感謝祭
「半年に一度、五月と十一月に感謝祭がある。
この世に生きていることに感謝する日…らしい。
そして、その日は一家の大事なものを献上し、
燃やす。(うん。燃やす意味!!!!」
って思うかもだけど、まぁいいとして)
国王が住まわれる、城の前で行われるから
すごく盛り上がって、あちこちで零れた酒が
ものすごいことになっている時があった。
まぁでも、剣士である俺達にとっては、
年に二回しかない貴重な
「「帰宅できる日」」だから
そこまで盛り上がらないと思うのだけどな」
「ふーん」
「ふーん。って、本当に感謝祭のことを
知らないのか?クローバー´」
「うん。さっきのノイルの説明を聞いても、
全く心当たりがない」
「記憶がないのか?」
「どうなんだろう?
僕が偶然見たことがないだけなのかも」
俺に対して、クローバーがそう言い放ったとき
アキトが口を出してきた。
「そんなわけないだろ、!
あれだけ毎回、盛大にやっているのだから
知らない奴がいる訳がないだろ」
「まぁまぁ。クローバーにも色々と事情が
あるんだろ
それに、完全に見た事がないっていう
可能性も、捨てることも出来ないと思うよ」
ちょっとキレ気味のアキトのことを、
俺の幼なじみでもある ナユ が優しく
論してくれている。 にしても、なんで
キレ気味なのか、もしかして………
「アキト キルとの間で何があった?」
「アイツの名を出すな、❗ 殺るぞ」
そう言い放って、アキトが睨んでくる
「あれ、、
今 誰か僕の名前を言わなかったかい¿?
出たよ、、煽り中毒者。
人の地雷を確実に踏んでいくという技術に長けた男
アキトとキルは同じく炎の技を主体に使っている
から、衝突することも多々ある、
いつもの日常に彼らの喧嘩があって
正直 慣れたわ
「いやーー
まさか君よりも劣っていたはずの僕が
君よりも先に朱華の技を使えるよう
になるとはね。
君はもっと先の技を習得しているのかと思って
いたよ。
僕が思っていたよりずっと君は習得している
技が少なかったんだね。
驚いたよ!、じゃあ、君は頑張って朱華を習得
してね。僕は唐紅を習得する
から」
付け加えるなら、キルの方が総合成績では上だ
さらに付け加えるとするならば、
紅炎の技の難易度は
低い順に
真紅
紅葉
梅重
朱華
唐紅
赭 (そほ)
銀朱
紅赤
朱 (しゅ)
真朱
緋色
となっている。
要するにキルの方がアキトより少し勝っている
まぁ、そんなに変わらないと思うけれど
そんなちっぽけな差が負けず嫌いのアキトには
許せないらしい。
相手にしなければいいのに、丁寧に相手をしている
から、優しいのか、バカなのか、よく分からない
アキトの場合、すぐ飽きるため
それが技を習得出来ない大きな原因だと思う…
「ノイル、アイツ殺していいか、。?」
関係のないを考えている間に二人の喧嘩は
だいぶエスカレートしているようだ
「二人の会話を聞いていて」
くだらないと心で思いながらも
「ダメだと思うぞ」と一応返しておく。ことにした
「うーーん、じゃあ、やめる」
引き際が見つからずに、俺に意見を求めたってこと
でいいのか、…
適当に言っただけなんだけど
結果オーライって事でいいよな、うん
キルはアキトがもう相手をしてくれないと悟ったのか、どこかに歩いて行ってしまった
そんなことよりも、
「みんな、感謝祭の話をするのもいいんだけど、
その1ヶ月前に試験があるだろ、
それは大丈夫なのかよ、みんなで(e)に昇格
したばかりなのに、今から´ (d)に逆戻りは
キツイぞ」
剣士が所属する 剣士隊
それは、王を最高責任者とし
継いで、剣士長が七名、
そこから
j … i … h … g 〜 c b, a
というような
jを一番上のピラミッド状になっている。
その半年に一度の試験では、昇格、降格
のどちらかに決まる。
現状維持は存在しない、試験の内容は単純、
一班でまとまりとなり、ほかの班の同期との
総当たり戦で、その勝率を競う。
俺達は第二十期生で、七班。
班員は班長が俺、アキト、ナユ、ナヤ、
ジルキ、ユミル、ルミ、キル、そしてクローバーだ
「まぁ、大丈夫でしょ
班長が頑張ってくれれば」
「そうだな。じゃあ、班長ノイルさん
頑張ってください」
ナユが言ったことに、被せてアキトが言ってくる。
´「いやいや、お前ら本当に試験のルール理解
してるのか?
勝ち残り戦だからお前らが頑張ってくれれば
俺は試合に出なくて済むんだって」、
「はいはい、ノイルが出なくて済むように努力
するけど。最後なんだからどうせ、出ないだろ
って思ってないで、一応練習しておいてね」
「あぁ 分かった」