転生した英雄が、未来の世界で無双する
地球とは別の銀河に存在する世界、「エメラス」。魔法が存在するこの世界では、人類、獣人族、魔族が存在し、長い間共存していた。ところが、他と比べ強い魔法を使える魔族は次第に、自分たちが特別な存在だと思うようになり、人類や獣人族と対立するようになった。これに対し人類と獣人族は、国家間で対立を繰り返しながらも力を合わせ魔族に対抗していた。そんな世界に存在した、ある一人の人間。その男の名は…
ノア・シュナイザー
彼は、あらゆる魔法を極めた最強の魔法使いであり、剣技をも極めた最強剣士でもあった。その力で、幾度となく魔族の脅威から彼らを救い、「英雄」として崇められた。また彼は晩年、魔族との戦いを続けつつ、彼の故郷であるハンドラ王国の宰相として国の発展にも貢献し、世界有数の大国に育て上げた。
そんな彼も95歳となり、死を迎えようとしていた。
「…それにしても、今まで色々あったな。ていうか、色々ありすぎて全部覚えとらん。」
ベットでその老人、ノア・シュナイザーはぼやいた。
「私は結局、この国をちゃんと正しい方向に導けたのだろうか。できるなら、未来の世界を見てみたい…そうだ!最後に"あの魔術"を使おう。」
"あの魔術"、それは転生術のことである。この魔術は彼が作り出し魔法で、使用しても能力はそのままで転生できる。つまり彼は、別の人間として未来に転生するのだ。まるで散歩に行くかのような軽さで言っているところから、彼がどれだけ規格外の力を持っているかは想像つくであろう。
「ウグッ!そろそろだな。では、転生術を始めるとしようか。転生するのは…そうだな、1000年後ぐらいがいいかな。」
そう言いノアは、魔法陣を描き始めた。本来魔法は魔法陣を描く必要はなく、詠唱を唱えるか無詠唱で使えるのだが、転生術はあらゆる原理を超越する魔法であるため、複雑な魔法陣を描かなければ使えない。
3分後、ノアは魔法陣を完成させ、いよいよ転生を開始する。次第に目の前がぼやけてきた。
ー次の人生では何が起きるんだろう。楽しみだな。
転生後の世界にそう思いを馳せながら、ノア・シュナイザーは転生した。
どーもMr.現代小説です。本作は不定期更新なので、立て続けに更新したりしばらく更新しなかったりしますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
さて、転生を果たしたノアは未来で何をするのでしょうか。前世と同様に貴族になるのか、冒険者として自由に過ごすのか。次回以降もお楽しみに!