サラマッティ到着
私達一行は、サラマッティの街へ来ました。
屋台と露天が立ち並び、商人が多い印象です。カジノで儲かった人向けですかね。
街が潤っているのはいい事ですね。
「はぁ〜。王都とはまた違った賑やかさねぇ。胡散臭い商人とか居るから気を付けなさいよね!特にリリーと坊や!」
「大丈夫ですよ!でも珍しいもの沢山ありますねぇ」
「わ、私も大丈夫なのだ!」
アラジンみたいなターバンを被ったアラビアンな人が多いです。山を隔てただけでこんなにも風習や服装等文化が違うものなんですねぇ。
「お嬢ちゃん、珍しいキノコ連れてるねぇ。おじさんに売ってくれないか?」
ふいに、通りすがりのお金持ちそうな身なりのおじ様に声を掛けられました。
「おじさん、珍しいものを集めているんだよ。いくらなら売ってくれるんだい?」
「いや、コレは売り物ではないですので・・・すみません」
「金貨2枚でどうだね?」
「ひぇっ!!!い、いや、ですから」
「じゃぁ、金貨3枚はどうかね?」
「もう、売っちゃいなさいよ」
「ジェシー!?いやホント、ロバートは私の家族なんで!!」
「アニキぃ・・・!」
「残念だなぁ。売りたくなったらあそこの建物の一番上までおいで。あそこの最上階は全部おじさんの家だから。おじさん、待ってるからねぇ」
おじさんが指差した建物は、カジノに隣接する高層マンションでした。見た所60階はありそうです。うわーーー!金持ちっぽいと思ってたけど、凄まじいお金持ちですね!
「勿体無いわねぇ。雨の日クエストなんて高額といえども3匹で銀貨90枚だったじゃない。それをたった1匹で金貨3枚よぉ?」
「いや、そんな人身売買みたいな事出来ませんよ(1回やったけど)。・・・ロバートはこのままじゃ目立ちますねぇ」
「アニキ、何の話です?3匹とかって」
「いやいや、なんでもないですよ!ニワトリ3匹捕まえた話なので、大した話じゃないです!」
「そうですか!ニワトリかぁ。アレ旨いですよね!」
ふぅ。危ない危ない。ってかタマタンって肉食なの?
それにしても、また、いつロバートを売ってくれと言われるかわかりませんし、最悪攫われてしまうかもしれませんよね。どうしたもんでしょう・・・。
歩きながら考えていると、ふと、露天で売っているターバンとアラビアン風の幼児服が目に留まりました。
そうだ!アレです!アレをロバートに着せて変装させればいいのです!
私は即効でロバート変装セットを購入して路地裏で着替えさせました。
「あぁ・・・。なんか・・・確かにこんな人居るわね・・・なんとなくキノピ・・・」
「でしょう?完璧です!」
「アニキ・・・腕の位置が微妙に違うので腕が出せないです」
「え?うーん、袖切っちゃえばいいかな?」
ザクッザクッ
「おぉ、ちょっと無理すればいけますね!」
「腕の位置変えられないですか?」
「いくらアッシが偉大なタマタンだとはいえ、無茶言わないでくださいよ・・・」
そこまでは言ってないです。腕抜けても平気な癖に位置は変えられないなんて。
「袖切ったらますますキノピ・・・」
「おっとそこまでです!!それ以上言ったら闇の組織に消されちゃいますからね!」
「や、闇の組織!?何それ怖い!!」
変装したロバートはなかなかのものらしく、あれから声を掛けられる事はありませんでした。
それでは、おじいさんとお兄さんの捜索スタートです。
私達はソフィアス様に量産してもらった私達の理想像を街の人々に見せて回りました。
なかなか、目立っているみたいで思っていたよりもすぐに情報を得ることが出来ました。
「あー、このお姉さんはよくカジノで自分自身を賭けて勝負してるわよ。滅茶苦茶ギャンブルに強くて未だ勝った人は居ないけど」
お姉さんて事はジェシーの本体ですね!ギャンブルに強いのはおじいさんでしょうか、それともお兄さんでしょうか。
「こっちの男の子も・・・うーん見掛けた気はするけど何処で見たかなぁ・・・ごめんね。思い出せないや」
「いえ、有力な情報ありがとうございました!」
ジェシーの本体の手掛かりが掴めただけでも儲けものです。
カジノで張っていたらすぐ見つかりそうですね!
「ジェシー!とりあえず、カジノに向かいましょう!」
「そうね!私の身体返してもらわなくちゃだわ!」
カジノ、テレビとかパソコンで見たのとおんなじです!
バニーのお姉さんも居ますし、ルーレットやスロット、カードゲームなどがあり、ディーラーさんも格好いいです。
楽しそう!!・・・と、いけません。本来の目的を忘れちゃダメです。
「私もカジノは、初めてなのだ」
「人間は、こんな遊戯で楽しんでいるのか・・・勉強になりますね!アニキ!」
「ふふ、ソフィアス様もロバートも迷子にならないでくださいね」
私達は、カジノのバーコーナーのテーブル席に座って観察する事にしました。
カジノに来ている皆さんはとてもイキイキして見えます。カジノに勝ったと見られる浮かれた雰囲気のおじ様、逆に負けたのか深い影を纏っているおにいさん。悲喜こもごもです。
暫く観察していると、ダイスゲームの所が何やら騒がしいのに気付きました。
「おい、ラナリッテ姐さんがまた賭けを始めたぞ!」
「すっかりここの名物だよな」
そんな声が聞こえてきましたので、私達もそこに移動してみる事にしました。
今回もお読みくださり、ありがとうございました(^O^)ノシ




