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名門出身の武闘士が、魔法使いにあこがれて魔法使いになろうと頑張る話  作者: 信礼智義
第1章 クサツタカシの戦い
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第9話 奴隷商へ

休日は12時と18時に投稿します。お読みいただければ幸いです。

 もう一つの奴隷狩りのパーティは、街道を歩いているとあちらから出て来た。僕たちを取り囲んで「黙って俺たちにつかまれば命だけは…」急いでいるので、最高速度で移動しつつ殴りまくった。殺さないよう手加減が難しい。あっという間に、全員のしてしまった。殺さないよううまく手加減できた。


 身ぐるみ剥いで、首輪をつけて町まで数珠つなぎにして持って行った。抵抗した奴がいた場合、連帯責任で全員に電撃魔法をかけてあげた。

 ところが門のところで門番に止められた。「奴隷の持ち込みは、門の外に奴隷売買用の建物があるから、そこへ持って行け」と言って、左側を指さした。確かに大きな建物がある。


 僕は捕まえた連中を連れて、その建物に向かった。受付がいくつも並んでおり、その一つに進み、声をかけた。

 「いらっしゃいませ。買取でしょうか、それとも商品のお求めでしょうか」女性の受付が言った。

 「買取をお願いします。この11人です」僕が答えた。

 「はい、受取係の方お願いします」受付の女性が言うと、屈強な男が何人か出てきて、男たちを引いて行った。

 男たちは、「おい、俺たちは何回もここに奴隷を売っている冒険者だぞ。早く釈放しろ」と叫んでいたが、受取係の男は「今は奴隷だ。おとなしくしろ」と言って、鞭をピシッと鳴らした。

 男たちはうなだれて、抵抗をやめた。

 

 「査定をおこなっていますので、そちらの椅子に座ってしばらくお待ちください。後大変申し訳ないのですが、身分証明はお持ちでしょうか。もしお持ちでしたら、提示をお願いしたいのですが」と言われたので、冒険者証を提示して、受付のそばに並んでいる長椅子に座って待っていた。

 僕たちが椅子に座って待っていると、受付の女性から「お待たせしました」と声がしたので、窓口に行くと、「一人金貨1枚で買い取ります。全部で11枚になりますがよろしいでしょうか」と言った。


 僕は「商品が欲しいのですが」というと、「どのような商品が欲しいのでしょうか」と聞かれたので、「グレタという魔法使い、それとダークエルフが欲しいのですが」と言った。

 受付嬢は書類を調べていたようだが、「まずグレタという奴隷はおりません。過去にも取り扱いしたケースはございません」と言い、「ダークエルフですが、現在在庫がございません。入荷の予定もございません」と言った。

 「最近の取扱いはありますか。買われた方と直接交渉して、手に入れたいのですが」

 「売買の記録はございませんが、最近多くのダークエルフを所有された方は存じております。ただ、申し訳ございません。個人間での奴隷売買を直接に行うのは禁止されています。ただ、我が商会が仲介することはできますが」

 「ぜひお願いします。ちなみにどちら様でしょうか」

 「この国の王であるゲドー・キチク様です」


 どうもこの商会は今回のダークエルフの村襲撃事件にはかかわっておらず、この国の王がネスカさんの村を襲撃して、住民を奴隷にしたようだ。なぜなら共同で襲撃したのなら、商会としての取り分があるはずだし、ダークエルフの奴隷も何人か商品として持っていると考えるのが普通だからだ。

 王がわざわざ村を襲撃したそんなことをした理由がわからないが、とりあえず仲介料の前金を支払って、仲介を頼んでおいた。


 「それでは、相手方に連絡を取ってみます。相手がお断りになった場合、仲介料の半分はお返しいたします。他に奴隷はいかがですか」


 「とりあえず結構です。いろいろありがとうございました」そう受付嬢に言ってから、建物から出た。

 「グレタさんが奴隷になっている可能性は少なそうですね。まあ良かったです。でもダークエルフの村を襲って奴隷にしたのはここの王様みたいですね。なんでそんなことをしたのだろう」と僕が疑問に思うと、「あとは冒険者ギルドに聞いてみるとしようよ。町に入ってみようか」とリンダさんが言った。


 冒険者証を見せると、すんなり街には入れた。冒険者ギルドの場所を聞くと町の中心にある大きな建物とのこと。言ってみると、かなり大きな建物で、「冒険者ギルド」と書かれた看板が掲げられていた。


 中に入ると、かなり閑散としていた。受付に行くと、忙しそうに働く女性がいた。

 「すみません」と声をかけると、「あなた冒険者?クラスは何?すぐに仕事受けられる?」と矢継ぎ早に聞いてきた。

 「すみません。どうしてこんなに閑散としているのですか?」と聞くと、「迷宮がこの国の隣の国で発見されたのよ。だから、冒険者たちで少しでも力のあるものは、皆そっちに行ってしまって、ここに残っているのは、駆け出しで自信がないか、迷宮に潜る力のないものだけなの」と受付嬢は言った。


