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逃亡、そして・・・

ギルドを後にした私とソフィアス様は、早急に虹の子になる為の情報を集めにヴォルフォズマ国の王都ヴェルツィアに向かう事にしました。

ジェシー達に通信を入れましたが、返事がありません。かなり安否が心配です。


なので、人目がつかない場所で奥の手を使う事にしました。ただ、うるさいので直ぐに逃げ出さなくては行けなくなりそうなのが心配ですが。

まぁ、為せば成る、為さねば成らぬ、何事も。ってやつですよね。なんか5・7・5の俳句みたいですけど。


私は考えるのは一瞬だけにして、直ぐに羽根型防犯ブザーの紐を引っ張りました。


ピュイィィィィィィィィィ!ピュイィィィィィィィィ!


あたりにけたたましい音が鳴り響きました。やべぇ。あたりが静か過ぎて凄いうるさいです。


シュンシュンッとジェシーとアミュールさんとリジットさんが現れました。


「あれ?アンタ達、無事だったの!?」

「ハニィ!良かったぁぁ!!」

「安心した」

「皆さんこそ、よくご無事で!ってか、騒音を発してしまったのでここは危ないです。取り敢えず逃げましょう!」

「「「「了解」」」」


感動の再開もそこそこに私達はその場を離れました。

建物の影に隠れ、メルルーニィの笛を吹きました。こき使ってごめんなさい。


すると、小鳥ちゃんのご両親と一緒に小鳥ちゃんが飛んできました。体が大きくなって角も伸びていますが、間違いなく小鳥ちゃんです。


「小鳥ちゃん!無事で良かったです!!成鳥になったんですね!」

“ママ、パパ!そうだよ!ボクもう大人になったんだよ!だから二人を乗せられるよ♪”

「そうですか!小鳥ちゃんのお父さん、お母さん。何度も申し訳ないのですが、隣国ヴォルフォズマへ連れて行って欲しいのですが・・・」

“お安い御用です、光の子よ。無事に牢屋を抜け出せたのですね”

“私達の背に二人ずつ乗れますが。あぁ、そちらの方は私の背中にどうぞ”


ジェシーがお父さんの名指しで、一人でお父さんの背中に乗る事になりました。

アミュールさんとリジットさんはお母さんの背中に、私とソフィアス様は小鳥ちゃんの背中に乗りました。


「おーい、こっちから声が聞こえたぞーー!!」


バタバタと音がして、複数の足音が聞こえてきました。


「わっ、追手が来ました!それじゃぁ、安全運転且つ速やかに移動をお願いします!」


私の指示で、小鳥ちゃんのご両親と小鳥ちゃんが空へと飛び立ちました。


「あそこだぞー!追え、追えー!」

「しかし、あれは幻の鳥ではないか!?」

「幻の鳥を殺したら厳罰だという言い伝えがあるぜ・・・」


小鳥ちゃん達メルルーニィが居てくれて良かったです。それだけでこうして私達の寿命が延びているんですもの。

飛び立ってしまえばこっちのもんで、小鳥ちゃん達はマッハで隣国まで飛んでくれました。


【ヴォルフォズマ国 王都ヴェルツィア リディロン城前】


私達は城の前で降ろしてもらい、小鳥ちゃんとご両親には身を隠してもらう事にしました。ロバギルも無事だそうで、落ち着いたら後から連れてきてくれるそうです。


私がプリンセス姫様に通信を送ると、すぐに城門が開きました。うわ、速くね?

そしてお城から瞬間移動したかの如く、姫様がダッシュでこちらまでお越しになりました。


「お姉様ぁぁぁ!お姉様、お姉様ぁぁぁ!!」


プリンセス姫様に思い切り抱きつかれてよろけましたが、何とか踏ん張りました。


「ぶ、プリンセス姫様・・・。迷惑は掛けたくなかったのですが、背に腹は替えられないと言うか、もう頼れるのは姫様のとこしか無いんです!」

『姫様しか(・・)居ないのです・・・しか(・・)居ないのです・・・居ないのです・・・です(エコー)』※姫様のお耳はこう聞こえた様です。


「おっ、お姉様っ!微力ながら、全力でお守りさせて頂きますわっ!ささ、こちらへどうぞ」


姫様の案内で私達は城の中へと向かいました。そして再び城門が閉ざされました。

プリンセス姫様がピッタリと私に憑いて・・・ついて居るので歩きづらいのですが、通信を全く返していなかった癖に頼る人が居ないからって都合のいい女の様に姫様を頼ってしまった事が後ろめたいので暫く言いなりになりましょう。


「ね、ねぇ、ソフィアス様。あのプリンセス姫様って・・・?」

「リリーシュカの事が好きみたいなのだ」

「やっぱり!女の勘(?)は当たるのよね。あぁー・・・、そっち側は私のなのにぃぃ!キィーッ!悔しい!」

「アミュール落ち着け」


ふふ、このパーティーはこんな事態になっていてもお構い無しですね。安心しました。おちおち寝てもいられないので、私達は取り急ぎ図書室へと向かいました。

席に座って、ここまでの経緯をお互いに話し合いました。


「私達は、王に呼ばれて謁見の間に行ったら変な理由つけられて魔力ゼロにされて地下牢に入れられたんだけど・・・」

「ッマーーー!!それは酷いわね!アタシ達はアンタ達が城に向かったから一度お開きにしたの。だからアタシは、後で皆で集まろーって言って二人と別れて宿に戻ったわ」

「私はリジットと一緒にいつも泊まっている宿に向かったんだけど空き部屋が無くて。で、その宿で代わりの宿を探してもらって向かった所、その宿屋はジェシーさんが泊まっている宿だったんだよ。その宿に3人集まった所でお城の使いの人に声をかけられたんだけど“王子夫婦が揃ってクーデターをおこしたので、仲間であるあなた達も城に同行願いますか?”って言ったの聞いて、は?何言ってんだこいつって思ってたら、パーティーメンバー全員集合強制瞬間移動に入ったんだよねー。やー、本当ナイスタイミングだったよ」


おっさん、やっぱりジェシー達も捕まえる気だったんですね。

・・・本当に何を考えてるんでしょうか。

そこまで虹の子になるのを阻まれると、意地でもなってやろうって気持ちになりますよね。

おっさんが嫌がる事全部してやりたいです。


「あ、そうです。皆さんパスポート出してください」

「ん?何すんのよ?」

「こうするんですよ。イフリート、このパスポートを燃やしてください!」


ボゥッと火の手が上がり、皆のパスポートが一気に燃えだしました。


「ぎゃぁぁぁ!アンタ何してんの!?」

「ハッハニィ!?」

「もう遅いかもしれないですが、実際にジェシー達の宿にも直ぐに城の使いとやらが来ていたと言う事から推測するに、国はこのパスポートで私達の居場所を管理しているんじゃないでしょうか」

「そっ、そうね!ギルドならまだしも私達が泊まっている宿をピンポイントで探すのって時間がかかるわよね・・・」

「どっちにしろ、後には引けないとこまで来ちゃってる訳ですよ。なら少しでも足掻いてみせなきゃ、です」


今、不思議と不安は無いんです。皆と一緒だからかな。

今回もお読み下さり、ありがとうございました┏○))ペコッ

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