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前略、皆様。

この回より新章スタートです。

皆さんこんにちは。リリーシュカです。

この度私は、魂の入れ違いの起こった全員が話し合い、納得して決めた人生を改めて生き抜く事になりました。


あれから、早くも半年程が過ぎまして、私達は相変わらずクエストを受けてはクリアするのを繰り返して地道に生活をしております。

手慣れたもので、ガシガシ名声値を稼ぎましたので、なんと・・・私はBランクまでのし上がりましたよ!

私より早く冒険者になったジェシーはもはやAランクの冒険者です。

光の子の称号や、王子やAランクの冒険者が居ると言う事の合わせ技で私達のパーティーもそこそこ名が知られてきまして、クエスト依頼で指名されたりする事も増えてきました。


ソフィアス様は相変わらず私のストーカーまがいの事をしていますが、あれから私に不用意に近づいてくる事はありません。

きっと、反省をしたのでしょう。

私も相手がどんな忠犬だとしてもオスはオスなのだと学習しましたので、女性として生きていくと決めた以上、付け入る隙を見せては行けないと日々精神を鍛えております。

ロバートは相変わらず、私の舎弟として従順にしています。


そんな変わりのない日常を過ごしていた私達に、日常をぶっ壊す程のクエストが舞い込んできたのです。



【セルドジルワール国 王都ラディプール グリューンヴェルデ城内】


毎度おなじみ、トランプのキングによく似たおっさんが玉座に鎮座しております。ここへ来るとげんなりします。


「おぉ、よくぞ参った光の子リリーシュカと我が息子ソフィアスとその仲間よ」


これ、毎回言うんですね。ご自分の息子より私を先に呼ぶのがなんとも・・・。


「此度、そなたらをこちらに呼びつけたのは、そなたらに請け負って欲しいクエストの件についてなのだが・・・」


国王から直接依頼されるクエストとは一体何なんでしょうか・・・?ごくり・・・。


「セルドジルワール国は隣接しているヴォルフォズマ国と休戦協定を結んでおり、互いの国を自由に行き来出来るほど友好な関係になったのだが、ここ最近アチラの王と連絡が取れないのじゃ。何が起こっているのか調べてきてくれぬか?」

「は!?何故私なのでしょうか?Sランククエストじゃないですか?それ。いや、それ以前にそれって冒険者の仕事でも無い様な・・・」

「そなたのパーティーには我が息子ソフィアスが居るからじゃ。王位を継ぐものがまだ確定していない今、一応は第一王子のソフィアスがワシの代わりに挨拶に行くのが筋だからの」


こいつのせいで面倒くさい依頼がっ!

私は思わずソフィアス様をキッと睨みつけてしまいました。

ソフィアス様は何故か嬉しそうです。


「つまり、ソフィアス様の付き人として私達は同行すれば良いって事でしょうか?」

「大まかに言えばそういう事じゃが、厳密に言えばそなたはソフィアスの婚約者という立場で潜入してほしい」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!?」

「その方が何かとソフィアスと一緒に行動しやすいからの」


やっべぇぞ!周りから固め始めましたよ、このおっさん。

ソフィアス様は顔を真っ赤にして照れています。


「いや・・・、このクエストを受けてしまうと、‘偽’という事は伏せなきゃいけない為にソフィアス様の婚約者という肩書きが公になって、私の人生終わってしまう様な気がします・・・」

「いや、何。遅かれ早かれこうなる事が少し早くなっただけじゃないか、リリーちゃん」

「ひぃっ」


おっさん目が笑ってないです、本気の目をしています。


「そろそろ本当にぱ・・・パパって呼んでもいいんだょ☆」


クッソ!モルゾーの真似ムカツクなぁぁぁ。いや、真似じゃなくてオリジナル(本物)か・・・。


「おぉ、そうじゃ。ヴォルフォズマ国にはソフィアスより2つ3つ年下の姫が居ったな。その姫はソフィアスによく懐いとったから協力してくれるだろう」


えぇぇぇぇ。そのソフィアス様に懐いてたって姫様もソフィアス様に懐くぐらいだから変人なんじゃないですかぁ?

やだなぁぁぁぁぁ。めんどくさいなぁぁぁぁ。チラっとソフィアス様を見たら


「り、リリーシュカが私の婚約者・・・ふふふ・・・ふふふっ///・・・あぁっ!興奮しすぎて鼻血が出たのだっ!!」


顔が赤く、目が血走っていて鼻血を噴いてるなんか怖い人になっていました。

あ、こいつぁ最早使いもんになりませんね。よし、今日からこいつは荷物だと認識する事にしましょう。


「・・・因みにこのクエスト、私が断った場合は・・・?」

「戦争だね!(キッパリ)」

「えっ!?」

「だって友好国の国王からの便りを無視しちゃってんだょ?外交問題の行き詰まりでしょ?リリ-ちゃんが受けてくれなかったらソフィアスも動かない。って事は調査の仕様がないからこちらとしては有無を言わせずに攻め入るまでよ」


しゃぁしゃぁと言いやがります。

いや、あの。多分、他にも方法はあるんじゃないですかね・・・。


「国王様が直接お伺いになれば・・・」

「痔が酷くて長時間の移動はムーリー」

「や、あの・・・ですね」「リリーちゃん!」

「はい・・・」

「これは国王命令だから(ズバッ)」

「・・・・・・・・・・・・喜んでお受けさせて頂きます」

「うむ。頼んだょ☆」


くっ・・・!とんだ独裁国家ですよ!もういっそジェシーに、おっさんのお尻にケツバットでもさせて全員で国外追放にされた方が私幸せなんじゃないでしょうかね?

色々とぬるすぎやしませんかね?この国。


という訳で最初から拒否権の無い私はソフィアス様の婚約者(偽)として隣国に向かう事になったのでありました。


皆様も、長い物には巻かれるという経験があると思いますが、お互い心を強く決して心は屈さず誇りを持って生きていきましょう。


かしこ

今回もお読み頂き、ありがとうございました(^^)


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