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第十六話:『作家になろうぜ!』に女を監禁する小説を投稿する
連載小説の最新版を書き上げた。
「投稿ボタン」を押す。
疲れた。
腰が痛い。
目も痛い。
パソコン画面上で見直す。
しまった。
字が間違っている。
気の弱い俺は、少し間違えただけでビビってしまう。
焦って訂正していると、
「なに、これ」と五歳離れた姉がいつの間にか背後にいた。
やばいとパソコンの画面を消そうとしたが間に合わない。
姉に突き飛ばされる。
痛めてる腰をまた打ってしまった。
動けん。
姉が椅子に座り、小説の内容を読んでいる。
「やだ、なにこの内容、女を監禁してやりたい放題好き放題。キモーイ!」とゲラゲラ笑う。
「あんた、こんな小説書いてたの」
馬鹿にした目で俺を見る。
姉は、『作家になろうぜ!』の他の小説もパラパラと見て、
「変な小説ばっかり。あんたも変態じゃない」と言って、ゲラゲラ笑いながら出ていった。
クソー、監禁してぶっ殺してやる!




