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オーダーメイドムービー  作者: 車男
3/4

白ソックス②

シーン6

 昼食を終えると、5限目は体育館で学年集会。表彰や先生たちの話を聞く時間。体育館は上履きのまま入って良く、ここも連休中の砂埃がたまっている。出席番号順に並んで座ると、主人公はスカートでソックスの足裏を隠したりすることはなく、女の子座りをしているため、後ろから見ると真っ黒な足の裏が丸見えになっている。時折、あくびに連動して足の指がくねくねと動く。白かった足の裏は、これまでにあちこち歩いた学校内のホコリや砂を集め、足の形に真っ黒な汚れが浮かび上がっている。土踏まずや五指の間などはまだ白い部分があり、もともとこれが白ソックスであったことを物語っている。


シーン7

 学年集会が終わると、再び教室へ戻る。集会の途中から尿意を催していた主人公は、教室への帰り道、途中でトイレに行こうとするが、上履きなしで専用スリッパなどないトイレへ行くことに少しためらう。しかし、既に真っ黒な自分の足の裏をみて、友人から上履きを借りるのも気がひける。考えた結果、友人を先に行かせて、こっそりとソックスのままでトイレへ行くことにした。

「あ、ごめん、体育館に忘れ物したかも。先に教室行ってて!」

主人公はそう言って、人気の少ない特別教室棟のトイレへ向かう。期待はしていなかったが、トイレ専用のスリッパはやはりここにもなかった。尿意は限界にきていて、足をもじもじさせながら、トイレへと足を踏み入れる。昼休み後の掃除の時間で水まきをしたのか、つま先立ちで歩いてはいるものの、タイル張りののトイレの床を歩くたびにじんわりとソックスが湿っていくのがわかる。個室をのぞくと、運悪く、そこには和式しかなかったので、用を足すには足の裏全体をつけざるを得なかった。手を洗って、トイレの外へ出る頃には、ソックス全体が水で濡れてしまっていた。

「ふう、なんとか間に合ったけど、靴下濡れちゃったなあ…」


 「はい、カット!濡れたトイレシーン、最高です!気持ち悪いかもだけど、あとちょっとその靴下のまま、がんばって!」

「うー。気持ち悪い・・・。けど、あと少しですね、頑張ります!」

靴下のままトイレというのは、台本を読んでいて、一番ドキドキしたシーンだ。台本通り、スタッフさんがあらかじめトイレ内に水を撒いておき、ナチュラルな濡れて汚れた白ソックス、というものを生み出していた。足の裏は水でひんやり、じっとり。歩くたびに、じゅわっとした感覚が足裏を伝う。今の私の靴下、最高に汚い・・・!


シーン8

 濡れたソックスを気持ち悪く思いながらも、次の授業が迫っていたため主人公は急ぎ足で教室へ向かった。階段を登る時に見える足の裏は今朝に比べてかなり真っ黒になり、それまで白さを保っていた土踏まずや指の間も灰色になっていた。


シーン9

 教室へ着くとすぐに授業が始まった。最後は世界史。この授業は、最後の授業ともあってかなり眠くなる。しかし、ソックスの足裏が濡れていて気持ち悪い。暑さも相まって、主人公はとうとうソックスを脱ぐことにした。主人公は左足の指を右足のソックスの口に差し込み、ぐいっと下げた。右足のかかとが出てくるまで下げてしまうと、今度は左足で右足の先を踏み、右足を引いた。すると、右足のソックスはスポッと脱げて、机の下に残された。素足になった右足は、じっとり湿ったソックスからの開放感でくるくる動き、指もくねくねと動く。左足も同じようにソックスを脱いでしまうと、両足とも素足になった主人公は、ソックスを机の下においたまま、素足を机の棒に乗せてノートをとり始めた。その後、終礼が終わるまで、主人公は素足のままであった。足の指で机の棒を挟んでみたり、足の裏をこすり付けてみたり、素足のつま先を床につけて、椅子の下で組んでみたり。白ソックスの裏は既に真っ黒だったが、素足の裏も灰色に汚れている。


「はい、OK!すごいね、“マキノ”さん!ソックスを脱ぐシーン、感動すら覚えたよ!あんなに自然にできるもんなんだね」

「えへへ、ありがとうございます。家で練習してきたんです、足だけで脱ぐの」

それは本当だったけれど、実は私も中学生の頃、あまりに暑い時は同じようにソックスを脱いでしまったことがある。授業が終わって、友人に脱いでたよねって言われて恥ずかしかったのを思い出す。でもそれをたびたびやっていたので、今回もスムーズに脱げた。

 改めて周りを見渡すと、みんなが靴を履いている中で、私はいま靴どころか靴下も履いていない。それを実感すると、またドキドキ…。素足で歩く床は、かなりザラザラしていた。それにしても、リアリティを出すために実際に濡れたトイレに入るのはなかなか気が引けたが、入ってみると快感さえ覚えてしまった。濡れたソックスはかなり気持ち悪かったけれど、脱いでしまった後の開放感は半端ない。


