初仕事2
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~役所~
「それで首尾は」
「はい、問題ありません」
「そうか」
「最後の仕上げをこれから行います、丁度手ごろな旅のモノがクエストを受けた様ですし…」
「ふむ、後はこちらの読み通りになれば…」
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私たちは翌日予定通りゴロツキ討伐へ向かった。
元帥からのアドバイスで、沢山の人を相手にするよりも夜襲をかけて一気に頭を狙う作戦にした。
「ここがアジトね」
「ピィー」
「夜だから足元気を付けてね」
「ピィー」
そこは街の中心部で森が広がるエリア、
森の中は意外に道が整備されており、まるで森林公園の様な作りになっておりゴロツキがアジトにしているような所なので見張りも多いかと思ったが遭遇することも無くアジトの教会に来ることができた。
「なんだか拍子抜けだの~」
「確かにそうですけど、危なくないことに越したことはないですよ」
「まあの~」
「ピィー!」
建物の外見は予想とは違い綺麗に手入れされており、アジトというよりは町中にある小奇麗な教会にしかみえない。
「あそこに灯りがついてますね」
「ふむ、調べてみるかの」
窓の近くまで行くと声が聞こえて来た。
「子供たちは寝ましたか?」
「はい、シスター」
「あなた達も寝ないと…」
「いえ、昼間はあの子たちが監視してくれてますけど夜は俺達がやらないと…」
「でも…」
「俺達が守らないと、この子達の家は無くなってしまいます」
「こんなこと何時までも続かないのよ」
「でも!俺達は何にも悪いことはしてないんです、急に立ち退きなんて」
「それは、そうですが」
何か裏がありそうね…
それに一体どんな人たちが…
中を覗こうとしたとき…
パチン
何かを踏んでしまったその時!
シャンシャン!シャンシャン!
突然鈴の音が鳴り響く!
「誰だ!」
窓が勢いよく開かれる。
「このドジが!」
「すみません、でもココまできたら」
私は覚悟を決めて堂々と姿を現すと私の目の前には一人のシスターと手にぼろぼろの剣を持った少年が、更に奥のドアが開き…
「敵なの?」
「又、怖い人きた?」
「やっつける?」
10人位の子供たちが飛び出して来た。
「お前たちは部屋に戻れ」
そう言って少年は私を睨み。
「あいつらの仲間か!俺達はココをどかないぞ!俺が守る!」
少年が剣を片手に飛び出してこようとしている。
「いや!待って私は別に襲いに来たんじゃないから」
「ウソつけ!そういって皆殺しにするんだろ」
「しない!しない!」
「うるさい!」
そう言って剣を構えた瞬間。
「やめなさい!カイル!」
シスターが叫んだ。
「シスター…」
シスターが私の前に来て頭を下げた。
「突然の無礼申し訳ありません」
「シスター!そんな奴に頭を下げる必要なんて」
「カイル!私の言葉が聞けないの」
「…」
「本当に申し訳ありません」
「いえ、私も勝手に覗こうとしたのも事実ですので…こちらこそすみません!」
そう言って頭を下げると…
「いえ、頭を上げてください。私ども色々事情があるにせよ行き成り武器を向けたのですから」
「いえ、あの~宜しければその事情を教えてもらうことは出来ませんでしょうか」
「そうですね、立ち話もなんですから中でお茶でも」
「シスター!そんなに簡単に信じては!」
「カイル、この人は大丈夫です」
「…」
そう言って中に通されると子供たちが鍋や木の棒を私に向かって構えていた。
「大丈夫よ、この人は悪い人じゃないわ」
「ほんと?」
「大丈夫な人?」
「ええ、大丈夫よ」
「じゃあ!お客さんだ」
「お客さん!いらっしゃいませ」
「いらっしゃいなの」
そう言って武器を急いで片付けて頭を笑顔でお出迎えしてくれる。
可愛い!母性が目覚めそう!
「ほら、お客さんを客間に案内して」
「わかったの~」
「こっちこっち」
そう言って奥の部屋へと通される。
「ごめんなさいね、騒がしくて」
「いえいえ、可愛い子達ばかりですね」
「ええ…」
部屋に着くと子供たちはカイザーに興味津々。
「ねえ?この子お姉ちゃんのペット?」
「ペットというより仲間かな?」
「おもしろい!」
そういってペタペタ触ってくるがカイザーも嫌じゃないらしく、
それにピィーピィー鳴きながら答えている。
「あんまり強く叩かないでね」
「はーい」
何せその子HP1だから取扱注意なの!とハラハラしているとお茶を持ってシスターがやって来た。
「あら、良かったわね、遊んでもらえて」
「うん!この子ぷにぷにでひんやりなの!」
「それにすごく速い」
「すみませんね、遊んでもらって あ、申し遅れました私の名前はシスターラウリーと申します」
「私はマオと申します、あの~この子達は…」
「この子達は両親が亡くなったりする子、あとはカラーによって引き裂かれた親が泣く泣く預けたり、捨てた子がここで暮らしているの」
両親が亡くなった子、捨て子はある程度予想していたのだけどカラーって?
「すみません、私旅の者でカラーっていうのがわからなくて」
「そうなのですね、この国は元々五人の勇士によって建てられ五人それぞれのシンボルカラーによって区割りされていたの、そしてこの真ん中の土地は五人の功績、友情を表す平和の広場だったの…でも時が流れる中でお互いの優劣を言い争うようになり仲違いを始めたの」
「ヒーローの末路みたいな感じかしらね」
「そして、中には自分の区こそが唯一で絶対と思う思想の者も現れて、区をまたぐ交友の禁止などを叫ぶ集団もあるの」
「そう言った人たちが原因で引き離された人たちがいると?」
「ええ」
「そうなると、どうしてこの場所がゴロツキのたまり場みたいな風に言われているんですか?」
すると先ほど武器を持っていた少年が…
「あれは俺達じゃない!ここの人じゃない人達が勝手にいろんな人を襲ったんだ」
「え?!」
「そのせいでココの援助も無くなって!兄ちゃん達みんな出稼ぎに行くことになって…シスターが来なかったどうなっていたか」
「そうだったんですね」
「ええ、年上の子達はなんとか資金難を解消しようと遠方に働き出たと聞いてます」
「その援助は…」
「残念ながら町によって来る前に止め得られていると思います」
「そんな!ちゃんと説明してみたんですか」
「何度から試みたのですが、ゴロツキの妨害にあってエリアの外に出られなかったりして…」
「それだったら私が守ってあげるから!ちゃんと説明しましょう!」
『おいおい、安請け合いはいかんな~』
頭の中で総帥の声が聞こえたけど私はそれを無視する。
「本当かい!お姉ちゃん」
「ええ、任せて!」
翌朝…私たちは役所に向かい歩き出した。
「とりあえず、この街で一番影響力があるのはレッドゾーンです、そこの役所に向かって下さい」
「わかりました」
「シスターの皆のことを頼みます」
「あなたも気を付けて」
「大丈夫だよ!必ず無実を証明してみせるよ」
「マオさんこの子のこと宜しくお願いします、あとこのロザリオをお持ちくださいこれはこの教会に伝わるロザリオですので、ココから来た証拠になると思います」
そう言ってロザリオが入った肩か下げるバックを頂いた。
「ありがとうございます」
「じゃ、シスター行ってきます」
そう言って教会を出てレッドゾーンに向かったのだが…
「ゴロツキが妨害してくるのよね?」
「ええ、いつもなら襲ってくるのですが…」
その日はまったくゴロツキは襲ってこなかった。