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仁義無き戦い〜SIDE ジェシー〜

今回は主人公のリリーシュカがまともな精神状態では無い為、

特別に‘ジェシー側からの視点’でお送りしますので、ご了承ください。

 ジェシーは困惑していた。

な、なんでこんな事になってしまったのかしら、と。


腕を組んで仁王立ちでキノコを嘲笑うかのような表情で見ているリリーシュカと、リリーシュカに戦いを挑まんと指を指して挑発しているキノコ。・・・小さいけどちゃんと指、あるのね。キモいわ。


「・・・ジェシーは手出し無用じゃけぇのぉ。こいつはワシが相手するけん」

「ほぅ、人間ごときがこの俺様にタイマンで勝負を挑むとはいい度胸だ・・・かかってくるがいい」


えっ?リリーは何故そんな口調なの?それ、どこの言葉なの??アンタの使い方あってんの?

そもそもアンタ、攻撃力ハナクソなのになんでタイマン挑んでんの??


「ほんならワシから行くぜ!!」


ポスッ


リリーの右手がキノコに当たったけど全く効いてないわね。


「・・・なんだ今のは。本気でやれ!!」


ポスッ  ポスッ 


あわわ、キノコ、ビクともしてないわ。


「・・・ふっ。蚊に刺されるよりも効かないぞ。お前、口ほどにも無いな。それじゃあ、今度はこっちから行くぞ!!」


キノコがリリーに思い切り拳を振りかぶった瞬間、「ぐはぁっ」っと言って弾き飛ばされて後ろの木に思い切りぶつかったわ。

っていうか、あのキノコ蚊に刺された事あんの?


「ぐっ・・・お前、なかなかやるな・・・。弱いと見せかけて俺様を投げ飛ばすとは・・・」


え?リリー何もしてなくない?


「くそっ、まだまだぁっ!!・・・うおぉぉぉぉっ!!!」


ビターーーーーーン!


「うぉぉぉぉりゃぁぁぁ!!」


バッチーーーーーン!


キノコは何度も何度もリリーに向かって行ったけど全て弾かれて飛ばされてったわ。・・・その度に木に打ち付けられて。


「はぁっはぁっ・・・」


力尽きて横たわるキノコにリリーが近づいていき、こう言った。


「・・・もうやめとき。おまんはワシには勝てん。おまんの負けじゃ」


って、アンタ何もしてないのに何故そんな勝ち誇った表情出来るの!?アンタの攻撃は 1 撃 も 効 い て な か っ た じゃない。キノコがボロボロなのは全部、跳ね飛ばされて木にぶつかった時のダメージじゃない・・・。


「くっ・・・。俺様の・・・負け・・・だっ・・・うぅっ」

「おまんの拳もなかなかだったけん、ほれっ」


リリーがキノコに手を差し出してなんか偉そうな事言ってるけど、いや、アンタ、キノコの拳 一 撃 も 受 け 止 め て な い じゃない!ツッコミどころが多すぎるわ、もう!


「アニ・・・キ・・・」


ガシィッと力強く繋がれるお互いの手と手!!これぞ (おとこ) と (おとこ) の・・・っ!!

って、何よこれ?何でリリーとキノコ、すっっごい満足そうな顔してんの?友情通り越して義兄弟関係が芽生えちゃってんじゃない!キノコも、アニキって・・・おかしいでしょー!?馬鹿なの!?この二人、馬鹿なのぉ!?




時は遡ること数分前。


キノコにキノコ呼ばわりされて逆上したリリーをなんとか宥めたのはいいけど、キノコが手にしていた物を見て、また逆上したのよね。


「アンタ、その右手?に持ってるリリーちゃんは何処で拾ったのですか?それに、さっき『ここにも』人間が居るって言ってましたよね?」

「はーん?お前に教える義理はねぇなぁ〜」

「・・・・・・」

「どぉぉしても教えて欲しかったら、そうだな。俺様と勝負して俺様に勝ったら教えてやるよ。どぉぉぉせ、人間ごときが俺様に勝てる訳がないけどなぁぁぁ」


このキノコ、何故そうまでしてリリーを煽るのかしら。


「くそキノコが・・・上等じゃき、勝負でもなんでもやったるきに!」


と、まぁこんな感じで冒頭に至る訳なんだけど。



で、時は現在まで戻り、リリーはキノコと何やら話しているわ。


「さぁ、このリリーちゃんは何処で拾ったのか言ってください」

「これは・・・3合目付近で金髪の兄ちゃんが落としていったんですが、落としたのに気付いたらしく、慌てた感じで探しに戻ってきた時に俺様・・・アッシの仲間が仕掛けた人間ホイホイにかかってしまったみたいで」

「人間ホイホイ!?」


切り株を挟んで対面しているリリーとキノコ。ホーリーライトでキノコを照らしていて、ちょっとした取り調べみたいになってるわね。・・・アレ、いっぺんやってみたかったんでしょうねぇ。


「はい。もしかしたら既にアッシの仲間にヤられてるかもしれません」

「ヒィィぃぃ!?な、何を!?」

「それはちょっと・・・アッシの口からは言えないです。タマタン(タンゴ・マ・タンゴの略)の村まで案内するのでご自分の目で確かめてください」

「ひぇっ!タマタマの村っ!?」

「いえ、タマタンの村です」


リリーとの勝負の後、リリーに対するキノコの口調が凄く丁寧になったのを見てなんともいえない香ばしい気分になったけど、それよりもタマタマ・・・ゲフン、タマタンの村に連れてかれたと見られる坊やの安否が心配ね。


「ジェシー!はっ、早く行かなくちゃっ!ソフィアス様取り返しのつかない事になってるかもですよ」

「そうね。案内してくれる?」

「チッ。アニキの仲間じゃなかったら胞子まみれにしてやるとこだぜ」


んまぁ!!このキノコ、リリーに対する態度と随分違うじゃないの!


「ロバート!!ジェシーに失礼な口聞かないで!」

「はっ、はい!すいませんアニキ!!」


・・・あ。アニキ呼びは確定なのね。まぁ、リリーもまんざらじゃなさそうだからほっときましょ。

つか、ロバートて。キノコの名前、皆やたら立派よね。



 アタシ達は坊やの貞操の危機を救うべく、ロバートの道案内で山道から外れてタマタンの村へと向かったのだった。

本日は2話更新でお送りしました。今回もお読みくださり、ありがとうございました(^^)

今回使用しました、『side使い』には賛否があるとは思いますが、今回は敢えて使う事にしました。

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