第一話〜ファーストコンタクト
息抜きのはずが…
あけましておめでとうございます。
試験近いのに何してるとか言わないでくださいね?自分でも分かってますので、本当に息抜きのはずだったのに何故こうなったorz
何時もより文字数を増やせたので、この文字数を維持したいです。
地球時間 5月12日 惑星コーネリア陥落から20日が経ち、コーネリアの公女、フィル・ナ・コーネリアが率いるコーネリア残存艦隊はなんとか敵の包囲を突破する事に成功し、地球のある太陽系から一万二千光年の位置を航行していた。
だが、その残存艦隊は、殆どが傷つき、戦うことが出来る状態ではなく、現在の残存艦は僅かに8隻のみで、民の乗る輸送船も包囲を突破する際に2隻が撃沈されてしまっていた。
その彼らは敵の追撃にもあっており、既に2、3度敵の高速駆逐艦による襲撃を受けていた。(コーネリアの戦闘艦を含む宇宙船は敵の艦よりも高い速度性能を持つため、コーネリアを攻撃した艦隊で速度で対抗できるのが高速駆逐艦しかなかった。)
ただ、彼らもだが、コーネリア残存艦隊ですら予想し得ないことがあったのだ。
其れは、この近くにある惑星(地球型、火星に近い環境)にコーネリア残存艦隊が敵の高速駆逐艦の追撃を受けながら近づいた時に起こった…。
彼らは知らなかった、ここに駐留して居る勢力のことを、その勢力の名も彼らは知らなかった。
地球連邦宇宙軍 太陽系外宇宙探査局 第8居住惑星守備軍
この第8居住惑星と言うのは、正確には第8居住惑星管区と言い、太陽系外で人類が居住した8番目の惑星という意味で、この惑星は恒星との距離が少し遠く、人類はドーム型の居住区を複数作り資源採掘などを主に行っている。(ちなみにこの惑星や他の居住惑星は地球の植民地ではなく領土とされているため、自治体として機能している、管区は、州や県の様な意味。さらにこの恒星系に惑星はこの星だけ)
この惑星を守るのが第8居住惑星守備軍である。
戦力は主力艦隊の他に、地球への資源輸送を護衛する護衛艦隊が3つ程ある。さらに周辺を警備する第1〜第10までの航宙警備隊が存在し、地上には航宙陸戦群(宇宙軍の陸上部隊、宇宙版海兵隊) 全体で約20万4千人、戦車部隊1個師団 戦車216両とその他含め8千人 航宙飛行隊(宇宙軍の航空隊で使用する機体は重力下でも使用できる)戦闘機144機 偵察機36機 (海がある惑星だと海軍から艦船と乗員、整備兵などが宇宙軍により運ばれ配置されることになっているが、其れは今現在の居住惑星では一箇所あるだけで、配備されてる数も少ない。)
だいぶ話が逸れたが、コーネリア残存艦隊はその、第8居住惑星管区の領域に進入してしまっており、その時点で第8居住惑星のレーダー網に探知されていた。
コーネリア残存艦隊 旗艦 プリンセス・コーネリア 艦橋
「姫、本艦隊は一度修理をする必要があるため、目の前の惑星に降下、その後、持って来ている資材を使い各艦の整備や修理を行いたいと思いますが……。」
「敵の襲撃がある…と思う……けど。」
フィルは少し不安げに提案してきた艦長を見た。(と言っても身長差が有るので、見上げたが正しいが)
「其れはそうですが、ならば尚のこと、各艦をせめて戦闘に問題が無くなるまでになる様に修理しなければなりません。
その為には惑星に降下し修理する必要があるのです姫。」
「…姫は…やめて…。」
「…失礼しました、しかし今行ったことは事実です。」
その言葉にフィルは少し俯き顎に右の人差し指を当てて思案する。
フィルは見た目が幼いので、その姿には違和感を感じる乗員もいたが、フィルといる内に慣れたのか、今では違和感を感じる乗員は殆どおらず、その姿に癒される者もいる…つまり緊張感はあまり感じられないのである。
「分かった……降下して」
「了解いたしました。……前方の惑星に降下する。前進せよ。」
「待って下さい‼︎所属不明の艦隊を感知、左舷より本艦隊に向かってきます。数は巡洋艦クラス1、駆逐艦クラス4です!」
