第五話ー急転した状況
急展開になります。ご容赦ください。
第8居住惑星管区 第3衛星周回軌道 (シルヴィアとの距離は大体地球と、火星くらい)
現在、第8居住惑星管区守備軍 主力航宙艦隊(正式名、第8外惑星派遣独立防衛艦隊)の他、第8居住惑星管区の輸送船護衛を任務とする各護衛艦隊や撃破された部隊を除く航宙警備艦隊が集結し、防衛線を構築していた。
主力航宙艦隊 旗艦 アイオワ級B型 ジョージ・ワシントン 艦橋
「提督、全艦隊集結完了しました。守備軍司令部より、艦隊は本国よりの増援到着まで防衛線を死守せよとの事、敵艦隊は現在、第7衛星軌道を通過中、第6衛星軌道以下の、全戦闘衛星群の起動を完了、これにより、敵に対する遅滞作戦の準備は全て完了いたしました。」
「そうか、艦隊は現在地にて待機、敵艦隊が衛星群を突破してきたらこの地点にて迎撃する、艦長、今のうちに警戒しながらでも総員に休息を取らせるように。」
艦長の報告に提督、カイ・ノムラ中将は頷きながら追加の命令を出す。
このカイ・ノムラ中将が指揮する艦隊の編成は、戦艦 アイオワ級B型1隻 アイオワ級A型4 ガーディアン級航宙母艦4 各巡洋艦20隻 各駆逐艦31隻
警備艦隊総数40隻 航宙護衛隊所属艦隊 30隻 その他、航宙補給艦6隻
合計 136隻 もの艦船がノムラ中将の指揮下に集結していた。
ーー
惑星シルヴィア 第8居住惑星管区守備軍 司令部
現在、この司令部には、第8居住惑星管区、マルコ・ホード区長、ローレン・ラインファルト大将の他、コーネリアのフィル公女などが集まっていた。
「現在の状況は?」
ラインファルト大将がオペレーターに尋ねる。
「は、現在、すでにノムラ中将麾下の艦隊は集結し防衛線の構築を完了、敵艦隊はもう間もなく、戦闘衛星群のエリアに到達するものと思われます。」
「わかった、次に、地球本国への増援要請に関してはどうか?」
ラインファルトは頷きながら、別のオペレーターに視線を向け報告を求めた。
「はい、すでに、現在の状況、敵艦隊の判明している規模の報告と共に増援要請を出しております。
すでに地球本国より返信があり、現在、臨時に第六臨時航宙機動群を編成し派遣するとの事、規模に関しては第三機動打撃艦隊を基幹戦力とし、4個機動艦隊分の戦力を派遣するとの事です。」
オペレーターの報告に、何か引っかかるものがあったのか、ラインファルト大将は顔を引きつらせた。
「今、機動打撃艦隊と言ったか?」
「は、はい……あ」
ラインファルトの言葉に最初は怪訝な顔をしていたオペレーターは少しして何か納得した表情になる。
「航宙艦隊司令長官直属の艦隊の一つが動くのか、何かあるな…」
「閣下、本国より入電、銀河中心部の探査に向かっていた外惑星第四探査船団が消息を絶ち、第10居住惑星管区との通信が途絶、双方ともに現在この第8居住惑星管区を襲撃した敵勢力の攻撃を受けたものと思われる、敵の増援がある可能性が高いため注意されたし、また、大統領がデフコン1を発令、全ての居住惑星管区に太陽系への避難命令が発令されました。」
「なっ!?それほどの事態だと!?本国からは他に何か言ってきていないか?」
ラインファルトの隣にいた参謀の一人が驚きを隠せないというように口を開いた。
「は、本国よりは、すでにこの第8居住惑星管区の周辺の他の居住惑星管区にも襲撃の前兆があり、住民の生命を優先する、との事、また、地球本国も襲撃の可能性があるらしく、戦力の結集を図りたいようです。」
「何が起きているのだ…….……」
ラインファルトの漏らしたその呟きを聞いたものはこの場にはいなかった。
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