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プロローグ
いつかの記憶。
同い年の悠人と梓。
それから、その妹の友子と弟の弓弦。
いつだって四人でいた。
小さい村で暮らす俺、私、わたし、僕達。
きっといつかは外に出て、離れ離れになってしまう。
でも、いつまでも一緒にいたい。
山の中を走り回って、秘密基地を作って。
川で転んでずぶ濡れになって、笑って。
喧嘩して泣かせて、取っ組み合いをして。
花で指輪を作って、結婚の約束をして。
大きくなって、学校に通うようになって。
自分の周りのことを知るようになって。
現実という壁にぶつかって怒って嘆いて。
---それでも四人で過ごせるのならどんな日々も楽しかった。
今は一人。
呆気なく崩れて壊れた日々が、ただただ愛おしい。