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ラディプールの奇跡

小さな王子様の華麗な挨拶を受けて、私は失礼とは思いながらニーヴェン様を見て感じた疑惑を直球で尋ねてみました。


「あ、初めまして。あの、失礼ですが王様とニーヴェン様は本当に血が繋がってますか?」

「くすっ。勿論ですよ。ちゃんと兄様と同じ両親から産まれました。兄様とは11離れています」


うわー!!と言う事はニーヴェン様は7歳!!

あの王様の血が入っているのにも関わらずなんてマトモなんでしょう!!ら、ラディプール(王都)の奇跡と呼んでもいいでしょうか?


「ジェシーお姉様も初めまして」

「ジェッ!ジェシーお姉様っ!?」

「あら〜、まぁまぁまぁ!!ニーヴェンちゃんはとーってもお利口さんなのね」


ニーヴェン様・・・出来るっ!ジェシーを初見でなんの躊躇も無くお姉様と呼べるなんて・・・恐ろしい子っ!!

ジェシーが浮かれて喜んでいます。


「兄様、僕、リリーシュカお姉様ともっとお話したいです」

「えっ、でも先を急いでいるのだ」

「ソフィアス様、馬車酔いもありますし、少しなら良いですよ。お昼も兼ねて休憩しましょう」

「わーい、やったぁ♪」


だってニーヴェン様かんわゆいんだもの。金髪おかっぱで、クリクリのまんまるのおめめ。

無邪気に笑う姿はまるで天使!!目の保養、心の保養!


ニーヴェン様のお付きの人がセッティングしたクロスの引かれたテーブルセットにみんなで座り、これまたお付きの人が淹れてくれた紅茶を頂きながらちょっとした休憩です。

私の両隣に王子様兄弟が、お向かいにジェシーが座っています。ソフィアス様の前にはちゃんとリリーちゃんもドールハウスの小物でしょうか、リリーちゃんサイズのテーブルセットに座っています。ソフィアス様人形も座らせた方がいいんですかね?でも、面倒くさい事になりそうなのでやめました。

 しかし、即効で簡易お茶会セットが出る辺り、さすが王家ですね。色々なものが準備万端です。もしかしたらアイテムボックスに別荘とか入ってたりしませんよね?


「ニーヴェン様はまだ七つだというのに、とてもしっかりしてらっしゃいますね」

「そ、そんな事無いです。僕なんてまだまだてす」


はにかんで謙遜するニーヴェン様もかんわいぃ〜!


「リリーシュカお姉様は元々セルドジルワールのお産まれではないですよね?ジェシーお姉様も」

「あれ?ニーヴェン様知ってらしたんですか?」

「いえ、魂のオーラの色が違うので。元々セルドジルワールで産まれた人は金色で、どこか他の所からの転生者は七色のオーラをしているのです」

「えっ!?オーラって見えるんですか?ソフィアス様も見えてました?」

「いや、私は見えてないのだ。だからリリーシュカが異世界の者だと聞いて凄く驚いたのだ。王家でオーラが見えるのは父上とニーヴェンだけなのだ」


あぁ。なるほど。ご兄弟の中でニーヴェン様だけにこの能力が備わっているからニーヴェン様が一番有力な次期王様候補と言われているんですね。

それにしてもニーヴェン様のこの優雅な身のこなし、対話スキル・・・。うん、これお城にソフィアス様居なくても大丈夫だわ。


「あ、そうでした。宿を出る時に宿の女将さんに頂いたサンドウィッチなんですけど、皆さんで頂きましょう」


私はサリエラさんから貰った紙袋をアイテムボックスから取り出してテーブルの上に広げました。本当は私一人で大切に大切に食べようと思いましたが、腐らせてしまったらそれこそ勿体無いですもんね。

それに、やっぱり食事は皆と一緒に食べた方がより美味しいに決まってます。


「まぁ、美味しそうね。頂きま〜す」

「僕、サンドウィッチ食べるの初めてです!頂きます。はむっ・・・!わぁっ!美味しいですっ」

「お口に合って良かったです。あ、ニーヴェン様お口にマヨネーズが」


私はハンカチでニーヴェン様の口元を拭きました。


「リリーシュカー!私もマヨネーズついてしまったのだ〜」

「ソフィアス様はご自分で拭いてください」

「つれないのだ~!でもそんなリリーシュカも可愛いのだ」

「そういう事言うのやめてください!」

「クスッ、アハハッ!」

「ニーヴェン様?」

「兄様とリリーシュカお姉様、なんだか父様と母様みたいです」

「えっ!?勘弁してください」「そ、そう見えるのか?///」

「ふふ・・・。母様・・・会いたいなぁ・・・」


そういや、ソフィアス様達のお母様の存在が皆無だったので少し気になっていましたがいらっしゃるんですかね?


「お母様はどこかにお出かけしてらっしゃるんですか?」

「あっ、ええ。お空に・・・」

「ひぃぃ!要らない事聞いてしまってすみませんでしたぁっ!!」


空を見上げて寂しそうにしているニーヴェン様。まさか、お母様は亡くなって・・・!?

私のバカバカッ!どこのお宅にも事情ってものがあるのに。

ニーヴェン様まだお母様が恋しい年齢なのに、しっかりしてらっしゃるのは、お母様はもう居ないのだという事実を小さな胸でしっかりと受け止めて精一杯我慢をなさってるからかもしれませんね。


「いえ、滅多に無いのですが、お休みの時はお城に戻ってくるし、普段は父様も兄様達も城の者も居るから大丈夫です」

「えっ?お母様ご存命でいらっしゃる?」

「えっ!?あぁ、ちゃんと生きてますよ。母様は天界で働いているんです。天界勤めの母様が父様と結婚する時の条件が、天界の仕事を続けさせてくれるならって条件なので」

「へ、へぇ」


王妃様生きてた!生きてました!!生存確認取れました!!!

まさか王妃様がバリバリのキャリアウーマンで出稼ぎ中とか・・・。しかも天界って!!この世界でちょいちょい天界ってワードが出てきたりして、この世界と天界がどっかで繋がってるんじゃないかって気はしましたが、こんなとこで繋がってました!!

今回もお読みくださりありがとうございました(^^)

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