第二六話
ちょっと荒いかな?
間が空くかもですがまたよろしくです
今日のご飯は何にしようかな、と。
久しぶりにカップ麺が食べたくなってコンビニに来たが、種類多いよね。悩むわあ。
結局、ラーメンの王様と、バランスも考えてサラダサンドも買った。三十一時間ぶりのご飯ぶりの食事なので二つづつ買いましたよ。
さて、現在NewLifeはメンテナンス中デス。と言うのも……
宿での苦行が終わり、朝。食事も済ませて早速馬の練習に行こうと思っていたら、村長さんに呼び止められた。
「おはよう。あんたら、馬を捕まえなさったか」
「おはようございます。ええ、何とか一日で捕まえました」
「なんと、一日で捕まえたか。それは良かったの。ところで馬はもういらんのか?」
「はい。自分たちが乗る馬はもう捕まえましたからね。当分は大丈夫でしょう」
「はぁ、そうか」
俺の答えを聞いてかなり落ち込む村長さん。なんだよ、その『落ち込んでますよ』アピール。気になるじゃないか。
「あの、どうかしたんですか?」
「いや、この村は元々馬が産業でな。久しぶりに馬が要るということで、また村に活気が出ると思ったんじゃが……そうか、もういらんのか」
ああ、ね。そういう事か。
「なるほど。でもその心配は要りませんよ。俺の知り合いにも馬が必要って人は大勢居るはずです。むしろこの村に馬がいないのはちょっと困ると思いますよ」
なのでまた馬を準備しておいてください、と伝えると俄然元気が出る村長さん。
「おお。それは本当ですか? いや、それでは早速準備をしなくては。すみませんがこれで失礼します」
そう言って去って行った。うん、元気が出て何より。
《ピンポン。チュートリアルクエスト『冒険の手助け。移動手段は馬でしょう』クリア。アップデートへのキーが一つ解除されました。これによりワールド内に馬が流通します。それに伴い、道の整備、馬車の販売、クエストの追加に伴う冒険ギルドの設立等を行います。これにより冒険の基本がそろいました。チュートリアル終了条件を全てクリア。これよりメインサーバの稼働、チュートリアルとのデータ統合を行います。システムの調整のため、メンテナンスを行います。現実時間で三十分後に行います。メンテナンス時間は十五時間を予定しております。終了次第公式ホームページでお知らせします――》
馬の流通って事はわざわざ此処に来なくてもいいってことじゃん。あ、でも此処が生産地になるのか。ってことは、さっきの村長さんとの会話がキーか。というかチュートリアルって。
「これ、今までがチュートリアルだったのか……。皆はどうする?」
「どうするって、落ちるしかないでしょ」
「だよね~。ま、いっか。そろそろリアルで栄養補給しないとマジでヤバイかもだし」
てなわけで、俺たちは余裕をもって現実時間の夜八時にログインと約束をして落ちたのだ。
そして現在。カップ麺の前に座って時計を睨んでいる。
と、携帯が鳴った。メールが着たようだ。実家の妹、ミコからだ。
『兄さん、NewLifeをプレイいるそうですね。健さんに聞きました。兄さんが購入出来て無かったら申し訳ないと思い内緒にしていたのですが、実は私もプレイしています。中で会えるといいですね』
なんだ、ミコもやってるのか。そうだな、中で会えたら一緒に組むのもいいかもしれない。何といってもここ一年会ってないし。バイト頑張ってたもんな。
ミコに返信をしたところで丁度時間になったので食事となった。
八時までまだ時間があったので公式ホームページで変更点を確認してみた。
まず馬の販売所ができ、そこで馬具と馬車の購入も可能。馬と馬車の普及にともない、街などの交流も活性化した、という設定になり、道の整備がされ、すべての街や村が道でつながった。交流が増えたので行商人達の行動範囲も広がり商業が発展、そのため護衛などの仕事が発生し、その依頼などを取り纏める冒険者ギルドが発足。各街にギルドがあり、ギルド間で情報のやりとりが可能となる。マップ情報の提供などが可能で、様々な情報の買取も行うとのこと。人の行き来が増えたことでモンスターの分布が変わり、エンカウントが増えた。盗賊なども出没するようになり、奴隷も発生するそうだ。ダンジョンの周辺には魔獣も出るようになり、ダンジョンに近い街は襲われやすくなった。
驚いたのはNPCの死亡だ。例えが載っていたが、商人の護衛以来を受けるとして、護衛に失敗すると二度とその商人には会えないと。小さな村や町の商人の護衛を受けて失敗すると、新しく商人が来ない限りそこで買い物ができなくなるのだ。とことんリアルを追求する運営だ。
最後まで読んでいくとちょっと変わったことが書いてあった。
「ん? 開発者の会見? 本当のNewLifeを体験したい方は必見?」
なんじゃこれ? よくわからんけどどうやら動画サイトへのリンクがあってサイトオープンの時間直前に生放送するそうだ。なんの会見だろうか。