第21話 カヨとサヨ、フェーの結婚話
かなりお久しぶりです。本業が忙しく、なかなか投稿できませんでした。お読みいただければ幸いです。
私はカヨ、14歳になったばかりのかわいい少女だ。異論は認めない。
妹のサヨが12歳となった時に、我が家で一番広い部屋である食堂に呼び出された。何事だと思っていくと、父と母達全員がその場にいた。そして、父親であるジョン・クサツから話があった。
「王から話があって、お前達に婿を取らせて、この家を継がせたいそうだ。どうする?」
「婿になる男は当然強いのよね。この武闘士の名家であるクサツ家を継ごうというのだから相当の覚悟があると考え間違いないわよね」私がそう言うと、サヨも「当り前だよ、お姉様。少なくとも私たちを力ずくで組み伏せられなくちゃお話にならないよ」と言った。
「フェーは強いのにはこだわらないけど、結婚したら食べるの」羽をフルフルと振るわせながら言った。妹のフェーは亜妖精で普段の外見は可愛いけれど、実際の姿は触角の生えた複眼の鋭い牙が生えたかなり恐ろしい姿をしている。まあ私たちは慣れているけどね。
「それが、婿は王子なんだってよ」と父はにやにやしながら言った。
「皇子の中で、武闘士いたっけ」私は疑問に思って尋ねた。
「武闘士はいないな、騎士はいるけどな」
「騎士なんて、私たち武闘士が突っ込んだ後、残敵を相当するのが専門の部隊じゃない、そんな奴らに私たちをヤレルの?父上だって、母さんたちと戦って、自分の物にしたんでしょ」と私が言うと、「一応、トゥーイは婚約者だったし、マーサは子供の時からの知り合いだったしな。そんなむちゃなことはしなかったぞ」と父が言うと、「嘘おっしゃい、結婚前に私とマーサを裏の森に呼び出して、「二人掛かりでかかって来い、俺が負けたら何でも言うことを聞いてやる、負けたら俺のものにする」と言って、力づくでものにしたくせに」トゥーイ母さんが言うと、「思いっきり、殺すつもりで戦ったのだけど全然かなわなかったわね。二人とも力尽きて倒れたところを……うふふ」とマーサ母さんは懐かしそうに、そして嬉しそうに言った。
マーサ母さん、武闘士の家系の女らしく、強い男と戦って、敗れて組み伏せられるのが夢だったそうだ。うん、実の母だけあってとても気持ちがわかる。
「ファーは仲間みんなで襲い掛かったのだけど、ファーもみんなも倒されて、族長の許可をもらってファーはジョンの奥さんになったの」とにこにこしながら言った。
「そうだよな、武闘士の女なら戦って物にしなくちゃな。よし、今度「お見合い」を開催しよう」と父は思い付いたように言って、走って行ってしまった。
「父上はどこへ行ったの?」
「王のもとに行ったんでしょ。「お見合い」を実施することの報告に」とトゥーイ母さんはあきれたように言った。
「お見合い」か、父上さすがわかっている。男が武闘士の娘に結婚の申し込みをする場合、その娘に「お見合い」を申し込み、その娘と戦って勝てば結婚できるという武闘士特有の制度だ。基本、当人たちだけがいるところで行うのだが、今回は衆人環視のもとで行うつもりらしい。
「それで、こっちは私とサヨ、フェーの三人でいいのよね」
「三人とも妻にするのなら同然そうなるわよね」マーサ母さんは言った。
「確かにそうだけど……」とトゥーイ母さんは何か考えるように言葉を切った。
「どうしたの、トゥーイ母さん?」サヨが訪ねると、「いやね、ジョンってバトルジャンキーなところがあって、タカシやユウシの時も戦いに参加したからね。娘たちの戦いを見て、俺も参加したいと言い出すのではないかと思って」
「父上の妻になるのか。負けたら妻になるのが掟だものね。しょうがないかな」私が言うと「私も別にいいよ」サヨが言った。
「フェーは構わないの」とフェーはニコニコしながら言った。
トゥーイ母さんが慌てて、「いくら何でもそこまで無節操じゃないと思うのだけど。もしそんなことを言い出したら、私も参戦するわ」
「私も参加するわ」ニコニコしながらマーサ母さんも言った。
「ファーも参加するの。勝ったら仲良くするの。負けたら仲良くされるの」ファー母さん、どっちにしても仲良くするのね、と私は思った。
ちなみに亜妖精は外見上全然年を取らず、ファー母さんは子供が3人もいるにもかかわらずまるで少女のような姿をしていた。
父上はお見合い件、王の了解をもらってきて一週間後実施することとなった。さて、だれが私たちの旦那様になるのかな。
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まだ未完のままになっていた作品なので、気になっていて投稿しました。
骨格はできていたので、少し修正して掲載しております。お付き合いいただければありがたいです。