「なに!?」
艦長は報告に"しまった"という顔になる。完全に油断していたのだ。
追撃してきた敵に与えた損害から、直ぐにまた追撃部隊が来ると思っていなかったのである。
心なしか、表情の分かりにくいフィルも、顔が引きつっている様に見えた。
しかし、次にされた報告は彼らを驚愕させるものだった。
「!!……艦長、所属不明の艦隊から通信です!」
地球連邦軍 第8居住惑星管区守備軍 第7航宙警備隊
艦載機搭載能力、各種索敵能力が高いパトロール巡洋艦1隻と護衛駆逐艦4隻で編成されている警備隊は常に3個警備隊が惑星周辺の警備についており、現在は、この第7航宙警備隊と第8、第9航宙警備隊が警備についていた。
彼らはいつもと変わらず任務を終わらせ、いつも通り何事もなく基地に帰るつもりだったが、そこに司令部からの正体不明の反応があった所を調査して来いと言われたから来てみたら、見たことの無い艦隊がいたのである。
「司令、司令部より、警告を行い、相手の出方を見る様にとのことです。また刺激はせずにと、交渉なら応じる用意もあるそうです。」
「…分かった、これが仕事だからな……艦隊は決して発砲するなと伝えろ!不明艦隊の通信周波数は不明のため緊急、機密回線以外の全周波数にて通信をする。」
「了解、全周波数通信、準備オーケーです。」
「異星人と人類の初めての会話だ、ちゃんと録音しておけよ?可愛い女の子かも知れんからな!」
「もしそうなら奥さんに言っておきます、旦那さんが浮気しましたと」
「ひぃ!止めてくれぇ‼︎冗談だから!」
そこで乗員たちに笑いが起こる、笑いが治ると、司令は"ゴホン"と咳払いをし、通信のスイッチを押し、警告を始めた。
『あー、此方は地球連邦軍、第8居住惑星管区守備軍所属、第7航宙警備隊である。貴官らは連邦領である惑星の領域に進入している、直ちに反転し、この宙域より退去せよ!この警告は一度のみである、この警告を無視し前進した場合や敵対行動をとる場合は当方は実力を行使する。ただし、交渉などには応じる用意もあることを付け加えておく』
プリンセス・コーネリア艦橋
「フィル様、どうしましょう、どうやら我々は知らない内に他所の庭に勝手に入ってしまっていた様ですが…」
「うん……まずは…相手と話さないと…」
「そうですな、しかし、なんと行ったら良いのか…まあ、ダメ元で保護か亡命でも頼んでみますか?」
「それは…相手と……話してみないと」
「分かりました、通信士!回線を開け、私が会話する」
『第7航宙警備隊へ聞こえるか?私は、コーネリア公国近衛宇宙艦隊旗艦、プリンセス・コーネリア艦長、ラム・ドーム 階級は大佐です。聞こえたら応答願してください!』
『…聞こえている、此方は第7航宙警備隊旗艦、コマンダー77 、自分は第7航宙警備隊を預かる警備隊司令、ピーター・ライラック大佐だ。用件は?』
言葉が通じた事に両者はホッとしたが、それを顔に出すことはなかった。
『率直に言う、ライラック大佐、我々は難民を抱えており、非常に厳しい状態であり、また、本艦には我がコーネリア公国の公女 フィル・ナ・コーネリア殿下が座乗されており、あなた方の代表との会談を殿下が望まれております。取り次ぎをお願いしたい。』
『なっ!?わ、分かりました、今直ぐに司令部にこの事を伝え、会談についても問い合わせるので、暫く時間を頂くが宜しいか?』
『此方は構いません』
『分りました、結論が出次第お知らせする。では… 』
プリンセス・コーネリアとの通信を切ると、ライラックは直ぐに司令部へ通信をつなげるのだった…その際に胃の辺りを抑えていたのを艦橋にいた乗員が見ていたが、彼の苦労はまだ終わらない。
これが、人類と異星人のファーストコンタクトであり、波乱の幕開けであったが、この時は誰も知る由もなかった。
読んで下さりありがとうございます!
介護士試験のため更新が遅れがちになるかと思いますが、暖かく見守って下さると幸いです。