閉話6 三人の魔法使い
本日と明日は12時と18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。
結婚式後、久しぶりに集まった旧魔法小隊の面々は久しぶりの同窓会のような飲み会を開いていた。
「リンダ隊長、グレタも久しぶり」マゼンダたちは懐かしそうに言った。
他の仲間たちもみな、お互いに久しぶりに会うことを喜んでいた。
旧魔法小隊は、ダイワ王国では有用性が認められず、ずっと日陰者のような扱いであったが、タカシ・クサツの活躍から見直され、部隊の規模拡大と再編が行われた。
各武闘兵団に魔法大隊が所属し、旧魔法小隊の隊員たちはだいたいそれら大隊の幹部として昇進していた。
そのため、旧隊員が集まるのは久しぶりであった。
「リンダ隊長もグレタもお子さんが生まれたそうですね」旧隊員の一人が尋ねたところ、「そうなの。今2歳と1歳でともに男の子なの」とニコニコ顔で答えた。
「私も女の子が一人、もうすぐ2歳になるわ」とこちらも微笑みながら答えた。
「ダメだよ、リンダ隊長とかグレタなんで呼び捨てにしちゃ。タカシ公王様の側妃様なんだよ。ましてリンダ王妃は嫡男を産んで、将来の国母なんだよ」別の旧隊員が尋ねた者をいさめた。
「いけない、大変申し訳ありません、王妃様」とその隊員は謝ったけど、「気にしないで、公式な場ならともかく、こんな私的な場でおまけに久しぶり会う仲間に気を使われると場がしらけるじゃない。でもマゼンダ公爵妃様たちは気にされますか」と尋ねた。
「やめてください。まだ私たち全然自覚がないのですから」マゼンダ達はぶるぶると首を振ってこたえた。
「それにグレタ隊長の方が一国の王妃で立場が上でしょう」と言うと、「大国の王配で公爵の地位をもち、東部総督を兼任されている方の公妃と小国の王妃では、皆さんの方が立場が上でしょう」とグレタは言った。
そんなことないですよ、あはは、と笑ってごまかしたマゼンダ達は、別の話題に切り替えて、ごまかした。
グレタ達には、仲間たちから、半分冗談、半分本気で愛人へのオファーについての問い合わせが殺到した。
久しぶりの同窓会も終わり、3人は二次会兼今後の状況確認のため、話し合いが行われた。
「私たち、とんでもない立場になったのね」マゼンダはつぶやいた。
「リンダ隊長から敬語で話されるなんて思いもしなかったわ。だって、元私たちの上官で、王様になったタカシ君の公妃で、事実上の国母よ。そんな人にあなたたちの方が立場が上だ言われたらびっくりしてしまったわ」
「確かにこの国はダイワ王国に以上の大国で、ユウシ君は事実上の統治者の一人で、おまけに広大な東部地域を治める王のような存在だものね。奥さんも7人いて、そのうち3人は正真正銘のお姫様と来ているしね」
「ひたすらユウシ君を追っかけていたら、とんでもないことになっちゃったわね。私ら平民の出身なのに、今回の戦いで全員騎士爵の地位と第三級勇士勲章を与えられたのは、ユウシ君と釣り合いを取るための便宜を図られたのよね」
「フゥー姉さんは男爵の地位と第二級勇士勲章ですものね。亜妖精の姉さんがこの待遇ってそういうことよね」
三人は顔を見合わせながら、沈黙した。
「まあ、こんなになってしまったからには仕方がない。とにかくユウシ君と仲良くして、一日も早く子供を作ることね。そうして立場を固めるのが先決」
「王妃と言っても末席だし、とにかく王室内で地位を固めるのが先決ね。ありがたいことにダイワ王国が支援を約束してくれているし、三人で協力して頑張りましょう。もちろん子作りもね」
「そうね、そうしましょう」「異議ありません」
三人は決意を新たにした。
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作者は一つの事象をいろいろな側面から見て、それが登場人物がどう感じているか書くのが楽しいです。お付き合いいただければありがたいです。