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救いのない小説  作者: Fall44


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10/10

エピローグ:救いのない小説

 街は静かに雨を降らせ続けていた。

 どこにも人影はなく、灰色の舗道と建物だけが存在を主張している。

 かつてレイが歩いた通りも、補正区画も、消えた記憶の余白で覆われたままだ。


 だが、微かに揺れる霧の中に、わずかな点が見える。

 それはかつてのレイの意識の残滓であり、同時に「零(0)」の気配でもあった。

 理解することも触れることもできない存在が、街の中で静かに漂っている。


 雨粒がガラスに当たる音。

 唯一の“声”のように響く。


 街は変わらず呼吸を続け、

 消えた存在の痕跡を吸収する。

 零とレイの残滓は交わることなく、しかし確かに共鳴している。


 理解を超えたところで、存在は吸収され、意味は消える。

 希望も救いも、全ては霧の中に溶け、残るのは静かな絶望と微かな余韻だけ。


 ――レイも、零も。

 その差異すら、街の意図の前では意味を持たない。


 そして最後に、街の奥で微かに、白い点が揺れた。

 かつてのレイと零の存在が、空白の中で重なり合うように――。


 これが、救いのない小説の終わりである。

 

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