 迷宮はこの世界では金の生る木と同じだ。貴重な鉱物や薬草がとれ、ダンジョンに生息する魔物たちは貴重な食材や各種道具の材料にもなる。

 古い迷宮になると、資源が取りつくされ、魔物も数が減ってくるが、新しい迷宮は全くの手付かずであるから、なんでも取り放題だ。

 普通に街で冒険者をするよりもかなり危険だけれども格段に金になるため、新しい迷宮が見つかると、冒険者が殺到することとなる。


 「ダークエルフのことで何か知っていることはありますか?」と聞くと、「教えてあげてもいいけど、いくつか依頼をこなしてくれたらね」と言った。それで僕たちはクラスを見せたところ、「二人は木クラスで、もう一人は銀クラス!あとあなたは未登録だけど、とりあえず鉄が銅の実力はありそうね。とりあえず登録して、依頼を受けて」と言われた。

 ネスカさんは「仲間のことが分かるならば」と冒険者登録をした。ギルドでネスカさんを僕らのパーティに入ることを登録すると、早速依頼が山のように押し付けられた。

 「本当にごめん。できる限りでいいからお願いね」受付嬢が拝み倒してきた。


 とりあえず、近隣の盗賊討伐から行うことにした。盗賊たちは、殺したり捕まえたら門番に言えば証明書を出してくれるので、それが証拠になるとのこと。僕は大きな車が付いた檻を借りて引きながらネスカさんと走り、リンダさんとフィーは魔法で飛んで付いてきた。

 「私たちダークエルフと同じぐらいはやいスピードで走れるのね」ネスカさんが感心していた。

 「まあ、そういう訓練を受けてきましたから」武闘士は魔力を全身にいきわたらせ、更に身体強化を行い常人では出ないスピードで移動する訓練を受けており、このぐらい何の問題もない。


 盗賊や奴隷狩りの連中をガンガンのしながら身ぐるみ剥いで檻にぶち込んでいった。

 半日ほど依頼されたすべての盗賊や奴隷狩りの連中を捕まえて、門番にギルドから依頼されたことを伝え、証明書をもらった。さっき捕らえて売った連中も依頼の中に入っていたので、どうしたものか門番に聞いたところ、奴隷商の方で、証明してくれるとのこと。ちなみに捕らえた奴らも奴隷として売っていいとのことだったので、再び奴隷商のところへ行った。


 さっきと同じ受付が空いていたので、その場所に行ったら「あれ、先ほどのかたですね。ちょうどよかった。売った彼らに懸賞金がかけられていたそうで、証明書をお渡ししなければと思っていたのです」といって、証明書をくれた。あと、追加の売却があると伝えたら、受取係を呼んでくれた。


 査定が終わるまで待っていると、「お待たせしました」と受付嬢の声がしたので、窓口にむかった。

 「105人おりましたので、金貨120枚で引き取ります」「あれ、さっきは一人金貨1枚だっだのですが」というと、「魔法を使えるものもおりましたので、少し高くなっています」と言って、「お客様、しばらくこの町に御滞在でしょうか」と聞いてきた。「とりあえずその予定です」というと、にこりと笑い「長期の滞在でしたら、家を借りた方がいろいろ都合がよろしいかと思います。もしよろしければ、不動産のご紹介をする部署をご案内しますが」と言ってきた。


 「ちょっと待ってください」と言って、リンダさん、フィー、ネスカさんと相談した。

 「宿に泊まるのもいいけど、4人だと部屋が最低2部屋は必要ね。いろいろ宿の決まりがあったりするし。しばらくここで情報収集するのだったら、家を借りてしまったほうが安上がりと言えば安上がりね。自由も効くし。ただ、管理が面倒と言えば面倒ね」リンダさんは考えながら言った。

 「フィーはお兄様と一緒に寝れれば、お兄様のいい方でいいの」

 「私もかまわん。野宿でも問題ない」


 再び窓口に行って、受付嬢に言った。「家を借りるのはいいのですが、管理が大変ではないですか」というと、「もしよければ奴隷をお買い求めになりませんか。家事もできますし、事務作業ができて、夜の方も務められる奴隷がおりますが」と言って勧めてきた。

 「この町を離れるときに奴隷はどうするのですか」と聞くと、「そのままお持ちになってもかまいません。次の町でもお役に立てると思いますし。もし不要でしたら、こちらに持ち込んでいただいたら買取も行います」とにこやかに言った。