「では次、流れ的には帰るんだけど、汚れをなるべくそのままで撮りたいシーンあるから、そっちから先に行きますね、シーン11です!」

「わかりました!」

シーン11の撮影の為、一旦脱いだソックスを再び履く。履履く時に足の裏を見てみたけれど、今まで見たことのないほど、真っ黒に汚れていた。掃除していない廃校ってこんなになるんだな…。


シーン11

 放課後、教室の自分の席に、上履きのないソックス姿で座っている主人公。足の指をくねくねとさせながら、ノートを書いている。そこにクラスメイトが来たらしく、こちらを向いてにっこり。

「どうしたの?もうみんな帰っちゃったよ」

「え、頼み・・・?ってなにかな?」

クラスメイトからの頼みを聞いて、怪訝な表情をする。

「足の裏を、見せて・・・?ってなによそれー。一日中ソックスで歩いてたから、すごく汚いよ?・・・それでもいい?むしろそれがいい?よくわかんないなー」

クラスメイトが繰り返し頼み込むと、主人公は笑って見せることにした。

「くすっ。いいよ、別に減るもんじゃないし。ってなによその格好。私の前にひざまづいて、王子様みたい・・・…この方がよく見えるの?言っとくけど、スカートの中は見ちゃダメ、だからね?」

そして、主人公はこちらに体を向けると、スカートを押さえながら足を浮かせて、クラスメイトの目の前にソックスの足の裏を両方とも見せつけた。足が床についていたところは炭を塗ったように真っ黒で、土踏まずや五指の間も、灰色に汚れていた。足裏の横の方から顔を出した主人公が、恥ずかしそうに頬を染めて、

「ほら、真っ黒でしょ?…実は、このままトイレにも入っちゃってさ、すごく濡れてるの・・・。気持ち悪いんだ・・・」

そう言いながら、主人公は激しく足の指をくねくね。汚れもそれに合わせてうごめく。クラスメイトはそこで更なる要求をした。

「え、ソックスを脱いで、素足も見たい?もう、キミってヘンタイさんなの?・・・まあいいよ。でも、こんなに真っ黒ってこと、ほかのみんなには言わないでね?」

そう言って、主人公は足をイスに上げて、片方ずつ手でソックスを脱いだ。足を上げたことで、スカートの隙間から白い下着が顔を出す。そして、今度は素足を両方とも見せる。ソックスを透過して付いたのであろう、素足も床についていた部分は灰色に汚れていた。足の指をくねくねと動かしながら足の裏を見せていた主人公だったが、やがて素足をイスに載せて、体育座りになった。下着が足の隙間から見えている。

「はい、そこまでー。あんまり長く見られるのもすごく恥ずかしいんだよっ。ほら、早く帰らないと日が暮れちゃうよ!」

もっと足裏を見ていたかったが、クラスメイトは、素足のまま脱いだソックスを手に持って席を立った主人公の後について、教室を後にした。ちょうど真っ黒になった足の裏部分が見えていた。


 「はいOK!“マキノ”さん、文句なし!恥ずかしそうにしつつも、男子の要求にこたえる女子高生感、素晴らしい!!」

「ありがとうございます!」

おそらくここが、この動画内での最高潮のシーンであろう。監督も、かなりテンションが上がっていた。撮った動画を繰り返し見つめている。

「よし、じゃあ次は帰りのシーンだ。白ソックスバージョンの最終シーン、よろしくお願いします!」

「お願いします!」

私は先程のシーン9のように、白ソックスを机の下に無造作に置くと、席に座った。


シーン10

 終礼が終わると、その日部活のない主人公は素足のまま荷物を片付け、最後に床に落ちている白ソックスを拾うと、ちょっと考えて、それも丸めてカバンに入れ、素足のまま教室を出た。

 ペタペタと廊下を歩き、階段を降りる。一歩一歩歩くたびに、素足の汚れもひどくなる。昇降口に着くと、主人公は靴箱からローファーを取り出し、膝を曲げて足の裏を確認する。

「うわー、足の裏、真っ黒・・・。洗って帰ろう」

そうつぶやくと、ローファーを手に持ち、昇降口の外にある足洗い場へ。蛇口から水を出すと、素足を恐る恐る差し出す。

「きゃっ、つめた!けど、気持ちいい!」

足の裏がもとの肌色に戻ると、主人公はカバンからタオルを取り出し、水滴を拭きとると、素足をそのままローファーに突っ込んだ。

「ふう、綺麗になった。明日は上履き、忘れないようにしなくっちゃ!」

そう呟くと、主人公は素足にローファーという姿で学校を後にした。


つづく

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