5話
(って!なんで私が此奴の言うことを聞かなくちゃいけないのよ⁉︎此奴は人族なんだから油断しないようにしないと…!)
(この妖精は悪い感じがしないし…大丈夫だよな?
まぁ大丈夫じゃなくても今は誰も俺には助けてくれる人なんかいないからこの妖精は味方に引き込めたらいいなぁ…)
ポチッ「はいっどうぞ‼︎」
「ええっ⁉︎今のどうやって出したの⁉︎あんた空間魔法が使えるわけ⁉︎いや…でもこのお皿やこの食べ物は冷たいから…時空魔法⁉︎」
「えーと…」「まさかそんな人物だったとは…凄いわねっ‼︎あなた‼︎」ペチペチ!
「ははは…(どっどうしよう…訂正するタイミングを見失ってしまったんだが…ははは…もうどうにでもなれや!)」「で?これがあんたが用意した私への捧げ物?」
「えーと…そうです、はい」
用意したのはまず1500ポイントの組み立て式テーブルと100ポイントのお皿数枚と300ポイントのプリン
と300ポイントのチーズケーキを用意した。
「へぇ〜見たことないわね〜こんな食べ物…人族はこういう食べ物ばっかり食べてるの?」
「うーん…はっ⁉︎っていうか俺は此処に知らない間に飛ばされたのでこの辺の人族のことはわかりませんよ⁉︎」「…チッ」
(舌打ちした⁉︎舌打ちしたよね⁉︎今‼︎こんな可愛い容姿して舌打ちとか…やめて⁉︎今までの考えてた妖精のイメージが壊れる〜‼︎)
俺が頭を抱えてうおー‼︎とやっているのを妖精は変な人を見る目で見ていたが美味しそうな匂いのするその食べ物に毒が入っているかもしれないというのがわかってはいるが食べてしまった。
パクッ…………「っ〜〜〜〜‼︎」キラキラキラ
妖精は目を輝かせてすごい勢いでプリンを食べ始めたまるでこれは私のだ!誰にも渡さない‼︎というかのように…
「ふぅ…ケップ」「……ぷっ」
「〜〜!」プルプル…「冗談、冗談ですからその今にも魔法撃ちますよ的なもの止めてくれます?」
「もし言ったらどうなるか…わかってるんでしょうね?」「もっもちろんですよ!」ブンブン
「なら…いいわ、さて…」
妖精はもう1つの食べ物を見てゴクリと喉を鳴らして我慢できずに食べた…
「っ〜‼︎‼︎‼︎」キラキラキラキラ!
パクパクパクパクパクパク!
どうやらチーズケーキも妖精の口にあったようでこれまたすごい勢いで食べ始めた。
(あの小さな身体のどこにあの量のデザートが入っていったんだろう?明らかに体積がデザートの方が大きいよな?)
妖精は無くなってしまったプリンとチーズケーキのお皿を見てとても悲しそうな顔をしていた。
(うわ〜!そんな顔するなよ!あげたくなるじゃん!)「どっどう?」
……キリッ「ええ、とても美味しかったわ…協力の件だけど少しなら…考えてあげてもいいわよ?」
「協力?」「あなたが言ったんでしょ⁉︎」「冗談、冗談ですから!ええ本当に助かります」
「はぁ…でもこの森であなたが生きていくんだとしたら彼女にも会っておかないとダメね…」「彼女?」
「言ったでしょ?この森の管理者兼支配者よ」
「あ〜〜そういえばそうでしたね…今すぐ行くんですか?」
「ん〜別に私はそれでも良いんだけど…私にしたように彼女にも何かあなたが献上しなきゃダメだと思うわよ?だからそれを用意する時間も必要でしょう?」
「因みにその管理者さんが好きな物ってあります?」
「それぐらい自分で考えなさいよ…と言いたいところだけどいいわ、今回は特別に教えてあげる彼女は…高価な宝石と武器が好きね」
「(それまたポイントが高くかかりそうだなぁ〜〜!
)わっわかりました…いつ頃行きますか?」
「そうね…じゃあ4日後にしましょう!ちょうどいつも私が彼女と会う日だし」「わかりましたじゃあ4日後」「ええ」パタパタ…
チラッ…「本当に結界が効いてないんだなぁ…この森にそんな奴が何人もいたら…」ブルッ!
