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名門出身の武闘士が、魔法使いにあこがれて魔法使いになろうと頑張る話  作者: 信礼智義
第1章 クサツタカシの戦い
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第4話 決勝戦と戦場への旅

しばらくの間、毎日18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。

 決勝戦は思った通り、父上と当たった。

 「父上、この大会には出席しないのではなかったのではないですか」

 「いや~、出る気はなかったのだけど、すごい強そうなのがいるじゃないか。これは戦いたくなるだろう」父上はへらへらと笑い答えた。

 「父上、いい加減にしてください」

 「まあいいじゃないか」と言った後、にやりと凄みのある笑顔に代わり、「じゃ殺ろうか」

 「仕方ありません。殺りましょう」そう僕も笑った。

 いきなり、父が突っ込んできた。よけきれないので、身体硬化の魔法をかけるとともに、後ろに吹っ飛んだ。

 父はそのまま追撃してきた。こっちも突っ込み、殴り合った。鉄の塊のようなこぶしが僕の顔面をえぐってきた。そのすきをついて、心臓に鉄拳を打ち込んだ。そうしたら父の膝蹴りが横っぱらに炸裂した。

 お互いよけず、ただ殴り、蹴り合った。

 すでに服はぼろぼろになり、半裸となっていたが、戦いは止まりません。どんどんスピードが速くなり、威力が増し、身体硬化の魔法をかけていてもダメージが積み重なっていった。

お互いに肉が削れ、血が吹き飛んだ。このままではらちが明かないと思い、全魔力を体の前面に集め、一挙に爆発させた。

 かなりの大爆発だ。いくら身体強化していたとはいえ、ただでは済まないでしょう。そういう僕もかなりのダメージを負った。

 爆発により舞い上がったほこりがなくなったところで、父の姿が見えた。

 全身血まみれで、おそらく爆発をもろに食らったのだろう、両腕は変な方向にひん曲がっていた。そして、笑っていた。

 「タカシよ、楽しいな」

 「ええ、最高です」僕は笑って答えた。

 「じゃ最後だ」「そうですね、最後です」

 お互い、突進した。そして僕はありったけの力で、父を殴り、蹴り、頭突きをくらわした。父はかかと落としを僕の頭の上に振り下ろした後、頭突きをした。


 僕は気絶寸前、いやほとんど気絶していた。ただ、気力だけで立っていた。

 父は、立ちすくんでいた。

 審判が来て、僕らの様子を見た。審判は僕の勝利を告げた。父は立ったまま気絶していた。

 「勝った」そう言って、僕は意識を手放した。


 次に目覚めたときは、病室だった。そこには、服を脱ぎかけの二人がいた。気が付くと僕は何も着ていなかった。

 リンダさんは言った。「服がボロボロで、おまけに傷だらけ、とりあえず服を脱がして治療しなくちゃと思って。とりあえず、身体の傷を治療した後、タカシ君の裸を見ていたら、なんかむらむらしてきて」

 「兄さまの裸とてもセクシーなの。思わずおいしくいただきたくなったの」

 「ええっと、僕まだ戦って重傷を負ったばかりなので、勘弁していただけるとありがたいのですが。それに、グレタさんを見つけるまでは、僕は貞操を守るつもりでいるので、そういうことは無しにしてもらいたいのです」

 「「えー」」二人がハモった。


闘技場にて

 試合を見ていたダイワ王国国王、ミズホ・タイヨウは側近に言った。

 「これは試合ではない。どう見ても殺し合いだ。親子で、それも笑いながら殺し合いをするのか。クサツの一族は修羅の一族だと、思い知ったわい」

 「誠ですな、最強の武闘士を歴代輩出している一族だけはありますな」

 「現当主ジョンは女と戦いにしか目がない男だから、政治的野心はないが、息子の方はどうであろうな」

 「調べたところ息子は武闘士ではなく、魔法使いになりたいと考えているそうです」

 「魔法使いだと!」

 「どうも惚れた女が魔法使いらしく、その者にあこがれているそうです」

 「魔法使いか。親に似て、やはり女好きだな。それなら御しやすいか。どれ、王女を嫁にやるか?」

「すでに亜妖精の娘を正妻にする予定で、魔法使いの女を側室にする予定だとか。あと憧れの女を探しに行く許可を父親からもらっていると聞きました」

 「おい、やつの年はいくつなんだ」

 「12歳と聞いております」

そこで王は腹を抱えて笑った。「父親以上の女好きだな。しかし、亜妖精を正妻にするとは、父親以上のゲテモノ好きだな」

「誠にその通りでごさいます」

 

 そのとき、会場で歓声が起きた。

 「どうやら決まったようだの。どれ、おや息子の勝ちか」

 「さようでございますな。二人とも医務室に運ばれていきましたが」

 「まあよい、優勝者と準優勝者、3位につけた者には褒美をやらねばならないの」

 「王よ、それが準決勝で敗れた者二人とも医務室送りになっており、3位決定戦が行えないそうです」

 「そうか、まあ、クサツ家と戦えばそうなるな。今年の3位は無し、その代わり、3位決定戦を戦う予定だった二人に報奨金を与えてやれ」

「御意」

 「さて、優勝者には1代男爵を、準優勝者には1代準男爵を与えるのだな。あとはメダルと、望みを一つ叶えるということか」

 「無理な望みは、王の判断で拒否できますが」

 「まあ、願いは聞くだけ聞いてみよう。ところで、ジョン・クサツに1代準男爵を与えても意味ないな。奴は確か、家の伯爵位のほか、自力で永代準伯爵の地位を持っていたな」

 「7回も優勝していますからな」

 「それでは奴に1代準男爵の任命権を与えるか」

 「それがよろしいかと、前にも一代男爵の任命権を与えておりますし、前例があるので問題ございません」

 「それでは、二人が回復したら謁見場に呼べ」

 「御意」



お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


現在、「討死したサムライが異世界に転生し、領地を手に入れ腹いっぱい飯を食べるため、いろいろ働いていたら、いつの間にか有力領主となり、天下を狙うことになる話」を連載しています。もし、ご興味を持たれましたら覗いていただけるとありがたいです。

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