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天界というところ

 荷車に乗って天界に向かった私達。天界って空にあると思ったでしょ?実際に言ってみると、ある程度の高さまで登った後に異次元へワープしてるんです。

 アニーは空に向かって上昇する荷車は生前のイメージを壊さない為の演出だと言っていました。確かに、死んだら天に昇るってイメージですもんね。

 死んで尚こんな荷車に乗せられるというサプライズという名の辱めを受けるとか思ってもみませんでした。


「はぁ〜い、もうすぐ着きますよぉ〜。よいしょ」


 アニーの右手には『行先未定御一行様』という字が書かれた旗が握られていた。

 えぇ〜・・・観光じゃないんですから。。。


「はぁ〜い、着きましたぁ〜。はぐれないようにちゃんとついてきてくださいねぇ〜」


 ここからは徒歩みたいです。荷車から降り立った地面は雲をイメージしているのか白くて少しフワッとします。

キョロキョロと見回してみましたが天界は果てしなく広く、そして人も沢山います。人だけじゃなくて、犬とか猫、鳥とかの色んな動物とかも居ますね。とても賑やかです。

 よく見ると私達と同じ様に、『行先未定御一行様』とか『長期滞在御一行様』とか色んな旗を持った天使にそれぞれ案内されています。


 『ようこそ天界へ』というなんとなくふざけた感じの垂れ幕のかかったゲートを通ると、なんだか遊園地とかにあるようなチケット売り場っぽい建物が見えます。まさかチケット買うとかではないですよね?


「は~い、ここでちょっと待っててくださいね~。パスポートを発行してもらってきますから~」


 そう言い残すとアニーはチケット売り場らしき建物の行列に並びに行ってしまいました。

えぇ~~~?これって本当に観光じゃないのでしょうか?


 待つこと10分少々、ようやくアニーが戻ってきました。


「お待たせしましたぁ~。こちらのパスポートは本人専用となっていますので、失くさないよう気をつけてくださいねぇ~」


 そう言って一人一人にパスポートを手渡しで配りました。

渡されたパスポートは、私の名前と今日の日付(・・・命日って事でしょうかね?)が書かれており、顔写真を貼るスペースがある、プリペイドカード程の大きさのものです。


「えっと、それでは早速そのパスポートを完成させに行きましょうね~」


 あぁ、写真を撮りに行くんですね。チケット売り場の脇の一人ずつ通る回転式の棒がくっついた・・・なんて名前かはわからないですが、ソレを通って入場?しました。

軽快な音楽が流れ、アトラクションみたいなのが見えます。まんま遊園地みたいです。

 入り口からほどなくした所にあります、フォトショップみたいな所にきました。


「はい、それではぁ、なりたい自分のキャラメイキングをしましょう~」


 キャラメイキングって・・・オンラインゲームみたいなやつでしょうか?

・・・って事は!なりたい自分になっていいんですね!?フヒヒ、もう、興奮が止まりません!!


 パソコンみたいな端末が並んでおり、アニーに促され各々腰を掛けました。


画面は、本当にオンラインゲームの様なアバター設定みたいな画面になっており、性別や各パーツ、服装等パーツの数が凄く多いです。

 あれ?もしかして双子とか、他人の空似ってのはこのキャラメイキングか被った人って事でしょうか?

おじいちゃんとノブ代さんには交互にアニーがつきっきりで操作方法を教える感じでキャラメイキングスタートです。


 えーっと、性別はもちろん男の子で、年齢は今の私と同じ16歳で~、目は~、まゆげは~、口は~、髪型と髪の色は~・・・なんか楽しいです。

 よし・・・こんな感じですかね。

私の作り上げたアバターは、白銀の短髪の忍者風の格好をした美少年でありますっ!私の好み全開です!!

あぁ~~!こんな美少年になれるなんて・・・もう 死 ん で も い い ! ! ! 

 ・・・いや死んだからここに来てるんですよね、私ったら(テヘ☆)


隣を見ると、お兄さんもキャラメイキングが終わったようでした。どんなキャラにしたんでしょうかね?


「ワシも出来たぞい」

「なんとかアタシも出来たわ~。やれば出来るもんだねぇ」

「はぁ~い。皆さん出来上がった様ですので登録ボタンを押してくださいねぇ~」


 アニーに言われた通りに登録ボタンを押そうとしたら、突然フッと停電がおこったみたいに画面が暗くなってしまいました。

もしかして、また最初からとかですか!?


「すぐ戻りますから落ち着いてくださいねぇ~。ちょーっと天力を大量に使うアトラクションが始まったようですのでちょっとだけお待ちください~」


 天力とは電気みたいなものでしょうか?まぁ、私のキャラさえ無事ならそれでいいです。フフフ。


 ほんの数分経った頃、画面が戻り無事に皆登録出来たようです。


「皆さんは行先、決めてたりしますかぁ?」

「はいっ!私はとりあえず異世界に行きたいです!チートな能力使って無双して、冒険して、女の子達と面白おかしく暮らしたいです!!」

「そ、そうですかぁ〜。他の方は希望ありますかぁ?」

「アタシは特に無いねぇ。ひもじい思いとかしなけりゃいいわ」

「ワシはモッテモテになれるとこがええのぉ」


 おじいさん、おばあさんの事はもういいんでしょうか・・・?歳を取っても男、なんですね!


「俺は・・・別に。俺が死んだ世界以外ならどこでも。」

「あっ、ちょうど皆さんにピッタリの世界がありますよぉ〜。外に出てジェットコースターを目指してください〜」


 ジェットコースター!私生前は心臓弱かったから乗った事ないんです。とっても楽しみです。

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