第1話「一方通行とゴミ袋」
とある介護施設の休憩室。
遅番の休憩時間の午後3時。
窓の外は日が落ちかけ。
鈴本が一人、ペットボトルコーヒーを片手に、ぼんやりと窓を見つめている。
そこに、
飯塚「お疲れ様ー」
「お、鈴本さん。どしたの、黄昏ちゃって。まだ平日の昼間だよ?」
鈴本「飯塚さん…。いや、昨日奥さんにゴミ袋を頼まれましてね…。
それが、LINEで『ゴミ袋買ってきて』って言ってたから、黄色いゴミ袋のことだと思ったんです。」
飯塚「ほうほう。帰りに買い物とは鈴本さんは優しいね。」
鈴本「でも、確証がなかったんで確認したんです。
でも何かしてたのか全然連絡つかなくて…。
LINE送っても電話しても連絡つかなくて。
で、ぼくも早く帰りたいし、まぁこれだろうと買って帰ったら、
『違う、ツルハの半透明のやつ!』って…。
奥さんは風呂に入ってて。
結局また買いに行くことになって。」
飯塚「あー…、すれ違いシリーズだ。大変だったねぇ。」
鈴本「えぇ。で、ゴミ袋買ってきてって言ったじゃん…って、言ったんですけどね。
はぁ……ぼくもちょっと怒っちゃって。
軽くケンカみたいになっちゃって。
お互い不機嫌なまま夕飯。。」
飯塚「とほほ。だねー」
鈴本「はい……昨日の学び。
『一方通行は、報・連・相にならない』…ですね。」
飯塚「なんだいそれ?…深いねぇ。
というか、そのゴミ袋、ウチで使うからちょうだいよ。」
鈴本「・・・えっ?」
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回がおじさん道最初の投稿であり、小説家になろうでちゃんと投稿する最初の投稿になるので、正直不安8割、ほのかな期待2割です。
今回は3話連続での投稿になりますが、4話以降は毎週金曜日の23時投稿を予定しております。
今後ともよろしくお願いします。