表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名門出身の武闘士が、魔法使いにあこがれて魔法使いになろうと頑張る話  作者: 信礼智義
第1章 クサツタカシの戦い
6/40

第6話 ルース帝国の反撃と撃退

今日は12時と18時の2回投稿します。お読みいただければ幸いです。

 ルース帝国が攻め込んできた。10万人以上の兵力を用意して、ルース軍の総司令官自らの指揮で、我々に攻撃してきた。

 しかし、我々は十分な準備の下、彼らを迎え撃った。

 クラ地峡に至る狭い通路に入り込んだ大軍は標的以外の何物でもなかった。

 魔石を使った爆弾や熱い油をまき大やけどを負わせただけでなく、魔法使いたちによるファイアーボールであたり一帯を火の海にした。

 兵士たちは焼け死ぬか、燃焼による酸欠で死ぬか、一酸化炭素中毒で死ぬかしていた。

 しかしそれでも兵たちは前へ前へと突き進んでいった。

 城壁に辿り着き、門を打ち破ろうと、破城槌や魔石爆弾を使って城門を破壊しようとした。

 多大な犠牲を払いながら、ついに門は破られた。敵兵たちは敗れた門から一斉に突入してきた。第2城門に向かってひた走る兵たちの視界が突然暗転した。

 第2城壁の前に掘られた大穴に落ちたのだ。兵士たちは高さとそこに設置された針に串刺しになった。

 兵士たちは次々と穴に飛び込んでいき、串刺しになるか、落下死した。そのうち死体がクッションとなり、針も一番上まで死体で埋まってしまい、落ちても生き延びるようになった。 

 その時、上から油が流され、火が放たれた。火は穴全体を覆い、火柱は城壁を越えて上がっていた。

 兵士たちは前に進めなくなり、その場で立ち尽くしていた。その時、爆発音がすると、第1城壁が帝の兵士たちの上に倒れてきた。

 逃げることもできず、その場にいた兵士たちは、皆圧死した。


 敵の司令官は、残りの兵力をかき集め、最後の攻撃を行おうとしていた。全兵力12万のうち、すでに6万の兵士が死亡し、3万の兵が重軽症を負っていて、すでに全滅と言っても過言ではない状態だった。

 しかし、総司令官はあきらめず、輜重隊の兵士までかき集め、最後の突撃を実施した。

 兵達は、兵器もなく、武器もなく、まともな訓練すらうけていない寄せ集めで、ただ、瓦礫をよじ登り、雄たけびを上げて突撃してきた。

 我々は、魔法使いの魔法や持っている魔石爆弾をすべて投入し、更に矢をうち、石など投げられるものはすべて投げ込んで、敵を攻撃した。

 それでも敵は我々に向かってきた。

 最後に僕を先頭に武闘兵団が突撃した。敵兵たちは、次々と殺されていった。僕はどんどん進み、ついに、比較的立派な天幕にたどり着いた。そこに飛び込み、衛兵たちを皆殺しにすると、そこで呆然となって立ちすくんでいる幹部らしき男たちを捕縛した。

 風魔法で、降伏を促す命令を周知させ、ルース軍は降伏した。

 いったいどのくらい犠牲者が出たのだろう。この狭い谷は死体で埋まり、落とし穴として掘った大穴は死体で埋まり、小山になっていた。


 アムル州は、我々ヤマトの支配下に置かれた。中下級官僚たちは留任させ、そのまま統治に当たらせた。村落はしばらく自治を命じ、法体系と税体系はしばらくルース法を主とし、ヤマト法を併用することで実施することとし、混乱を最小限に抑えました。

 治安維持に努め、捕虜たちのうち、貴族階級はヤマトへ後送し、地元出身者は出身地に返しました。残りの兵たちは、労役に使用し、食事と住むところを保証し、衛生環境に気を付け、わずかですが嗜好品の形で労賃を支払いました。

 ミナカミ殿は「司令官殿はなぜ統治の方法などご存じなのですか。私なぞ戦うことしかできませんぞ」と感心していた。

 僕も何故だかわかりません。何故か知っていたとしか言いようがありません。

 そういえば、父も料理が得意で、家族や部下にふるまっていましたし、戦場では、とても役立っていると言っていたが、どこで習ったのか聞いたら、勝手にできるようになっていたと答えていた。

 もしや前世の記憶なのかもしれません。


ヤマト王宮にて

 「クサツの息子がアムル州を占領し、奪回しようと攻めてきた敵をせん滅したそうです」宰相が王に報告した。

 「アムル州を占領しただと!確か奴に与えたのは、武闘兵団一個だよな。それで、奪回のために動いたルース軍はどのぐらいだ」

 「おおよそ12万だそうです。うち、ルース軍総司令が兼任していた軍の指揮官他幕僚たちは捕虜にし、数万の捕虜を得たそうです。貴族たちだけはこちらに送ってきました。外の兵たちの大部分は現地で処理し、余ったものは、後日引き渡すそうです」

 「現地処理か。まあ、こちらに全部託されてもどうしようもないからな。適当に間引いてもらえるとこちらも楽だ」

 「占領地の引き渡しと、とりあえず統治のための上級官僚を送るよう依頼してきました」

 「クサツの息子は政治が分かっておるのう。さて、みな目の色が変わっているのではないか」王は皮肉っぽく言った。

 「そうですな、新たな領土獲得による税収の増大、統治と法執行のための人員とそのポスト、防衛のための軍組織の新設、捕虜にした貴族たちの返還に伴う各種の交渉と、利権が山積みですからな」宰相は平然と言った。

 「このような巨大な利権案件は、我が国建国以来のこと、このままでは混乱が予想されます。不肖私が取り仕切りたいと思います」

 「あはは、お前が一番おいしいところを持っていくか。まあいいだろう。お前がしきれ」

 「ありがたき幸せ」宰相は恭しく頭を下げた。

 「さて、クサツの息子、タカシと言ったか、この巨大な功績にどう報いるかな」

 王はそう言ってしばらく考えた。「クサツ家は戦でたびたび手柄を立てておる。勲章などを与えてはいるが、親のジョンもあまり欲がないからな。息子の手柄も併せて侯爵にでもしてやるか」

 「あの男は戦うことと、女以外は興味のないものでございますれば、あまり喜ばないでしょう。それに近衛武闘兵団の指揮はいかがいたしましょう。いまのところ、あの男が適任かと思われますが」

 「悩むところだのう。とりあえず、タカシには伯爵の地位と、第1級キンシ勲章を与えよう。いずれ、軍を貸し与え、辺境の地にでも攻め込ませて、辺境伯か辺境候にでもするか。確かジョンにはもう一人息子がいたな。そいつを伯爵家の跡取りにすればよいだろう」

 「まだ、12歳でございますれば、それがよろしいかと思われます。とりあえず、そのほかに結婚自由の権利と最大3年間の武者修行の権利を与えればよろしいと」

 「ああ、初恋の魔法使いを探して嫁にするという話だったな。よろしい、それで手を打て」



お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


現在、「討死したサムライが異世界に転生し、領地を手に入れ腹いっぱい飯を食べるため、いろいろ働いていたら、いつの間にか有力領主となり、天下を狙うことになる話」を連載しています。

もし、ご興味を持たれましたら覗いていただけるとありがたいです。


すみません。話が全然終わりません。後、10話以内には終わらせようと思います。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