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小比類巻かおり②

会社の後輩が

飲み屋で酔い潰れている。


会社の先輩である俺は

明日も、仕事があるので

1分でも早く

帰りたかった。


最初は俺の事を

褒めてくれていた

後輩社員は


今回の自分の失敗で

助けるどころか

キッチンを買い取れと

言ってきた

社長の悪口を

言いまくっている。


その暴言の

矛先はやがて

親友と思っていた

友人達と彼氏に

移行して行った。


悪い酒になっていると

気付いた俺は

『小比類巻?』

『お前、だいぶ

酔っ払ったみたいだから

もう帰ろうか?』


『1人で帰れないなら

彼氏に迎えに来て貰おうか?』

そう彼女に提案すると


『アイツっすか?』

『アイツは呼んでも

来てくれないし』


『実家が遠いから

ココまで、絶対に

来ないですよ』と

酔いが冷めたように

淡々と語っている。


『キッチン代の

120万円支払い』

『保管場所の倉庫代』


『不安で、この1週間

まともに寝れなくて』


『昨日も眠なくなるまで

LINEだけでも

付き合ってよ?って

彼氏に頼んだら』


『速攻で、ムリって』


『昨日は悲しくて

一睡も出来ませんでした』


そう言いながら

彼女は泡盛を

ポカリスエットのように

飲み干すと

すすり泣くように

下を向いている。


やがて彼女は

店のテ-ブルに

覆い被さるように

寝てしまった。


困った


ピンチを救って来れた

お礼に

是非、奢らせて欲しい。


確か、そんな

お題目だった気がする。


だが実際には

酔った後輩のグチを

さんざん聞かされた挙げ句


おそらく

ここの飲み代も

宇都宮が払う事になるだろう。


だが、この後の

最悪な展開を想像すれば

金を払って解放して貰えるなら

それでも良いと思った。


『酔っ払いの、お届け』


酔った人間を介抱した事が

ある人なら分かると思うが

意識のない人間は重い。


対象の家が分かっていれば

タクシーに投げ込むとか出来るが

宇都宮は小比類巻の

自宅アパートを知らない。


酔っ払いと会話が

通じれば

まだマシだが


酔っ払いは、自宅に

送って貰う事が分かると

はしゃぎだして

自宅を教えようとしない。


男なら店の前に

置いていく事も出来るが

女性であり

会社の後輩


万が一、事件に

巻き込まれでもしたら?


俺は社会的に

抹殺されるだろう?


テ-ブルで寝ること10分

彼女の意識が戻る事を

期待したがムリのようだ。


我々の席の前を通る店員の

『早く出て行ってくれない?』

そんな無言の

プレッシャーが痛い。


『おい、小比類巻帰るぞ?』

机に覆い被さっている

彼女を揺すりながら

起こしてみるが

全く起きる気配はない。


しょうがなく

店員に会計を頼み

強制撤去の準備に入る。


やがて会計が終わり

彼女を担いで

店内を後にした。


小柄な彼女だが

自分で立つ気がない人間は

かなり重たい。


彼女の家は何処だ?


本人に何度も聞くが

会話にならない


最終手段だ


彼女を一度、地面に座らせて

彼女のカバンを物色して

財布を探す。


あった


免許証で彼女の住所を確認して

スマホに打ち込んだ。


ここから10分だ


そこで解放される。


途中、オ-トロックの

マンションだったら

どうしよう?

そんな不安が

頭をよぎったが


解放されたい一心の俺は

少し歩みを早めた


戦場で救出された人のように

俺に持たれかかって

歩いていた彼女は

外側にバランスを

崩しかける


倒れないように

咄嗟に俺が

右手を伸ばした。


『ムニュ』


俺の手のひらが

彼女の右のオッパイを

ホ-ルドしてしまった。


ヤバい


小比類巻に怒られる


そう思ったが

彼女は反応しない。


家は分かっている。


ここで彼女を支えるスタイルを

変えたら

バランスを崩して危ない。


彼女も寝ていて

起こしたら悪い


このままの体勢で彼女の

アパートを目指す事にした。


指に沈む柔らかい感触


『この1週間

アイツ達に会わなかったからな』

そう独り言を言う宇都宮は

下半身が

熱くなるのを感じて


小比類巻を支える

指にチカラを

少し加えてしまった。


それは彼女を支える為に

手を添えたモノではなく


それ自体が

意思を持ったように

何度も開いたり

閉じたりして

優しく揉みしだいている。


弱く弱く、そして強く

中指が当たる場所に

指を突き立てて

円を描くように回す。


歩きながらしているとは

思えない

絶妙なチカラ加減で

彼女の胸を揉みしだいた

宇都宮は

ある事を思い出していた。


男には絶対にヤレるけど

手を出していけない相手

ベスト5が存在して


彼女の友達や、妹の友達と一緒に

会社の知り合いも

ランクインしていた事を。


ヤッた後に付き合って

結婚すれば良いが

別れたら

後がめんどくさくなったり

きまづくなる相手だ。


それゆえに大人の男は

理性を働かせて

手を出さない


だが、宇都宮は

その考えを

振り払うように

手首を軸に

指先を柔らかい胸に

沈みこませながら


ぐわん、ぐわんと

回転をさせていた。






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