噴水広場へ
おっちゃんから道を聞き、焼き鳥を食べ歩きながら十数分。話に聞いてた教会が目の前に見えてきた。
この世界での教会は異邦人にとっては重要な場所でモンスターとの戦闘でHP《体力》が0になり死に戻りをすると少しの経験値とお金が無くなり、教会の祈りの間にて復活する。また、公式では復活の際に無くなった経験値とお金は死と復活の女神メルスへと献上されるとなっている。メルスだけでなくこの世界には6柱の神が存在する。創造神にして太陽神のソルス、夜と月の女神のヘレナ、武神のケラヌウス、死と復活の女神のメルス、商業神のラルス、そして恵みと大地の女神エラネル。この神たちが各教会にて崇められてる。
「宗教者では無いが一度お祈りでもしてみようか・・・」
教会へと足を向けて中に入るとシスターがいた。
「こんにちわ。何か教会へ用事でも?」
「こんにちわ。ちょっとだけ神様たちにお祈りしていこうかと。」
「はい。礼拝堂はあちらになります。」
「どうも。」
シスターに会釈して奥に進むと何人かの住人が6体の石像に向かって祈っていた。
俺もそれに習って石像に向かい祈りを捧げた。
ポーン
「ん?」
祈りを捧げた後何か電子音が聞こえたが何かの聞き間違えかと思い、シスターに挨拶をして教会を後にした。
「えっと、おっちゃんが言うにはそろそろ噴水広場の噴水が見えてくるはずなんだが・・・」
教会を出て数分、様々な物を売っている市場を抜けて、俺は広場へと出た。
「お、ここが噴水広場か。この辺りは落ち着いていて結構いいな~。」
噴水の周りには住人と思われる子供たちがおいかけっこをして遊んだり、買い物籠を下げた奥様たちが談笑してたり、老人たちがベンチに集まり、何か賭け事をしているのか真剣な目で睨み合っていた。
「さて、約束の場所がここだとしてあいつらは何処にいるんだ?」
噴水の前に着いたが周りには幼なじみの3人の姿は無かった。
「あいつら・・・またリアルと同じような感じになってないだろうな・・・」
何故か俺の幼なじみたちは集合しようという話が出ると目的地に現れないことが多いのだ。決して方向音痴というわけでもないのにだ。
洋介は何か気になる物を見つけるとフラフラと向かってしまい、時間に間に合わないことが多い・・・
巳波はせっかちな部分があり、20分前に一度着くがそこでじっと待つのが苦手でいつの間にかどこかに行ってしまい、結局電話で呼び出す羽目に・・・
陽奈に関してはある意味一番ひどく、容姿はとてもかわいいが引っ込み思案なところがあり、よくナンパに絡まれて断り切れず、最終的に現場を見つけた俺か巳波が(ほとんどが巳波が)助け出すことになる・・・
結果、噴水広場で10分待って洋介が、そのあと20分後に巳波に手を引かれた陽奈が一緒にやって来た。
やっと幼なじみたちと再会します。