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あなたと繋がりたい・・・

 ギルドに私とジェシーの正しい転生先のポスターを貼り出して貰って数日が経ちましが、見かけた人が居ない様で全く進展しない日々を過ごしています。


あ、でもこないだついに街の外でモンスター討伐のクエストをクリアしたんですよ!

畑の野菜を溶かして自分の養分にしてしまうというここらで一番雑魚モンスターのグリーンスライムの討伐でしたけどね。たかがスライムごとき!と思っていましたが、私の攻撃はそのたかがスライムごときにすら全く効きませんでしたょ☆ハハッ♪(モルゾーの真似)。

現実をまざまざと見せつけられまして、もうモルゾーの真似でもして笑うしかないです。


 そんなこんなで茫然自失だった私ですが、ジェシーとソフィアス様のおかげで着実にクエストをこなしていった結果、なんとEランクまで昇格しましたよ!なんだかんだ言ってもキモイのさえ我慢すればこのパーティーでも充分やっていけますね。

私が非力でもジェシーがフォローしてくれますし、私が補助すればソフィアス様は最強剣士になりますし・・・あれ?もしかしてかなり相性がいい組み合わせなんじゃないですか?


「リリー、アンタお金溜まってきたんじゃない?通信ツール買いなさいよ」


ギルドの酒場スペースでヴァイスヴルストを頬張りながらジェシーが提案しました。


「通信ツールですか?」

「そうよ。ほらこれ。今まで、アンタとの連絡手段が無いからとりあえず冒険者ギルド(ここ)に来てアンタか私が待っていたじゃない?・・・アンタと坊やは毎回連れ立って来てるけど」

「いやいや!連れ立って来ては無いですよ?私終始監視されているみたいで、私が出かければ毎回偶然を装って来るんですよ!外を覗くと黒い人が常に居るんです!もう怖くて怖くて」

「・・・相変わらずね。で、お金かかるけど通信ツールを買えばいつでもどこでも連絡が取り合える様になるのよ。通信ツールを持っている相手としか通信出来ないから今までアンタに連絡取れなかったのよね」

「へえ!それは便利ですね!スマホみたい!」

「でしょ。前世で使ってたのと同じ感じで違和感無く使えるし、アイテムボックスのいつでもすぐ使えるカテゴリに入れておけば、脳内パネルで遠隔操作も出来るから便利よ」


脳内パネルとは、イメージして目の前に出せる画面の事です。アイテムボックスとか、ステータス画面とかですね。脳内パネルはその人自身にしか見えません。


「じゃぁ、早速買いに行きましょう!」

「ちょっと待って、ご飯食べたらね!」


ジェシーはヴァイスヴルストに齧り付き、横に添えられていた香草も綺麗に平らげた後、アヴァロンティーをごくごく飲み干しました。


「あぁー、前世じゃ専業主婦だったけどこうやって自分で稼いで誰かが作ったものを食べるのもいいわねぇ。なんだか前世より充実してるわぁ」


ジェシーが本当に満足そうにしているのを見て、私も嬉しくなりました。


「ふふ、私もですよ。前世の思い出は殆ど病院ですからね。今世は色々なところに行きたいな」

「リリー・・・。アンタも今世ではエンジョイしなさいよ」

「はい。根本的にこの世界で私はうまくいかないシステムっぽいので、自分で運命を切り開かないといけないですからね!ねだるな、勝ち取れ!ですよ」

「なによそれ?」

「私の大好きなアニメの主人公のセリフですよ」

「安心するのだ、リリーシュカ!私がこの手で幸せにしてみせるのだ!私にねだってもいいのだぞ!」


・・・いや、アンタとおっさん(王様)のせいで、大分私の人生狂ってると思うのですが。




ギルドを後にして通信ツール専門店に来ました。対応してくれたのは猫耳をつけた感じの良さそうなお兄さんです。


「ねぇ、ジェシー。なんか受付の人達って大体猫耳付けてるけど流行ってるの?」

「あぁ、ケット・シー(猫妖精)って種族の人達よ。あの耳は本物なの。種族の特性か、接客が得意だから受付とか商人に就く人が多いみたいよ」

「へぇ!・・・あ、本当ですね!ふわっふわっもっふもふ♪」

「お、お客様!?おやめください・・・あぁっ!」


私が対面のお兄さんの猫耳をもふもふ堪能しました所、なんだか顔を真っ赤にしたお兄さんから喘ぎ声みたいなのが出ましたよ。


キュピーーーーン


これは、触られたらかなり気持ちいいのでは?


もふもふもふもふもふもふっ


「あぁっ、やっ・・・らめぇ・・・っ!!!はぁっ、はぁっ・・・こんなっ強引なのっ初めて・・・っ」

「よいではないか、よいではないか!!うへへ」


スッパーーーーーーーーン!!!


「あいたっ!」

「何やってんのよ、アンタは」

「え、えへへ。つい」


ジェシーの容赦ない一撃で我に返りました。


「くっ!私に猫耳があったならっ!!私もリリーシュカにもふもふしてもらえるのに!」


安心してください。ソフィアス様に猫耳があってももふもふしませんから。鼻血出しそうだし。

ギリギリとハンケチーフを咥えて心底悔しそうにしているソフィアス様を尻目に私はいまだ息の乱れているお兄さんに通信ツールの説明をお願いしました。


「はぁっ、はぁっ。そ、それでは通信ツールについて説明しますね」


紅潮した顔、途切れ途切れの息・・・私と全く視線を合わそうとしなくなった眼鏡のお兄さん・・・これは萌えますね!!


「通信ツールは、パスポートと連動させて使います」


ふむふむ。スマホとクレカみたいなものですかね。


天花石(てんかせき)っていう貴重な石を動力に使っている為お値段は少々お高くなっています。あ、天花石はですね、こちらがサンプルなんですが。天力が結晶化したもので、これ一つで半永久的に天力を発し続けますので通信ツールの買い替えはほぼ必要ないんです」

「わぁ。綺麗」


お兄さんの手の平にコロンと乗っかっている天花石と呼ばれる石は宝石の原石のようで、淡い透き通ったピンク色でお花みたいな形をした小指の先くらいの小さな石です。・・・つか、さっきから天力天力って言ってるのが気になりますね。


「あの、天力って言うのは?」

「はい。天力はこの世界の動力源です。このパソコンも照明も通信ツールも全部天力で動作しています。ご興味がある様でしたら、一度天力管理施設をご覧になるといいですよ」

「はぁ」


天力って天界でも使っていますよね?回復ポイントといい、チュートリアルの音楽といい、やっぱりこの世界は天界となんらかの関わりがあるって事ですよね。ううむ。

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