第5話 公園にて
おじさん道。
これはただ存在するだけで嫌われる存在のおじさん。
そのおじさんをいかに少しでも嫌われないように生きるのかを問う道。
剣道、柔道、茶道に華道。武士道、騎士道。」
それぞれの道はあれど、この令和の世に心密かに新たな道を切り開く!
これぞ、『おじさん道』!
ある日の公園。
散歩中、ベンチに腰掛けてると、若いお母さんに見守られながらヨチヨチ歩きの子供が。
(かわいいなぁ……うちの子供たちの小さかった頃もそうだったよなぁ…
まだ歩き始めたばかりなのに、一生懸命自分で歩こうとして。
あやかなんて、自分で歩こうと繋いでる手、振りほどいてたっけ。
あの頃はあんなに小さかったのに。)
と思い出す……
あやか「ねぇ、お父さん!早く洗面台開けてよね!遅刻しちゃうじゃん!
おじさんなんだから、そんなに時間かけなくてもさ!」
鈴本さん「えっ…まだひげ剃りが…」
別な日
ひろき「お父さん、だっさっ!ゲーム弱々じゃん!」
鈴本さん「だっ…だから今、練習を…」
「はぁ……」
思った以上に大きな溜息をついてしまう。
(・・・・まぁ、それはいいか。
かわいらしいけど、ここであの見知らぬ親子に急に話しかけたりしたら、
ただの怪しいおじさんになってしまう。)
「きゃっ!」
(あっ、お母さんの帽子飛ばされたっ!)
(えーー。落ちたと思ったら、この微妙な位置・・拾うべき?どうしよ。どうしよ。。)
鈴本さんがお尻をあげた瞬間。。。
お母さん「あっ・・メイちゃんっ!」
ヨタヨタ走り出したメイちゃんは帽子を拾い上げて、お母さんに渡す
メイちゃん「どーじょ」
お母さん「ありがとう。走ったら転んじゃうからほどほどにね。いこっか」
(迷ってる間に終わっちゃった。。けど、よかった。うんうん。)
ただ微笑んで見守るのも「おじさん道」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
おじさん道 第5話でした。
うん・・・おじさんが急に声かけたらびっくりしちゃうもんね。
更新は金曜23時です。
今後ともよろしくお願いします。