 「とりあえず、その奴隷を見せていただけないでしょうか」というと「はい、私がその商品です。名は20327番です。家事は一通りできますし、事務作業も問題ありません。そして夜のお求めにも対応しております。特殊な性癖をお持ちでしたら、ほぼそちらにも対応できると思います」といって微笑んだ。

 「えっと、お姉さんが商品なのですか」

 「はい、奴隷部門の受付はみなこの商会の奴隷で、売買の対象となっております」と言って微笑んだ。

 「僕なんかに買われていいの」と言うと、「はい、お客様のようなかわいい方に買っていただいて、お世話できれば最高です」


 この人、スタイルはリンダさんやネスカさんのようにメリハリのある体形ではないし、フィーのような幼女体系でもない。スレンダーな知的美人で頼れるお姉さんという感じの女性だった。


 僕は戦いは得意だし、事務仕事もそれなりにできるけど、家事は得意ではない。特に料理や裁縫はとても苦手だ。

 リンダさんとネスカさんは戦いは得意だけど、それ以外はあまり得意ではない。

 フィーは論外だ。こういう方がいてくれれば、何かと役に立つことは間違いない。

 みんなに聞くと、僕に任せるとのことだ。


 「すみません。お姉さんおいくらになりますか?」と聞くと「忠誠の首輪をつけて金貨5枚になります」と言ったので、びっくりして「少し安いような気がするのですが」

 「そうですね。新品の若い美人奴隷で踊りや歌など付加価値がありましたら、金貨1000枚から3000枚は致しますからね。何の芸もない並みの顔や体形の奴隷でも若くて新品だったら100枚以上はしますね。でも私は中古も中古、3人もご主人様が変わっており、傷物のうえ、年を取って価値がありません。事務作業ができるので、窓口の受付で働かしていただいております。何もできない子や壊れてしまった子は僻地の鉱山等で労働力として働くことになります。この商会はありがたいことに使えない奴隷を処分することがない、とてもやさしい奴隷商なのですよ」と言った。


 結局、僕はこのお姉さんを買った。名前が番号では味気ないので、ミニナと名付けた。ミニナと名付けたことにびっくりしていた。「この私に名前を付けていただけるなんて、ありがとうございます」とすごく喜んでくれた。あと、家も借りた。ミニナが大活躍し、城内に一軒家で、風呂場付きの家を月金貨10枚で借りることができた。

 その後、冒険者ギルドに言って、終わった依頼を報告したら、すごくびっくりして、大喜びしていた。報酬の手続きも、いつもは僕かリンダさんがやっていたのをミニナがすべてやってくれた。


 借りた家に着くと、ミニナは途中で買った食材で、さっと料理をしてくれた。

 正直、とってもおいしかった。みんなむさぼるように食べた。ミニナが立って、食事が終わるのを待っていたので、一緒に座るように促し、固辞するミニナを無理やり座らせ、一緒に食べた。


 風呂場で水浴びをして体を清めた後、ベッドに横たわりうつらうつらしていた。ちなみに隣にはフィーが寝ていた。「お兄様と一緒に寝るのは、正妻のフィーなの」と言ってベットに潜り込んでいた。残り二人は、悔しそうにしながら、別の部屋に行った。


 ドアが静かに空き、ミニナが入ってきた。

 「夜のお勤めに参りました」そう小声で言って、ベッドに潜り込もうとした。

 「ごめん。そっちはいいから。ミニナは自分の部屋で寝て」と言ったら、悲しそうな顔で、「私の体ではお勤めさせていただけませんか」と言って、裸になった。

 体には、やけどの跡や鞭で打たれた傷跡があちこちにあった。よく見ると、指の爪も変形していて、はがされたような跡があった。

 ミニナは微笑むと、指で左目を取った。義眼であった。

 「前のご主人様にかわいがってもらった跡です。ご主人様ももしよろしければお使いください」そう言って笑った。


 「僕のパーティはみな僕の婚約者なんです。この隣で寝ている子は親の決めた婚約者です。別室のリンダさんとネスカさんも僕の婚約者です。実は、僕には好きな人がいて、今その人を探す旅に出ているのです。その人に会って、結婚を申し込んで、結果が出るまで、婚約者たちには手を出さない約束になっています。ミニナさんを妻にはできませんが、この旅が終わったら、一緒に僕の故郷に来てくれませんか。ずっと一緒に暮らしましょう」と言って僕はミニナさんに服をはおらせた。


 ミニナさんはぽろぽろと涙を流して、「ご主人様、私をずっと置いていただけるのですか。信じていいですか」と言った。

 「はい、信じてください」と言ってニコッと笑った。

 「今日は部屋に戻ってください。婚約者皆と結婚して、みんなの許しが出たら、手を出します」と言って帰らせた。

 我に返って考えると、何か下種なことを言っているのではと反省した。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。



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