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異世界に転生しました

 ジェットコースターを目指して数分歩きました。他のアトラクションは混んでいるのに、ジェットコースターの列は私達しか居ません。え・・・。不人気なんですかね?

 上を見上げるとジェットコースターのレールが最初に凄く高い位置から落ちるようになっていて、その後2度、ループする様になっています。


「おじいちゃん、大丈夫ですか?」


 お年寄りには危険な気がします。


「大丈夫じゃろ。もう死んでおるんじゃからのぉ。ホッホッホ」

「あ・・・そうですよね」


 ジェットコースターに乗り込みアニーの指示に従って安全バーを降ろしました。う〜ドキドキします。私とお兄さんは最前列、おじいちゃんとおばさんは私達の後ろの席です。


「それでは、新しい世界に行ってらっしゃいませ〜」


 アニーの掛け声と同時にジェットコースターが動き出しました。天界滞在時間2時間も居なかった気がします。他の施設も色々見て回りたかったですが、先に急ぎましょう。だって新しい人生が待っているんですもの!


「皆さん、新しい世界に行ってもお元気で。いい人生をエンジョイしてくださいね」


 行き先は多分皆バラバラだと思いますので、これが最後と思い、皆さんにご挨拶です。


「お嬢ちゃんもなんか大変そうな世界に行くみたいだけど、元気でね」

「ホッホッホ。短い間じゃったけど、さらばじゃ」

「・・・じゃあな。その、希望の世界に行けるといいな」


 うん。皆さんも新しい世界で幸せに暮らせますように。


 ジェットコースターはカタンカタンとレールを登っていき、もうすぐ頂上です。魂でも重力を感じます。不思議ですね。

 ふと、隣を見るとお兄さんの顔が真っ青です。もしかしてお兄さん、ジェットコースター怖いんですかね?

 ジェットコースターが落下する瞬間に私は無意識にお兄さんの手を握っていました。


 うわー!うわー!!ジェットコースターって、は、速いんですね!あっという間に落下して、次はループです。


 ループしている間に私の16年間の思い出が走馬灯の様に流れてきました。

 短かったけど、殆ど入院してたけど、両親は優しかったし出来うる限りの好きな事もさせてもらいました。


 とってもいい人生でしたぁぁぁぁぁぁーーーー!!


 ジェットコースターがまばゆい光に包まれて、先程まで感じていた重力も感じなくなって、私達も光と一体になっている感じです。





 ん・・・。目を開けると、私は綺麗なお花畑に倒れていました。ここは・・・?

 辺りを見回しても誰も居ません。やっぱり皆別々の世界に行ったんですね。ちょっぴり寂しいです。

 あっ!お花畑の向こうに水面がキラキラした・・・川があります。


・・・・・・お花畑と川。これは。三途の川ってやつではないでしょうか?あれぇ?私転生に失敗してしまったんですかねぇ?

 おっと、私右手に何か持ってるみたいです。握られた右手の手の平を開くとシルバーの指輪がありました。

 私のでは無いですね。でも、何か意味のあるものかもしれませんので大切に持っておきましょう。


 私は仰向けにゴロンと寝転んでみました。日の光に指輪をかざして見てみるとキラキラとしてキレイです。指輪の上は平になっていて緑色した透き通ったエメラルドの様な丸い石がはめ込まれていて、その石を包むように三日月が刻まれています。まるで、緑色の石が太陽でお月様とセットみたいに見えます。


 さてと。まずは外見チェックですね。

私は川の方へ向かいました。川は近づくにつれてキラキラが増している気がします。

 

 すぅ〜〜〜はぁ〜〜〜


私は深呼吸をして意を決して川の水面を覗きました。そこに映っていたのを見て、私は愕然としてしまいました。


 な、な、なんで!?誰!?私が設定したキャラじゃないんですけど!!!


水面に映っていたのは生前の私と年の頃はあまり変わらないショートボブの 女 の 子 が映っていました。

 せ、設定と違うんですけど!!や、やっぱり転生失敗したのでしょうか?わー、どうしたらいいんでしょう?そ、そうだ。さっき発行してもらったパスポートは・・・。


!!!?


 パスポートの写真が、さっき川に映った女の子になっており、名前もリリーシュカ・ラティシエとなっていました。

 えぇぇー・・・。アニーはこのパスポートは本人専用って言っていましたよね。ということは、私は紛れもなくこの世界においてはリリーシュカという女の子で間違いないと言う事ですね。


 うぅぅ。ショックです・・・。ショックですが、ここでずっとじーっとしている訳にはいきません。

とりあえず手がかりを探しに行きましょうか。


 私は川に沿って川の下流に向かって歩き出しました。途中、何度かスライムとか昆虫の亜種みたいなモンスターと出くわしましたので、ここが異世界という事だけは確かな様です。あいにく、私は武器も持っておらず丸腰なので、戦闘せずに逃げましたが。

 憧れていた、異世界生活。ちょっと容姿と性別に問題がありましたが、前世の自分は体力も無く常に酸欠の様な息苦しさがあったのですが、リリーシュカの身体は健康そのもので、私は本当に別人へと生まれ変わったのだと感じました。身体が丈夫だという事だけでも、これはこれで良かったのだと思う事にしました。

 

 これからどんな未来が私を待っているのかはわかりませんが、せっかく生まれ変わって異世界に来たのだから、精一杯エンジョイしなくちゃって思いました。

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