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一念発起

ペタペタという足音がこちらに近付いて来ます・・・。ひぃぃ!井戸から出て来るアレ?それとも家に親子+猫で憑いているアレ?


「あ、居た!リリーシュカ!」

「ひぃぃぃぃ!!」

「リリーシュカ!私だよ!!」

「へっ?その声は、ソフィアス様?」

「わ、私はここに居るのだ!!」


隣の牢屋からソフィアス様の声が聞こえました。顔を上げて牢の外を見ると、ニーヴェン様より少し大きなソフィアス様が格子を掴んで立っていました。


「り、リリアスですか?」

「そうだよ!私、リリーシュカを助けにきたんだ!」

「す、凄い育っていますね!」

「成長期なんだ!」


た、タマタンは計り知れない生き物ですね・・・。


「助けるって、一体どうやって・・・?」

「私の魔力をリリーシュカにあげる。リリーシュカ、手を」


私はリリアスに手を差し出しました。


「今の私の魔力じゃ完全回復にはならないと思うけど・・・じっとしててね!」


リリアスは私の手をグイッと引っ張り、私に唇を重ねました。


「リリアス!?」

「このまま暫く待って!」


ふぉぉ!ちっちゃなソフィアス様にキスされてます!あ、でも魔力が回復しているのを感じます・・・。


「はぁ、はぁ。こ、これで少しは精霊動けるかな?」

「り、リリアスっ!?」

「私の魔力、全部、注いだよ・・・」

「リリアス、あなた透けてるじゃないの!待って!今ヒールを・・・」

「ダメ・・・。結界があるから、魔法使えないはず・・・。それに、せっかくあげたのに、無駄使いしないで・・・」

「でもっ・・・!」

「はぁ、はぁ・・・。リリ、シュカ・・・私を引き取ってくれてありがとう・・・短い間だったけど、傍に居られて、私幸せだっ・・・た」

「リリアスーーー!!」


リリアスは、キラキラと光りながら消えていきました。タマタンは魔力で動いており、その半分は優しさで出来ていると・・・長老の冗談だと思っていましたが、魔力と共に、こんなにも私の心は優しい気持ちで満たされています。

リリアス・・・。優しい子・・・。

指輪の輝きも戻って来ました。


「リリーシュカ?何があったのだ?リリアスは?」

「ソフィアス様・・・。リリアスは・・・私に全ての魔力をくれた後、消えてしまいました・・・」

「・・・そうか。リリアスは私の分身みたいなものだから、きっとリリーシュカを助けるためなら自分の命をも(いと)わなかったのだな」


命・・・。


「ノーム、対話可能ですか?」

『なぁにー?』


あぁ、良かったです。精霊は使えそうですね。


「この壁をぶっ壊してください!ソフィアス様、壁から離れてください!」

「わ、わかったのだ」

『わかったぁぁぁ!よ・・・・・・・・・っこい・・・しょっ』


ノームはスコップを振り上げ、壁に向かってスウィングしました。


ドッゴォォォォォッ


よし、壁が崩れました!土煙が収まると、ソフィアス様の姿が見えました。

私はソフィアス様に思い切り抱きつきました。


「ぐふぅッ!!」


勢いが良すぎたらしく膝がソフィアス様のソフィアス様にクリーンヒットをかましてしまった様です。ソフィアス様は両足の間のソフィアス様を抑えながら悶ています。致命傷かもしれません・・・。

しかし、今は私魔法が使えないので暫く我慢していてください・・・!

大きな音を立てたのでじきに監視の人がやって来るでしょう、こうしちゃいられません。

私はもう一度ノームに外に繋がる窓の格子を壊してもらい、それによって結界も壊れた様で、私自身も魔法が使える様になりました。

ソフィアス様にヒールをかけてから、シルフに上まで飛ばして貰いました。

 おぉ、ダンジョンのギミック攻略みたいですね。


私とソフィアス様は走って冒険者のギルドまで来ました。


「リリーシュカ様!」


エリーシャちゃんや、ギルド内の人々が、驚いた顔でこちらを見ています。


「お二人はクーデターを起こしたとかでお城の地下牢に捕らえられてるのでは・・・?」

「それは冤罪です!!私達はそんな事していません!」


くっ、手回しが早いですね。全国民に知れ渡っているかもしれません。

私はキョロキョロとあたりを見回しましたが、ジェシーもアミュールさんもリジットさんも見当たりません。


「おい、嬢ちゃん。何か事情があるんだろ?俺らこんなんでもよ、仲間の絆はかてぇからよ。俺は嬢ちゃん達の事信じてるぜ!」

「あ、ありがとうございます!ヒャッハーの人!」

「ヒャッハー?」

「い、いえ、何でもないです」

「ま、いいけどよ。とりあえずここから離れたほうがいいぜ。嬢ちゃん達が逃げたのが分かればきっと報奨金かけて探すだろうからよ」


ピロン♪


その時私に通信が入りました。


“お姉様ご無事でしょうか!?こちらの国まで重要機密との事でお二人が咎人(とがびと)となったとの連絡が入りました。しかし、私もお父様もお姉様方の味方です!最悪セルドジルワールとの戦も辞さない覚悟です。是非私の城までお越しくださいませ”


プリンセス姫様・・・。もう、既に皆を巻き込んだ形になっていますね。

もう、後には引けません。虹の子にならなくては。


世界を背負う覚悟なんてくそくらえ!そもそも世界が無くなったら責任なんてとれるもんか。なる様にしかならないんだから!


ごめんね、皆。


私、虹の子の試練を受けに行くよ!!

今回もお読み下さり、ありがとうございました┏○))ペコッ

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