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名門出身の武闘士が、魔法使いにあこがれて魔法使いになろうと頑張る話  作者: 信礼智義
第3章 クサツカヨとサヨ、フェーの冒険
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第22話 お見合いの開催

毎日18時に投稿しております。お読みいただければ幸いです。

 さて、お見合い当日、闘技場は熱気に包まれていた。

 父の部下である武闘士たちが、団長の娘婿になるのはどいつだと、興味津々で闘技場に集まっていた。

 ちなみに父の部下たちは誰も出ないみたいだ。

 まあ、私達いつも訓練には参加して、周りの武闘士たちを片っ端からぼこぼこにしていたからね。とてもかなわないことを知っていて参加しないみたいだ。

 ただ、それでは面白くないので、生贄として前座扱いで30人ばかり新米の準武闘士たちをそろえておいた。

 

 さて、王子達はというと、3人ばかり騎士の鎧と剣で武装して座り心地のよさそうな椅子に座って、私たちを見ていた。

 見たところ、王の次男と三男と四男のようだ。この前、皇太子に子供が生まれて、スペア役の次男がお役御免になったとのことだ。それで養子先を探していると父が言っていたので、我が家に目をつけだのだろう。

 なんせ我が家は、この国に対する貢献度から望めばすぐにも侯爵に成れるし、それ以外に世襲で譲れる爵位も幾つか持っている。


 なんで、侯爵に成らないかって?伯爵でいる理由は、父が武闘兵団長の職にこだわっているからだ。

 

 クサツ家がどのように国に貢献しているって?

 まず長兄が北はルース帝国からアムル州を奪い取り、東に公国を作りダイワ王国の東の国境を安全なものとした。

 次兄は西の連合大公国の王配で公爵となっており、ダイワ王国の西側に強力な同盟国を作った。

 父はこの国の戦に数多く参加し、大変な武功を挙げ、勲章も多く与えられている。

 そう言うわけで、クサツ家はこの国にとって重要な家であり、本来ならばもっと重要なポストについてこの国の中枢にいるべきなんだけど、父は、女と戦いにしか興味のない男だから、面倒くさいことはごめんだねと、伯爵のまま気楽な生活を得送っている。


 そんな家に婿に来れば、この国一番の重鎮として、権勢をふるうことも可能だろう。

 王子達にとって婿入りするのにこれ以上なくおいしい家なんだと思う。

 ただ、1点、この家が武闘士の家系であるということを除いてだ。

 

 まあ、父曰く、強ければ別に武闘士でなくてもいいし、血筋もそんなに気にしないとのことなので、婿入りしたい王子たちがこぞって来ているのだと思う。

 

 他の貴族では王の依頼があれば断れないのだろうが、我が家はこの貢献度と反抗されたら王家が亡びる恐れがあるので、あくまで依頼という形だったそうだ。

 だから父曰く、「思いっきりやっていいぞ。まあ、殺さないでくれると後処理が簡単なのだけどな」と事無げに言っていた。


 さて、そろそろ「お見合い」の始まりだ。

 

 まず前座の30人、どれ一つ味見してくるか、と思ったら、妹のサヨが私もやりたいと駄々をこねた。

 それでじゃんけんで決めたところ、妹が勝った。

 「やった!お姉様に勝った!じゃ少し遊んでくるね」そう言ってニコニコ顔で闘技場に出て行った。


 「おい、大丈夫か」「お前こそ大丈夫か」「生きてこの闘技場から出れるかな」「一発でも当てれば、正武闘士に成れるのだ。ここは踏ん張りどころだろう」前座の面々は必死の形相でサヨに殴りかかった。


 20秒後、闘技場は倒れた準武闘士たちが折り重なっていた。

 「もう終わりなの~つまんないな~」サヨはぼやきながら戻ってきた。


第2皇子の心の中 

 第2皇子は甘く考えていた。所詮、女が何人いたところで、騎士として修業を積み、いっぱしの騎士となった自分にかなうはずもない、クサツ家の婿は俺で決まりだ。

 クサツ家の娘たちはなかなか美人だし、家は有望だし、婿入り先にはもってこいだ。


 そう思っていたが、先ほどの戦いを見ていたら、もしかしたら私の考えが間違っていたのではと思うようになった。

 いや、あれはきっとやらせに違いない、そうに決まっている、私はそう思うことにした。


 さて、次は第2皇子だ。私とサヨに二人で対戦だ。

 審判が出てきて、「それではお見合いを始める。用意は良いか。始め!」

 次の瞬間、私は顎に蹴りをいれ、ついでに両腕を砕いた。サヨは顎に蹴りを入れられ飛び上がろうとする王子の頭に逆に膝蹴りを入れて、その後胴に拳を何発も打ち込んだ。私は倒れそうになる皇子をささえつつ拳や蹴りを何発も入れた。

 

 5秒ほどであっただろう、一連の戦闘が終わると、私とサヨは悠々と後ろを見せて、最初の場所まで戻った。

 王子は立ちすくんでいた。身動き一つしなかった。

 そのまま動かないので、審判が肩をつつくと、パタリと倒れた。

 救護班が急いで出てきて鎧を外しにかかった。

 王子は目や耳、鼻、口から血を流していた。顎は砕け、頭はぱっくり問われて血が噴き出していた。

 両腕はひしゃげており、体には衝撃の跡からか、体中に蒼くうっ血していた。

 所々がへこんでおり、骨が折れているのが一目瞭然だった。

 皇子派すぐに病室に運ばれていった。


 次は第3王子と第4皇子だと思ったら、二人とも逃げ出していた。第2皇子の姿を見てビビったらしい。

 

 「えっと、これでお見合いは終わり?」

 「そのようだな、あはは、みんな逃げたのか」父は笑いながら言った。

 私たちのお見合いは終了した。

 全然物足らなかったので、父上にお見合い相手になるかどうか言ったら、嫌な顔をして「試合には喜んで相手するけれどこれはお見合いだからな、娘とお見合いなんて、いくら俺が外道でもな……」と言って断られてしまった。



 お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

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