所に移動していきます。

私は目を瞑り、ゆったりとリラックスするように努めました。

そして、数秒後、また機械がゆっくりと動き出しました。


「はい、終わりましたよ」


 本当に早っ!!!あっという間でした。


「では結果が出ましたらお持ちしますので、先程の4番窓口に戻っていてください」

「はい」


 私は測定室を後にしてさっきまで説明を受けていた窓口へと戻ってきました。

ほどなくして、お姉さんがバタバタと忙しなく走ってやってきました。


「あ、あ、あ、あ、あなた凄いじゃない!とても才能があるわ!」

「ほ、本当ですか?」

「ええ、立派な白魔導師になれるわ!」

「・・・・・・え?剣士ですよね?」

「し ろ ま ど う し!」 


 いやいや、聞こえてます。聞こえてますけども。私は剣士になりたいんですってば。

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