第20話 論功恩賞とハーレム
明日からは12時と18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。
これで僕の役割は終わりです。ユウシ・クサツはそう考えました。早く国に帰って、結婚することとなったお姉さんたちとフゥーと結婚式を挙げなくちゃな、しかしこの歳で結婚することになるなんてと悠長に構えていました。
女帝となった側室筆頭の娘、エリザベスは王家に伝わる3種類の秘宝を身に着けて王座に座っていました。
側には北部大公、南部大公が侍り、上級官僚たちが並んでいた。その中に西部代表してエルメス伯爵が少し青い顔をしながら並んでいました。
兄のタカシ・クサツもおり、僕を見るとひらひらと手を振ってきました。
官僚の一人が呼び上げました。
「勲功に基づき、褒賞を与える。まず北部大公ノール・ベアード、貴公には白海に通ずる領地を与える、また今後の王国の統治に参与するために王政府大参与の地位を与える」
「有難き幸せ。今後とも王家のために尽くす所存です」
北部大公は白海への出口となる領土をずっと求めていたが、今までの王は拒否していたそうです。今回それを手に入れ、更に王家に対する影響力を得て大満足のようです。
「南部大公カルロス・シーサイド、貴公にはダイワ王国と国境がつながるよう南東回廊を与える」
「有難き幸せ。今後とも王家のために尽くす所存です」そう言うと、僕の方を見てニヤリとしました。
南部大公はダイワ王国との直接交流ができるようになりたかったようで、とても満足している様子でした。
何でダイワ王国と交流したいのかだって?
僕が言うのもなんだけど、父のジョン・クサツがやった海賊退治のおかげで熱烈な父のファンが南部でたくさんいるそうです。それで父が所属するダイワ王国となんとか交流を持ちたいと考えているようです。
「次はクサツ公国タカシ・クサツ殿。貴公は東部平定のため軍を動かし、我々を救ってくれた。これに対する代償として、今回かかった軍事費の支払いと、ハルク平原の領有権を認めるとともに、更に我が国と友好条約を締結したい」
「われらの友情は永遠です。今後も助け合いましょう」
これで兄上を通してダイワ王国は友好的な国を隣国に持つことができたわけです。本当に良かった、これで僕の任務は終了です。
「エルメス伯爵」
「はい」かなり青い顔をしながら前に進みました。
「そなたは反乱を起こした西部大公の血縁であるな」
「はい」エルメス伯爵の顔はますます青くなりました。
「しかし、ユウシ・クサツ殿から貴公の西部統治に関する多大なる貢献が報告されている。よって貴公とそれに従ったものに対しては罪に問わないこととする。また、西部統治に非常に重要であるとユウシ・クサツ殿から助言をいただいており、そのため貴公を西部副総督に任ずる」
「有難き幸せ、今後とも王家のために尽くす所存です」と言って跪きながら気絶していた。
それから次々と褒賞が与えられていきました。
僕はそれを眺めながら、早く終わらないかなと思いながら、この後開かれる予定の宴会で出るごちそうに思いが行っていました。
「最後にこの戦いの最大功労者にして英雄であるユウシ・クサツ殿」
へっ、僕ですか?
「貴公は東部伯の陰謀を防ぎ、王妃王女たちを助け、わずかな兵力で西部大公を打ち滅ぼし、兄タカシ・クサツ公の助力を我が国にもたらした。この功比類なき」官僚は言うと、女王に目を向けた。
「ユウシ・クサツには東部総督をお願いしたい。更に公爵の地位を与え、わが夫に迎えたい」エリザベス女王自らの口からとんでもない言葉が飛び出した。
「お待ちください。女王よ」その時南部大公カルロス・シーサイドが口をはさみました。
そうだよね。よそ者に報償を与え過ぎだよね。反対するよね。
「ユウシ・クサツ殿には我が家からアメリ王女を嫁がせ、縁戚になる予約を取っております。ぜひともユウシ殿にはアメリ王女も一緒に娶ってもらいたい」
ちょっと待って、何を言っているの!
気絶から復活していたエルメス伯爵も発言しました。
「ユウシ・クサツ殿には大変な恩があります。ぜひともわが孫娘であるエリー王女も娶っていただければと思っています」
頭がくらくらしてきました。何も考えられません。
「わかりました。3人で嫁ぎましょう。いいですね」
立ち並ぶ領主官僚たちは全員賛意を示すとともに手をたたいて祝福してきました。
「大変申し訳ありません。私にはすでに妻が4人おりまして」僕が言いかけると「大丈夫、そのあたりは女の話し合いで何とかします」とエリザベス女王は言いました。
その後四人と三人の王女たちの話し合いがもたれたそうです。
その結果、正室としてエリザベスとフゥーが併存し、他の王女達と魔法使いのお姉さんたちは側室と決まりました。ちなみに筆頭側室はアメリ王女だそうです。
結婚式の準備はどんどん進められ、僕が口を出す余裕は与えられませんでした。
ちなみに逃げようとしましたが父上と兄上に捕らえられました。
「お前を抑えられるのは俺たちだけだからな」
「まあ、あきらめなよ」
父上も兄上もにやにやしながら言います。勘弁してくれ~
結婚式は厳かに行われました。僕の家族はもとより、ダイワ王国からも王自ら出席していただき、また、ターフ連合大公国の要人は皆参加して、この結婚を祝いました。僕は12歳で7人の嫁を貰うこととなりました。
隣にいるエリザベス女王は微笑みながら「絶対に逃がさないからそのつもりでいてね。今夜はがんばろうね」とささやいてきました。
フゥーは「子供がいっぱい欲しいの。頑張るの」て言っています。
後ろにいるアメリ王女とエリー王女はニコニコしています。僕と結婚できてうれしいとのことです。
お姉さんたちはというと、北部軍とともに敵と戦った恩賞で、騎士爵の地位と勲章が与えられ、さらに正式な側室としての地位が与えられ満足そうです。
あとは、僕との間に子供を作れば完璧だと、完全にやる気満々です。
その夜はまだ幼いアメリ王女とエリー王女を除いて5人に搾り取られることとなりました。
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