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全てを背負う覚悟

ワンコ、ゲットだぜ!!と、闇の子スキルも付与されて全精霊が集まったのですが特に何も起こりません。集めるだけじゃ駄目なんですかね。

私達は、ほぼ全焼した闇の神殿を後にし、若干の罪悪感を抱きながら冒険者ギルドの酒場まで戻って来ました。


「シャイニー、虹の子になるには、これからどうしたら良いのでしょうかね?なんかの儀式とか必要ですか?」


『はぁーい☆みんなのアイドル、シャイニーだよ♪』

『俺様!何様?イフリート様だぜ!』

『あなたのハートに風穴あけちゃう☆シルフよん♪』

『癒やしのーーーノームーーーーだよぉ』

『いつもあなたの心に潤いを☆ウンディーネよ』

『ワクワクワンワン テネブルダヨッ』

『我ら人呼んで、エレメンタル6!!』


ボガーーーンッ


っオォォ・・・!なぁんだ、これ?イフリートの爆発演出まで組み込まれています。


「せ、精霊達よ・・・あなた方は一体どこへ向かっておられるのですか?」

『もちろん、業界トップを狙っているよ?』


え?なん?え?業界?どの世界?


「い、いや、ええとそれよりですね、虹の子になるにはどうすれば・・・」

『リリーシュカ、虹の子になるにはこの世の全てを背負う位の覚悟が無くてはダメだよ。君にその覚悟はあるかい?』

「この世の全てを背負う覚悟・・・ですか?」

『生半可な覚悟でなっても、強大な力に飲み込まれるだけだよ』

「リリーシュカ、危険な事なら辞めたほうがいいのだ」


ソフィアス様がスッと私の手を握りました。

覚悟、覚悟とは一体どの程度の覚悟の事なんでしょうか。


『虹の子になる事によって君の生活が一変するだろう。もしかしたら今の君ではなくなるかもしれない。』


ヤバイです。ここまで来ておいてなんですが、覚悟なんてそう簡単に決められます?ましてや全てを背負うって。荷が重すぎますよ。ここまで来れたのも何かの間違いかもしれないですし。


「ソフィアス様!リリーシュカ様!国王がお呼びでございます!!」


ギルドのドアを勢い良く開けた城の使いの者が息を切らせて私達の元へとやって来ました。


「え?父上が?」

「何の用でしょうかね」


私達はジェシーとアミュールさんとリジットさんをギルドに残して城に向かいました。


【グリューンヴェルデ城/謁見の間】


「よくぞ参った。光の」

「はいはいはい!何の御用でしょうか!」

「くすん。もう少し相手をしてくれてもいいじゃないか・・・」

「リリーシュカ!」


てててっと五歳くらいの男の子がこちらに向かって走ってきました。ニーヴェン様に似た・・・というよりも、やはりソフィアス様に似ています。

頭に小さなキノコが生えているので、この子は多分リリアスですね。短期間でここまで成長するなんて驚きです。


「リリアス?」

「はいっ!リリーシュカ、お帰りなさい!」

「リリアス、ただいまなのだ」

「・・・お帰りなさい(プイッ)」


ソフィアス様への挨拶もそこそこにして、私にしがみついてきます。しかし、そんな事を気にしている場合では無かったですね。


「で、話とは何の事でしょうか?」

「おぉ、そなたがエレメンタル6を全て揃えた事についてじゃが」

「・・・何で知っているんですか?その呼び方とか」

「何故ってこの国の王じゃからの。この国に危険を及ぼす者を監視していてもおかしくないじゃろ?」

「ち、父上、何を申すか!?」


危険を及ぼす者を監視・・・。監視されていたのは・・・私?

危険を及ぼす者とは私の事を言っているのでしょうか?


「リリーシュカよ。お主が6精霊を従えた事で、魔王が動き出してしまった。まさか、本気で虹の子を目指すとは思わなんだ」

「おっさん・・・?」

「光の子を国が特別に面倒を見るのは何故だと思う?」

「それは・・・。珍しいから、とか・・・」

「光が闇を生み出す存在だからじゃよ」


あ、アニーに言われた言葉と同じです!


「光の子の動向を把握して、光の子が害を為す存在となれば王の権限によって粛清してきた。しかし今回の光の子は過去に居た光の子とは違っておった。年端も行かぬ内に死んだまっさらな清い魂が光の子となったのは初めてじゃ」


粛清・・・?害を為す存在・・・?


「通常光の子の選定にはプログラムの計算によって行われる。前世で長寿だった魂が選定基準だった筈じゃが、アニーの仕業によってプログラムにバグが発生してしまった。そしてお主の様なロクに物もわからぬ清い魂が光の子として選ばれてしまったのじゃ」


また、プログラム!アニーを知っているの!?


「清い魂には光の力は過ぎた力であり、その為、生まれる闇の力もまた強大な力を持ったものになる」


本来ならば私は光の子では無かった。その資格が無かった、と。


「闇の力が大きくなれば、魔王がそれに伴い勢力を増す。魔王はいずれ、この世界全てを飲み尽くすだろう」

「そんな!虹の子になれば阻止できるのでは無いでしょうか」

「お主が虹の子になれなければ世界が終わると言うておろう。虹の子の試練は今までの様に緩くはないぞ。今ならまだ間に合う。・・・おとなしく粛清されてくれぬか?お主を粛清する事により、魔王は再び沈黙する」


えっ?世界の為に死ぬか、世界を背負って虹の子を目指すかの二択ッスか!?

私の背中に冷たい汗が一筋流れました。

今回もお読み下さり、ありがとうございました┏○ ペコリ

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