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ドキッ!丸ごとタマタン!タマタンだらけの攻防戦~ポロリもあるよ~

「ソフィアス様!!」


キノコ達をどかそうにも私の力じゃビクともしません。


「離せ~!離すのだ~!!」


ソフィアス様が腰にガッチリとしがみつく婦人部のキノコ達をなんとかしようともがいています。


「うぉぉぉぉぉ!離せって言ってるのだーーーー!!!」


ソフィアス様が渾身の力を込めてキノコ達を振り払ったその時です。


ブッチーーーーーーーン


という音がして、ソフィアス様の腰ミノがハラリと落ちてしまいました。


「い・・・・・・・いやぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「りっリリーシュカ!?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!リリーシュカに全部見られたのだぁぁぁ!!」

「・・・ったく何やってんのよ、アンタ達は。こっちは片付いたから加勢に来たわよ」

「あっ、ジェシー!ソフィアス様の股間に小さなタマタンが居ましたよ!ポロリってこんにちはです〜!あっ今は夜だから今晩はだったぁ〜!あははっ・・・ははっ・・・キュゥゥゥ」

「ちょっ!リリー?あー、・・・まーた気絶してるわ」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんなのだぁぁぁぁ(号泣)」

「坊やも、泣いてないでさっさとずらかるわよ!!よいしょっと」




「さー、キリエ。パパとお風呂に入ろうか」

「あれー?パパのお股についてるの、キリエについてないよー?」

「ははは。これはね、男の人にしか無いんだよ」

「へぇぇ!キリエも男の子だったら良かったのになぁ」

「キリエが男の子だったらパパとお揃いだな」

「うん!パパの、お隣のりっ君(チワワ犬)のよりちっちゃくて可愛いね」

「ふぁっっ!!?」


ごめんなさい。パパ。繊細なポイントに触れてしまってごめんなさい・・・。あの時、蜂にでも刺されたら大きくなるかなぁ〜って言って泣きながらやけ酒飲んでたよね。



「ごめんなさい、パパ〜〜〜!!!」


はっ!!あれっ?また、夢でした?


「・・・アンタ、こないだの気絶の時といい、父親に何をしたのよ」

「ジェシー。・・・いえ、些細な事なんですけどね。そんな事よりここは?」

「5合目の山荘よ。坊やのハダカ見て気絶したアンタおぶってここまで来たんだから」

「すいません・・・。父親以外のアレを見たのは初めてだったもので・・・」

「アンタも坊やもウブねぇ」


山荘はそんなに広くは無く、二段ベッドが2つと、食事をするテーブルセットとキッチンがあるだけでした。


「で、ソフィアス様はどうしてるんですか?」

「アンタの上で布団にくるまってりりーちゃんを握り締めてずっと泣いてるわよ」


あぁ、この二段ベッドの上段に居るんですね。


「あっ、アニキ!目が覚めたんですか?」


ロバートがスープを持ってやってきました。


「アニキ、アッシが作ったんですが、どうぞ。」 

「あ、ありがと。ってか、ロバート!ここに居ていいんですか?」

「アッシの事なら気にしないでください。・・・アッシは元々婚約者に逃げられたタマタンなので、村に居づらかったんです」

「ロバート、婚約者が居たんです?」

「えぇ・・・。村長の娘で、ジョセフィーヌという娘なんですが」

「ブフーーーーッ」


思わずスープを吹き出してしまいました。

私が吹き出したスープは全てロバートにかかりました。


「ぅアニキィッ!不味かったですか!?」

「い、いえ・・・。あ、あの。そのジョセフィーヌさんて?」

「・・・タマタンには昔から言い伝えがありまして。雨の日に星ケ浜で人間に見つからずに逢引をするとその愛は永遠になるという・・・。ジョセフィーヌはマシューという男と駆け落ち同然に村を出て、星ケ浜へ向ったのです」

「ブフーーーーッ」

「ぁアニキイィィ!熱かったですか!?」

「だ、大丈夫ですよ・・・」


え?あの雨の日限定クエストって、言い伝えを信じた『カップルのタマタン』狩りって事だったって事ですか!?しかも、あの雌キノコは村長の娘とな!?

本来は人間に見つからずに逢引しなくてはいけなかったのに、マシューが岩に挟まれたから仕方なく私達の前に姿を現したってトコですかね。

ジェシーを見ると、ジェシーも気付いた様で青ざめています。


「アイツ、今頃マシューと幸せに暮らしてんだろうなぁ。せめてアイツが幸せに居てくれれば、アッシはそれでいいんです」


私が吹き出してしまったスープがかかった所を拭きながら、ロバートは穏やかな顔で元婚約者を思い浮かべているようです。


「そ、そうですね!こどもも産まれて、きっと幸せに暮らしてますよ!!」

「へへっ。アニキは優しいな。このロバート、アニキの行く所どこへでもお付き合いします!!」

「あぁ。うん。ロバート料理上手だから料理係ね!このスープもすっごく美味しいです。何のスープですか?」

「あぁ、キノコのスープです」

「ブフーーーーッ」

「ぬアニキイィィィィィィ!?」


ちょっと色々な事が軽いトラウマになってしまったので、暫くキノコは口にしたくないです。


「ところで、何故タマタンは人間ホイホイを仕掛けてるんですかね?」

「あぁ。村の中心に大木がありましたよね?昨夜の金髪の兄ちゃんの様に火で炙って汗をかかせて、人間の汗と我々の胞子を混ぜたものを大木にかけるんです」

「うぇぇ。何のためにです?」

「そうすると、新たにタマタンが生えてくるんです」

「ひぃ!」

「先程の言い伝えで星ケ浜に向かったカップルで、再びタマタン村に戻ってくるのはほんの数える程度・・・村の人口は減っていく一方です。まぁ、全てのカップルが星ケ浜を目指す訳では無いですけど。だから、大木からタマタンを生やすことによって、タマタン村の人口を保っているのです」

「絶滅するのを防ぐ為の対応策、なのね」


恐るべし、タマタン。種の繁栄の為なら手段を選ばない・・・えげつないキノコです。

今回もお読みくださり、ありがとうございました(^^)

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