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地獄絵図

作者: 火炎疾風

20XX年、4月9日。

僕は、大間東中学校に入学した。

周りには、知っている顔ぶればかりだった。

クラスに行くと半分知っている顔で、半分初見だ。

「・・・」

小学校の時に仲良かった友達は、みんな違うクラスだった。

僕は席に座ってじっとしているしかなかった。

「あいつとあいつ、やれそうじゃね?」

後ろから微かにそう聞こえた。

僕は気にせずその盗み聞きしていた話を流した。

入学式の日は3時間のみの午前授業だった。

2時間目の入学式をして教室に戻ってきた。

「先生が来る前にトイレ行っておかないと」

僕は、自分の席で少しくつろいだ後にトイレのために教室を出ようとした。

「おい、喧嘩しようぜ!」

廊下に出た直後に僕の後ろの席の『尾田おだ 凌助りょうすけ』が唐突に言い出した。

完璧に僕自身を見て言っていることらしい。

「はぁ?」

そう言うことしか出来なかった。

はっきり言ってちょっとブルっていた。

イメージ的に喧嘩はすごい強そうな肉体だった。

「僕の喧嘩はじゃんけんだよ!」

ブルっていて自分自身なに言っているかさっぱりわからなかった。

それを聞くと尾田は、笑いながら去っていった。

こいつは、バカでアホだと思ったんだろう。

こっちとしては、それで助かった。

僕は、喧嘩は嫌いで傷つきたくないから。

僕は傷つかずに平和に解決できる道を選んだのだ。

そのときは、それしか平和的解決できる手段は思いつかなかったのだ。

喧嘩すれば100%負ける自身があった。

弱い僕は、その道しか選べなかったのだ。

教室の中を見ると...

「おい!てめぇきめぇから、殴っていいか?」

唯一小学校で話した事がある『瞳沢ひとみざわ 星矢せいや』が、尾田と仲のいい『中岡なかおか 里貴りき』に絡まれていた。

あいつも強い人間ではないほうだと思う。

だから、おどおどしていた。

「え...あ...え、っと...」

教室の中心での出来事だった。

誰もとめようとしない。

それが、日常茶飯事のように...

「ちょっとこいよ!」

中岡は瞳沢の胸倉をつかみながら廊下へ出てきた。

僕は、教室の中に逃げる事しか出来なかった。

「うぜぇんだよ!」

「ンゥツ!!」

すごい音がした。

近くのやつから聞いたら、尾田は瞳沢に膝蹴りを口元に食らわせたらしい。

僕は、状況確認のため見に行った。

「っ!」

口元はすごい血だった。

そして、瞳沢が手を少し移動させたとき少し見えてしまった。

「っ!うそ...だろ」

瞳沢の上前歯がなくなっていたのだ。

そのまま、瞳沢は先生に連れられて病院に直行した。


「うわ~、キモい」

「ね、なんでこんなヤツがこのクラスなん!」

瞳沢の事件があってから夏休み明けて、少し落ち着いたときの事。

女子からは、完全なる言葉の暴力が後ろから聞こえてきた。

「ぜってーこいつ、聞こえてないフリをしてるよ!」

一番のピークのときには、つらくよく休んでいた時期でもあった。

それが10月。

意をけして僕は、唯一の友達『高崎たかさき 疾風はやて』に相談をしてみた。

「そんなヤツら、無視しろよ」

疾風は、嫌いなやつはトコトン無視する強いやつだった。

「...うん、わかった」

俺は、疾風の言う通り無視し続けた。

だけど、納まることを知らなかった。


「お前の事を好きって言ってたけど、お前はどうなん?」

僕の事をいつも罵っている『今泉(いまいずみ) 林檎(りんご)』が急に隣に来て言い出した。

僕はこいつの言葉は信じられなかった。

「好きでもなければ、嫌いでもない」

一応そう言って、この場を流そうとしたのだ。

「それじゃあ、好きってことだね!」

何を言っているのかさっぱりわからなかった。

「早く来て!」

今泉に言われた。

俺は断れなかった

なんせそいつの後ろには瞳沢の前歯を追った中岡と尾田がいたのだ。

断ったらなんかされる。

そう思った。

付いて行くしかなかったのだ。

そして、連れてきたのが隣のクラスだ。

その教室から『下山しもやま はな』という少しぽっちゃり系のの女子が出てきた。

「こいつがお前の事好きだって!」

今泉が僕を指差した後、下山を指差した。

「好きなんだよね?」

「...」

僕は何も言わない。

「ほら!好きなんだって!」

????

何を言ってるんだ?

「私でよければ...」

は!!!!

僕が何も言わずにすべて話が進んで結局付き合うことになってしまった。

そして、1ヶ月が経った頃。

「私、あんたのこと好きじゃないんだけど!」

???

は?

勝手に付き合うことを決めておいて何言ってんだよ!

そのまま、付き合うことは解消された。


そして、また1ヶ月ぐらい経った頃。

合唱コンクールの練習をしているときだった。

「おめぇきめぇんだよ!」

瞳沢を膝蹴りしたときと同じ理屈で僕は、中岡に...

「ンッヴゴ!」

殴られた。

怖くなって次の日学校に行けなかった。

親に叫んだ。

いじめのこと。

クラスのこと。

殴られたこと。

僕は叫んだ。

I scream.

いじめは犯罪です。


学校でいじめを受けている人がいたら、先生や友達に相談した方がいいと思います。


いじめを自分だけで抱えてはいけません。


ガンバレ!


僕は、応援しています。

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