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6/22

渡辺 美沙①

男女が出会うキッカケに

昔から合コンがある。


彼氏、彼女が欲しい人間が

友人に呼ばれて

集団お見合いで

飲みながらする

大人のイベントである。


恋人が欲しい


そんな人が集まっているので

良い人がいれば

お近づきになりたい。


男女共通の目的なので

結果として

カップル成約率も高くなる。


ここで問題になるのが

男性も女性も

同じ人数で参加しないと

あぶれる人が

出てしまう問題だ。


お見合いに参加して

自分が1人

蚊帳の外では

その後の

友人関係に

ヒビが入るだろう?


『で、宇都宮に

来週の金曜日の合コンに

参加して欲しいんだよ?』


そう一方的に

話しているのは

高校時代からの友人である

岡村であった。


『向こうは5人だが

コッチはコン太が

キャンセルになって』


『先方の手前

1人足りなくなりました、って

今更言えなくなってさ』


『助けると思って来てくれよ?』

岡村は当初は呼ぶつもりが

なかった俺を

強引に人数合わせで

合コンに参加させた。


普通の会社員なら

次の日が休みの

金曜日なら

次の日を気にせずに

飲める事だろう。


だが、お客様の

休日に合わせて

打ち合わせをする

リフォーム会社の俺にとって

金曜日はむしろ

打ち合わせ前日で

繁忙日であった。


他の参加する

男性メンバーを聞くと

ギリギリ知っている

メンバーだった事もあって


一次会だけで帰る


その約束で参加を決めて

渋谷の246沿いの

無国籍料理屋に

向かっている。


携帯のナビに

誘導されるまま

初めて行く店に

到着すると


岡村を筆頭に

自分以外の男が4人

ガン首を並べて

女性陣が来るのを

待っている。


宇都宮が来た事で

幹事の岡村以外の

男性陣は

安堵の表情を浮かべる。


人間、見た目が

良いことに

こした事はない。


合コンにイケメンが

1人居たら

その合コンは

その他の男にとっては

ただの消化試合になる。


女の子もお笑いの

アインシュタインの稲ちゃんより

スノーマンの目黒君の方が

絶対に良い筈である。


これは、しょうがない事である。


だから合コンの参加者は

可愛い子が来ますように、と

願うのと同じくらい


自分以外の男は

イケメンが

いませんように、と

祈っている。


その男性陣は

宇都宮の顔を65点と

評価した。


ビックリするほど悪くはないが

飛びつくほどのイケメンではない。


これで今日の合コンは

自分のモノだ

そう確信したと言う。


『今日の相手は?』

役者志望だが

未だに日の目を見ない

フリ-タ-の

北島が聞くと


『俺の取引先の女の子の

学生時代の友達らしい』と

今日の合コンの

情報を岡村が発表してきた。


そんな話をしていると

岡村の携帯にLINEが入り

『店に着きました』と

連絡が来た。


すると岡村も

『コッチは全員揃って

店に入っています』と

即レスで返す。


宝くじの当選発表と

同じくらいに

ドキドキしていると

数人の女性が

こちら側に

歩いて来る姿が見えた。


65点、70点、50点

75点、90点


90点?


一番最後に登場した女性は

プロのモデルでも

通用しそうな

高身長に

腰まで伸びた

サラサラの長い髪で

目鼻立ちが整った

ス-パ-美人であった。


宇都宮を除いた

4人の男は

美女の登場に

嬉しさを

隠し切れない。


女性陣が着座すると

幹事の岡村の向かいに

女性陣の幹事

今道が座って


『お待たせしました』と

一礼をすると


『1番、端に座っている子は

彼氏持ちだけど』

『人数合わせで来て貰った

だけだから』

『期待しないて下さいね?』と

解説をする。


そんなのは

1番クジで


当たりが既に

出ているようなモノで


ラストワン賞までも長く


ヤル気を

削がれたような

ものであった。


『他の4人はフリ-ですから

安心して下さいね?』と言う

今道の追加説明に


『でしょうね』と

北島が小さく呟いた声は

彼女達には

聞こえなかった。


すると残りの4人の

女の子の取り合いだが


65.75.50.70だと


誰も50点の女性には

興味はなく


全員の自己紹介が終わると


残り3人の争奪戦が

開始されたのであった。





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