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暗殺者の非日常  作者: きつねさん
クロとの出会い
9/43

暗殺者の記憶

ーーーーーーーーーーーーーーーー


「おかーさん」

「うん、なあに?」

「あのね、わたしねおかーさんのことだいすきっ!」

「あらあらありがとう。私もあなたのことを大好きよ。」

「えへへー」

おかーさんといっしょにおさんぽ。

うれしいなっ。








「おいそこの奴隷。

 お前は役に立たなければならない。役に立たなければどうなるか?わかるよなぁ。」

くそっすき放題言いやがって。

ちょっと強いからって、

立場が強いからって


今は戦闘訓練中だ。

俺は奴隷として売られ今暗殺者として訓練を受けている。

何で奴隷として売られたかって?

知らん。

ある日急に奴隷商人が来て俺を奴隷として親が売ったんだ。

あいつらが何の説明もなくっ!!


ちっ、やなことを思い出しちまった。

「おい奴隷っ!訓練をさぼるなっ!

 お前を買うのにかかった金も安くはないんだぞ。」

それこそ俺の知ったこっちゃない。

こちとら毎日魔力、体力ともに限界まで使い込んでんだよ。

「おらっとっとと訓練を続けろ。」

ちっ









「おい奴隷餌の時間だ。」

やっとか、毎日限界まで体を酷使して腹ペコのうえ飯はまずいし少ない。

ただそれでも食っていかなければやってられないので食おうとするが、

飯を運んできたやつの目の前からとりあげた。

「おっと、感謝がまだだぞ。」

「・・・・何をすればいいんだ?」

「普段通りだ。」

そういってズボンを下ろす。

ちっ、こいつらは俺の立場が弱いからっていろいろと要求してきやがる。

飯を食おうとすれば口での性奉仕をしろとかふざけてんのか


飯がまずくなる。









「やっとお前も強くなったな。さあこれからお前には最後の訓練をしてもらう。」

「最後ってなんだ。これまでさんざん地獄と思えるほどの特訓に耐えて来たんだ。

 もうなんだって来い。」

「ああその気概を忘れるな。壊れてくれるなよ。

 精神が壊れてしまえば性処理要因にすら使えなくなる。」

「おいっ壊れるってなんだっ!」

「さあこの部屋の中に入れ。」

「おいっ!」

「お前のような奴隷には拒否権などないぞ」

「ちっ」



部屋に入ってみるとそこには多数の拷問危惧があって・・・・・

そこから拘束され奴らは俺にこれは拷問に耐える訓練だといって・・・・・

それから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あぐっ!」


記憶を読み取った私はかなりの衝撃を受けた。

そのせいで私を暗殺しに来た理由とかの記憶を読めなかった。

そもそも暗殺者君の記憶を読み取っている時に何かおかしいと思った。

暗殺者君の記憶の中の感情や五感で感じていることが読み取っている私の方までダイレクトに届いていたのだ。

本来この術式は感情などがダイレクトに伝わってくることはない。

フィルターがかかった感じで記憶を読むって感じなのだけど、

よっぽど私と暗殺者君の魂の質が似ていたらしい。

すべてがダイレクトに伝わってきた。


その中で拷問はやばかった。

前世の私と今世の私が体を魔法で改造するときの体がバラバラになって消えてしまいそうな痛みに耐えてなければ耐えることはできなかったかもしれない。

痛みとしては魔法で改造した時の方が痛かった。

だけど拷問は相手を苦しめることを重視している。

輪姦したり、痛みをじわじわと与えたり、毒で苦しめたり。

そのせいで私は前世、今世ともに経験をしたことがないのにマニアックな方法の性交をした時の感覚を知ってしまった。

ちなみに前世の私はもてなかったわけではなく、魔法の研究に没頭していたため魔法が恋人って感じだった。


そして暗殺者君から

売られる前の喜び、売られてからの苦しみ、怒り、憎悪、恐怖、おびえ、そして寂しさや悲しみ

そんな感情が私に流れ込んできた。

そのせいで私はもうこの目の前の暗殺者君を他人のように思えなくなっていた。


いや暗殺者君と呼ぶのもおかしいだろう。

輪姦されていたということからわかるように暗殺者君は暗殺者ちゃんだったのだ。

それも余計に感情移入した原因になっているんだろう。


いや今の私にとってはそんなことはあんまり重要じゃない。

私は奴隷というものがあんまりわかってなかったのだ。

だけど基本的には前世の私は今の私と同じくひきこもりだったのだ。

いや前世の私はちゃんと他人との付き合いはあった。

たとえば日常の家事などはお手伝いさんを雇ってたし珍しい素材を手に入れるためにオークションに人を出したりしていた。

けれど基本的には世間知らずということは変わらない。

そんなところにこの子の感情が流れ込んできたのだ。





私は奴隷の待遇の悪さを知り、

奴隷の悲惨さを知り、

この子の今までの運命を知って


この子の体を抱きしめて泣くのを止めることはできなかった。


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