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暗殺者の非日常  作者: きつねさん
学園都市 学生として
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闘争のち逃走

ヘク君、正式な名前は前世の私が覚えてなかったので分からないがおじいさんに「とりあえず落ち着いた場所に連れていって」と言ってついて行ったらなんかバーの個室に連れてきてくれた。

ちなみに関係ないけどバーのマスターは渋い感じのいかにもザ・マスターっていう様な人だった。


「それでマスター。生きておったのですか?

 というよりその体はどうしたのですか。女になっとるではないですか。」

おじいさんがいろいろ聞いてくる。私も今整理中なんだけどなあ。


「いや、違うんだよ、ヘク君。・・・・じゃなくって、違うんですよ。

 私はあなたのマスターじゃないんですよ。」

全然口調が定まらない。


「いや、マスターに違いないでしょう。

 だいたいさっきからわしのことをヘク君と呼んでらっしゃいますし。

 ヘク君などと呼ばれるのはマスターだけでしたから。」


「いや、そうじゃなくて。」

「それにさっきわしが使った魔道具を無効化したじゃありませんか。しかもディスペルで。

 この魔道具はわしがずっとつけておりましたから

 術式を知ることができるのはわしとマスターしかいないんですよ。」

いや、そのマスターの記憶を持ってるからできたんだけど、さてどう説明したものか。

とりあえず自分の頭の整理がつくまで適当に話しておこう。


「そうっ、それだよ!あの魔道具のをまだ使いこなせてなかったじゃないか!」

「うぐ、そうはいってもですな、マスター。

 あの魔道具の魔力精度、難易度が高すぎますよ。皆マスターみたいに規格外な訳じゃないんですから。

 しかもあんな威力が出る魔道具をまだ十半ばの子供に渡すなんて非常識すぎますよ。」


「ぐぐぐ、それは君を信頼してだね。

 あの危険な魔道具を渡しても大丈夫だと信頼してたからこそ渡したんだよ。」


「マスター、今危険ってはっきり言いましたね。・・・・・・・」

久しぶりのヘク君との会話は楽しい。

色々と言われてるけどそれさえ許容できる。私の弟子だから。
















・・・・・・・・ん?私今なにを思った?

久しぶり?弟子だから?

私は私で、僕じゃない。前世の僕と私は違う!

違うはずなのになんでそんなこと!


「あの、マスター。」

おじいさんの声で我に返った。

「なに!」

おじいさんは言いにくそうにして言う。

「なんで泣いていらっしゃるんですか?」


「へっ?」

手で触ってみると頬が濡れてる。

「あっ、う、」

涙を自覚したとたん私はよくわからない感情が爆発した。

そして訳も分からないまま駈け出した。







バーを出て、裏通りを駆け抜けて、表通りを疾走する。

魔法で体を強化して、できるだけ速く。

町の人が驚いてるけど今は気にしてる暇はない。

今は疾く、速く、早く。



すぐに学校が見えてきた。


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