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暗殺者の非日常  作者: きつねさん
学園都市 学生として
40/43

魔族襲来?

表通りはあれていた。

先ほどのビショップクラスの襲撃。

それは一人の老人が魔族をしとめ何とかした。

しかしそれまでに魔族があちこちに魔法を撃ったために

けが人や焼けている家、陥没した道路などがそこかしこにあり辺りはボロボロだ。


それまでにそこらにいた冒険者が攻撃を加えていたとはいえ

ほぼ一人で魔族を倒した老人は事態の収拾に動かずに一人じっと佇んでいた。

他の魔法使いなどは焼けてる家などを消火したりしてるというのに。

だが誰も文句は言わない。


見るからに老人が消耗していたから。

先の戦闘でほぼ魔力を使い切ったのだろうと想像し、じっと立っている老人を責める者はいなかった。









むむ、まずい。この感触からしてビショップクラスの上位。

今は防壁を破りそこに魔法をたたきこむと見せて、

防壁のはりなおしに集中させているがこのままではまずい。

そもそも今防壁を破り切ってもこの魔族を倒せるほどの魔法を放つことは難しい。

先の魔族はビショップの下位だったから簡単に倒せたが上位ともなるとレジストが・・・・・・。


む、魔族が近づいてきておる。

マスターからもらったこの魔道具を使うしかあるまいか。

周りの被害も結構あるじゃろうが致し方あるまい。


幸い、魔族は周りを壊したりせずにわしの方に向かっておる。

人がいない方に誘導もできるじゃろう。


老人は誰にも言わずに移動した。

防壁破りに集中しており余裕がなかったし、邪魔にしかならない、

というのも理由の一つであったがやはり巻き込む人は少ない方がいい。





そう考え、老人は人気のない方に向かって行った。

魔族もそれについてくる。

老人は裏路地を通りさらに人気のない方に行く。

魔族はそれについてくる。

老人はもっと離れる。

・・・・・いい加減魔族が焦れたのか速度を上げて追ってきた。


ちょうど近くに空き地があったため老人はそこに入り準備をする。

地面に即席の魔方陣を描く。


これは師の魔道具を発動するための時間稼ぎと周りへの被害を減らすためだ。

本来なら魔方陣がなくともそれぐらいできるが老人は消耗していた。


ディスペルと魔法の術式の解析のためにつかった魔力は少なくないのだ。

一回一回はそこまで魔力を消耗しないが回数が多い。

それなら準備のために魔力を残しとけというかもしれないが、

少しでも防壁破りをやめると魔族が町を攻撃しだす可能性もあったからやめられなかったのだ。


魔族は老人が止まったのを確認すると速度を落として近づいてくる。







そしてついに広場から目視できる範囲まで魔族が来た。

老人はこの魔族がさぞ異形だろうと思っていた。

先ほど倒した魔族ももとは人型なのだとかろうじてわかるが体中から触手やら羽やらなんやらが生えていてものすごい異形だった。


だがその予想に反して現れたのは普通の少女だった。

いや、普通というには綺麗すぎるが今はそこじゃない。

普通の人間の少女が現れたのだ。

しかし老人は止まらない。高位の魔族の中のさらに力を持ったモノは人と同じ姿になれる。

下位の魔族はできないが、高位の魔族はそうして人の中に紛れることがある。



それを知っていた老人は先手を取る。

魔力を流しながら、持っていた杖で魔方陣をたたく。

コンッ、という音と共に魔方陣が起動する。

そして辺り一帯を魔方陣がつつんだ。その中には当然魔族も含まれる。


「おぬしにはわしと一緒に死んでもらう。」

そう言って懐から取り出した魔道具を発動するのキーワード(力ある言葉)を唱える。

「【全てを塵に、青炎】」


この魔道具は術者の魔力を常時少しづつ吸収し蓄積。

それを炎の形にして相手を攻撃するものである。

老人がこれをマスターからもらったのは十代中盤の頃。

それからずっと肌身離さずつけていたため魔道具の許容量限界まで入っている。

そして、師に見せてもらった使い方では相手に向かって青い炎が飛んで行っていたが、

幼き頃の老人にはそれを制御することができず、魔道具を中心に炎が飛び出していた。

その時魔道具に入っていた魔力はごく少量だったからよかった。軽いやけどですんだ。

師の魔力精度なら相手に向けることも可能だったが少年には無理だった。

そしてとうとう老人はついにマスターの魔力精度の域まで至らなかった。


限界ぎりぎりまで入っているから今回は確実に死ぬだろう。老人も魔族も。



その無慈悲な炎を生み出す魔道具が今、






起動された。

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