クリーンなお仕事です
僕の暮らす国、空想国日本。
ここは全てのものに命が産まれる。いわゆるツクモガミって奴だ。
命で溢れかえるこの国は危機に瀕している。
命のぶんだけ場所を必要とする。
命とはそういうものだ。
場所を求め、蹴落とし、殺し、迫害し陵辱する・・・そんな国だ。
僕は死神。昔誰かにつけてもらった名前がありますがそれは忘れました。
皆さんからは愛を込められ死神と泣き叫ばれています。
ところで、僕はクリーンなお仕事をしています。
この仕事は2人1組で行う仕事でして
とても大きなお金が動く割りのいいアルバイトです。
今回一緒に組む人は・・・
「・・・また君か」
ダルそうに僕はジト目で話しかける。
「ハイ!ヨロシクです!」
元気よく挨拶をしたのは半獣の人間、名前はハルと言う。
僕コイツ嫌い。今すぐにでも殺したいくらいに。
「いつも元気なことで何よりです。殺してあげましょうか?」
嫌味も交えていい挨拶だ
ハルは首をかしげたあと少し照れた様子で
「死神サンは殺したいくらい私のこと好きなんですネ!」
・・・どう捉えたらそういう風になるのか知らないけれどとりあえずこいつは凄く面倒くさい。
「まぁいいや楽させてくれよハル」
「愛するダーリンのためだもの!ハル頑張るネ!」
ダーリンって俺のことかまぁ可愛い子にこういう言葉を言われるのは凄く幸せなんだろうけど・・・
「アー・・・そろそろ来ル・・・」
少し引きつった笑ったあとハルは
ギャェェエエエエエ
ー大きな獣となって走り去った。
この半獣の女はいつもこうだ。
アドレナリンが過剰に分泌すると大きな犬になってしまう。
しかも我を忘れるから僕も殺されかけた時が何回もある
いわゆるトラブルガールだ。
「・・・はぁ」
ため息をつきながらハルの走っていった方へ向かった。