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名門出身の武闘士が、魔法使いにあこがれて魔法使いになろうと頑張る話  作者: 信礼智義
第2章 クサツユウシの闘争
30/40

閉話10 ジョンの回想

これが最終になります。お読みいただければ幸いです。

 クサツ家の家族が久しぶりに集まった結婚式の翌日、ジョンとタカシ、ユウシと三人の母親、妹のカヨとサヨ、フィーとフゥーの計10名がお茶を飲んでいた。

 「カヨもサヨも久しぶりだな」タカシが言うと、「兄上も久しぶりです。お元気そうで何よりです」とサヨが答えました。

 「そういえば兄上たちが別家を建てられたので、ダイワ王国伯爵家の家督が私たちのどちらかの婿が継ぐことになりそうです」とカヨが言った。

 「へ~婿ってどこの武闘士だい?」タカシが聞くと「どうも王家から来るそうです」とカヨが答えた。

 「まあ、仮にも武闘士の家を継ぐのだから、わが家の訓練は受けてもらうけどな。短期詰め込み式になるが、仕方ないよな」とジョンは笑っていった。

 タカシとユウシは顔を見合わせて、「お気の毒に」とつぶやいた。

 二人の受けた訓練、3歳から受け始めたが、訓練中何回も死にかけた。それを短期で詰め込むなんてよっぽどの高い能力とものすごい努力が必要だなと思ったのだ。


 「そういえば父上、南部大公のカルロス殿と親しい間柄とか」ユウシが尋ねた。

 「ああ、あいつにはとても世話になった。ほんと申し訳なくなるぐらいだ」ジョンは答えた。

 「父上が申し訳ないなんて言うとは珍しい。どうしたんですか」とタカシが尋ねた。

 「いや、さすがに仇を恩で返されたら、心苦しいだろ」とジョンは苦い顔をした。

 「俺はあの時、旅費を使い果たしてさてどうしようかと迷っていたんだよ。だいたい旅費は盗賊たちをぶっ飛ばして、持ち物を奪うか、賞金首を取って賞金をもらうかしていたのだけど、山賊もいないし、海賊はさすがに海を走りまわって探すわけにはいかないだろう」

 ジョンはそう言いながら思い出話を始めた。

 「その時、そうだ、南部大公は金持ちと聞くからそこの金庫から拝借しようと、王宮に忍び込み、見張りの騎士を何人か倒した後で、金庫をぶっ壊して金を奪っていたら、いきなり盗賊が襲ってきてな、どさくさ紛れにいったん逃げたのだけど、すでに金庫が破られているのを見て、盗賊たちが騒ぎ出したら、犯人が俺だとばれかねないだろ?で、引き返して盗賊どもを壊滅させたわけだ」ジョンは話を続けた。

 「で、今度は海を見ると、船が襲ってきて、戦っているじゃないか。さてはこいつら盗賊とつながっているなと思って、あっちも潰しておくかと思い、片っ端から船をぶっ壊し、海賊たちをほぼ殺しつくした」そしてジョンは渋い顔をしていった。

 「すると、立派な体格の男が来て、助けてもらったお礼がしたいという。金庫からかなりの金を奪ったから、早めに退散したほうがいいと思ったが、逃げ出すのもまずいだろうと思いとりあえず焼けて無くなった服と、一飯を願ったわけだ」ジョンは続けた。

 「するとその男は了解したがまず先に王宮に行きたいという。やばいと思ったね。適当な理由を付けて同行し、証拠隠滅だよ。金庫は爆弾で壊されたように偽装して、とりあえず盗賊たちの死体は積んで、騎士の死体は偽装してきれいに並べた。死因も死んだ場所もわからなくするためだ。死んでいなかったやつがいたので、治療薬をやって話を聞いてから、俺のことがばれそうにない奴は助けたよ。さすがに全員始末したら疑われるからな。そしたらまた感動されてな。ほんと最高の御馳走をしてくれたんだよ」ジョンはお茶を一口含んでから続けた。

 「すぐに逃げ出そうと思ったのだけど引き留められてな。毎日、美酒、美食、美女の接待漬けだよ。金はたくさんあるし、まあ、腹ごなしの運動に少しぐらい手伝ってもいいかと思い、港や街の復興を手伝ったら、これがまた感謝されて、海賊船からの報酬の一部をくれるというじゃないか。さすがに怖くなって、もらった報酬は教会に寄付したよ。すると今度は俺に身内と結婚して、副大公になってくれと言ってきた。いや~悪意にさらされるのは慣れているが、ここまで善意を示されると、良心が痛んでな。女たちもかなり俺に本気になってきて面倒になってきたので、適当なことを言って逃げ出したんだよ」ジョンは嘆息して話を終えた。

 「「父上にも良心があったのですね」」タカシとユウシは驚いて言った。

 「俺もびっくりだよ」ジョンも言って、三人で笑った。

 ジョンの妻たちや娘はやや呆れた顔で3人を見ていた。

 「似た者親子と言うことかね」トゥーイ母さんがあきらめたようにつぶやいた。


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