初仕事6
「大丈夫よ、私よ」
そういってスキルを解除する。
「お姉ちゃん!」
子供たちが驚きの声を上げる。
「あなたが…すみませんでした」
そういってシスターが私の前にやってきた。
「先ほど聞いた通り私は…」
「大変でしたね!でもこれでここも平和になりますよ」
「あの私は!」
「シスター女には一つや二つ隠し事あるものですよ、ちなみに私のさっきのも内緒で」
「はい…ありがとうございます」
「シスター!泣かないで!お姉ちゃん!シスターいじめたの!」
「違うの違うの!」
私の周りに子供たちがやってくる。
「シスター…俺達は何も聞きませんでした」
「カイル…」
そんな束の間の平和を打ち壊す声が…
「皆そこを動くな!」
「誰!」
道の向こうから騎馬隊と思われる集団がやってくる。
しかも青、黄、ピンク、緑とそれぞれがきちんと並んでいる。
やがてその集団をは私たちを囲んでいく。
「また敵!」
慌ててスキルを発動させようとすると…
「待て、我等は戦いに来たわけではない」
そう言って青い鎧来た男が私たちの前にやってきた。
「まずは礼を言わねばならないようだ」
「どういうこと?」
「不正に中立区域を占拠したレッド勢を退けたのはそなた達だろ?」
「はい」
「我等はそのレッド達の討伐の為にココに来たのだ」
「あなた達は?」
「私たちはブルー、イエロー、グリーン、モモの連合、ヨンレンゴウの者だ」
「え?あなた達、仲が悪いんじゃ?」
「お前は外から来たものか…大方レッドの者たちからそのようなことを聞いたんだろう」
「?」
「それは昔の話だ、今はレッド以外のエリアは連合しお互い協議しながら物事を進んでいる」
「え?」
「これを見てみろ、そう言うと腕の時計の様なモノを触ると空中にモニターの様なモノが現れそこには掲示板の様なモノが現れた」
「各勢力の多数の議員によって賛成、反対の連絡を常に取り合いものごとを決めている」
「そうなんですか」
私は確認の為にシスターを見ると頷いているので間違いなさそうだ。
「ここの施設については現状維持ということで話は決まっているので安心してくれ」
「良かった」
「あなたにも報奨金がでる手筈だ」
ラッキー!お金なかったから助かる。
「だが…その前に」
すると次の瞬間私の横を何が高速で動き次の瞬間。
「きゃーー!」
シスターが吹き飛ばされた。
「シスター!何をしたの」
「そいつは密偵からスパイだと聞かされている、この内容についてそいつを罰することで全員から賛成意見が出ている、そいつを回収して連れて行け」
「ちょっと待って!」
「皆の賛同で出たことだ」
「でも!」
シスターが屈強な男達に両腕を押さえられて連れて行かれる。
「こうなったら」
「やめて!」
シスターが叫んだ。
「でも!」
「これは罰なのよ…それにこれ以上なにかしたらこの施設も危なくなる」
「…」
「ありがと」
「早く連れて行け」
「はっ!」
「追って報奨金についてはヨンレンゴウの区役所にて受け取ってくれ」
そう言って去って行く姿を私は何も出来ずに堪える事しか出来なかった。