「今はそんなことより支配者さんに渡す物のことを考えないと…あ〜!面倒くさいな…全く」
俺はまず家に戻ることにした。
「では…始めようか…」
俺はあの国民的アニメのあの人物のポーズをしながらそう言った。
(いや〜!1度でいいからやってみたかった!これを元の世界でやったら痛い目で見られるからな…)
「献上物を考えるのもそうだけどやっぱりまずは戦力の強化だよなぁ…戦力って言っても俺しかいねぇけどな。
買うものはもう大体決めてるんたけど…やっぱりこの
ポイントショップのスキルを買うのが一番かな」
俺が目をつけたのはポイントショップの商品の中にあったスキルコーナーであった。
とても高いスキルから安いスキルまであるのだが安いのでも1000ポイント必要だった。
俺はゴブリン達の尊い犠牲のお陰で(全く感謝していないが)手に入った150万ポイントの内100万ポイントほどスキルに使った。
手に入れたスキルはこれだ‼︎
まずは、状態異常耐性LV1これはもしも毒などで死にそうになった時の為に購入した。
ポイントショップのスキルの所をタップしてわかったのだが、スキルは全てLV1で販売されているみたいだしかも上位スキルは買うことはできないみたいだった。
ただし下位スキルを複数個集めるとできる統合スキルに限っては買えるみたいだ、状態異常耐性もこれに入る。
次に買ったのがこれまた定番の鑑定LV1だ!異世界なら必須だと思う。
次がスキル熟練速度上昇LV1だこれも必須だとだと思う、後はもう全部スキルだけ言っていくと…
体力回復速度上昇LV1、魔力回復速度上昇LV1、能力値上昇LV1、剥奪系スキル防止LV1、錬金術LV1、空間把握LV1
これらを買った、本当はこれらの他にもいろいろと買っていきたかったのだが金がもう使う分は全て使ってしまったため買うことができなかった。
しかも!今はセールス中であるから恐らくセールス終了時にこれらのスキルを買ったらもっと高いはずなら今買った方がお得そう考えたい…うん。
ちょうど今は時計が狂っていなければ昼過ぎ、午後1時ぐらいである…今俺に必要なのは金…じゃなかったポイントなのでポイント稼ぎに行きたいと思う。
89式を持った俺は意を決して結界から出た。
俺は臆病なので空間把握で自分が見えないところに敵がいないかを確認しながら進んでいった。
(おっこれ薬草じゃん!おっ!これなんかも!)
空間把握と鑑定のコンボによって薬草などの希少素材の採取にも成功していた。
すると…ガサッ!
「ッ!」バッ⁉︎
(空間把握の範囲はとても狭いからな…その外から攻撃されたりいきなり猛スピードで来られたらヤバイ!)そんな俺の前に現れたのは…「キュ?」
ピンク色のウサギだった。
「かっかわええ〜!…はっ⁉︎」「キュ⁉︎」
そのピンク色のウサギは俺が大声を出したせいでビックリして今にも逃げてしまいそうだったので…
「ちょ!ちょっと待って⁉︎」
ピクッ…
(止まった?…知性があるのかあのピンクウサギ…と言うより!言葉がわかるのか⁉︎)
こちらを振り向いて鼻をピクピクさせていた。
「なっなんだ?何か欲しいのか?」
こちらに敵意や悪意が無いのを察したのか少しずつピョンピョンと近づいてきた。
(なっなんだなんだ⁉︎なんなんだ⁉︎)
遂に俺の足元まで来て…
クンクンクンクン…(俺の服の匂いを嗅いでる?まさか…!)
俺はポイントショップでクッキーを買ってピンクウサギにあげようと思った次の瞬間!
バッ‼︎「うわっ⁉︎」パクッ!
ピンクウサギは俺の手に飛びついてきたので、俺は驚いて手放してしまい…その落としたクッキーはピンクウサギが空中で咥えてそのまま着地した。
俺はピンクウサギがクッキーをポリポリと食べているのを眺めながら…
(あっ…あっぶねぇ…今のもう少し手放すのが遅かったら指ごとくわれたんじゃね?…見かけによらないってこのことかなぁ…)
そう思いながらピンクウサギを眺めていると…大事そうに食べていたクッキーは食べてしまったそのピンクウサギは俺の方をウルウルとした目で見てきて…
(うっ⁉︎そっそんなウルウルした目で見るな〜〜!はぁじゃあ…)
俺はもう1枚ピンクウサギにクッキーをあげてその場を離れた。
「この森は危険じゃなかったっけ?あんなか弱そうなウサギがよくこの森で生きていけるよな…」