幼なじみ2
幼なじみ2話目です。
「あー!やっと2人が来てた!!」
レイブンとまだ来ていない幼なじみ2人について話していると突然噴水広場に女性と思われる大きな声が聞こえてきた。
「ん?おっ、噂をしていたら件のお二人さんかやって来たな。」
「だな。そしていつものように姉さんに引っ張られる様に陽菜ちゃんが来ると。」
声の方を向くと少し勝ち気のある女の子がおとなしい感じの女の子の手を引いて(引っ張って?)こちらに歩いてきた。
「ちょっと・・・巳波ちゃん、手を引っ張らないで・・・私、ちゃんと歩けるから・・・」
「ダーメ。そう言っていつものようにナンパに引っ掛かって、断れずにあたふたしていた子は一体誰?こうして手を繋いで行かないと、またあの変にチャラチャラした男たちに捕まるわよ?」
「だからって・・・もう少しゆっくり歩いて・・・ちょっと転びそう。」
やはり、いつものように陽菜はナンパに絡まれて、いつものように巳波が陽菜を助け出したんだな・・・まあ、いつもの日常のようなので安心したが・・・
「よう。やっぱり陽奈はナンパに絡まれてたか。で、陽奈に絡んでた奴らはどうしたんだ?」
「あ、宗二?えっと、絡んでた奴らは3人でしつこくヒナを連れて行こうとしてたから突撃してデュエル《決闘》を叩きつけてボコボコにしたわよ。」
「あー、それは・・・絡んでた奴らに対してそれだけは同情できるな・・・巳波のことだから一方的に潰したか・・・」
まず、デュエル《決闘》について説明しよう。最初に街やセーフエリアでは基本的に武器や魔法によるダメージは発生せず弾かれる結界が敷かれている。基本的にダメージは与えられない様になっているがデュエルは違い、特殊なフィールドを張り対戦者と条件のある対戦することが出来る。デュエルは個人戦、パーティー戦の大きく2つあり、そこから勝利条件をつけることが出来る。
「因みにデュエルの勝利条件とかどうしたんだ?」
「あいつらをボコボコにしたときはパーティー戦でHP《体力》全損のデスマッチ戦にしたわよ。」
「うわ・・・容赦ないな・・・相手心ポッキリじゃないか・・・」
ナンパ相手に容赦ないのはリアルでも同じらしく複数相手にデスマッチ戦を仕掛けるとはさすがにドン引きする。因みにレイブンはその光景を思い浮かべてしまい、その暴力がいつか自分に降ってくるのでは、と顔を青くして震えていた・・・
あと、何故巳波が複数相手にデスマッチ戦して余裕で勝てるかというと、まず巳波はリアルで空手の黒帯であり、全国大会での優勝経験も何度かある。また、この双子の弟が居たおかげ(?)もあり、本人もゲーマーで特にVRワールドを使った格闘競技が好きらしい。本人曰く、リアルと違い手加減の必要もなく、またリアルで出来ない動きもすることが出来て楽しいなのだそうだ。そして、そのゲーム関係の大会にも出場し世界トップ10に入っている。つまり、この世界で武器持ってはしゃいでいる奴らとは違い、対人戦闘にどっぷりと浸かっている巳波は何の危なげも無く勝ててしまうということだ。
「まあ、ナンパ野郎どもは心配する必要は無いとして。陽奈、大丈夫だったか?」
「あ・・・うん・・・大丈夫、巳波ちゃんがいつものように助けてくれたから。心配してくれてありがとう。」
うん、確かに陽奈は背が少し低く、性格も小動物を思わせてしまい可愛く思う。これはいつもナンパに絡まれてしまうのも分かる。実際、学校ではマスコットキャラクター扱いだからな・・・
「って、陽奈?急に顔真っ赤にしてどうした?」
「可愛い・・・可愛いって宗二君に言われた・・・・」
「宗二~?心の声ダダ漏れしてたわよ~?」
「うわ・・・それは恥ずかしいな・・・すまんな、陽奈。」
「う・・・ううん。大丈夫だよ。(それに嬉しいから・・・)」
「(いいな~ヒナ。私も宗二に可愛いって言われたい・・・)」
「ん?巳波?何か言ったか?」
「何でも無いから!!」
「?まあ、何もないならいいが。一応いつも言ってるが陽奈を助けるのに一人で突っ込もうとするなよ。俺たちもいるし、巳波も女の子なんだから。陽奈も絡まれたら俺たちに連絡すること。」
かぁーー
「もう!ほんと、宗二は何の気もなしに女の子だからと言って!!」
「ちょっ!!姉ちゃん!痛い痛い!砂糖をぶちまけたいほど甘い展開で姉ちゃんは嬉しいと思っているのはわかるが俺に八つ当たりしないでくれ!!」
なんか巳波のことを女の子として心配したら急にレイブンに八つ当たりし始めたんだが・・・「ぎゃーーーーー!」あ、巳波がレイブンに渾身のアッパーを食らわしてレイブンは大通りに向かって大きく吹っ飛んでいった・・・因みに広場に居た人たちはこちらが気になったのかずっと見ていて、巳波が放ったアッパーを見てドン引きしていた。あとこの事は掲示板にも書かれて噂にもなった・・・
やっと幼なじみが全員揃いました。こうしてイチャイチャを書くと恥ずかしく思ってしまいます。(*´∀`*)
次は掲示板外を書いてみようと思います。