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暗殺者の非日常  作者: きつねさん
学園都市 入学編
32/43

「エリーごめんね。

 クロも新しい環境だからピリピリしてるんだよ。」

とりあえずクロのフォローをしておこう。

エリー自体は気にしなくていいって言ってたけど王族だしね。

だからクロがつってかかっていたのは王女の世話係兼護衛、あんまりよろしくはないからね。


「いいえ大丈夫ですよ。

 むしろこちらが詫びたいところですよ。さすがに今回のことはリリアが悪いですからね。」

まあ言いがかりみたいなものだからね。

と言っても実際にあることだけど。

王女であるエリーに取り入ろうとする人はこれから結構出てくると思うし。

特に男子はね。まだ婚約してない王族がいるんだから将来を夢見る人は多いよね。

まあそこら辺の苦労もわからなくはないけどリリアさんのは言いすぎかな?


「いいって、それにクロにケンカとかも経験させておきたいしね。」

今までクロは喧嘩とかしたことないし。

殺し合いとかなら結構あるんだけどねえ。


「そういってもらえると助かります。ほらリリア謝って。」

さすがに主人であるエリーに言われたからリリアさんはしぶしぶといった感じで頭を下げた。

まあ私自身はそんなに気にしてないしね。実害もないし。

うーん、礼儀がなってないな。まあ王族にため口きく私ほどじゃないけど。

多分リリアさんあの頭よさそうな容姿とは逆に脳筋だね。

そういう態度とったらそんなことがいっぱいあるのにそういうことを考えないんだもんね。


「ところでエミリア様こちらの方はどちら様なのでしょうか?

 できれば私からもごあいさつしたいのですが。」

おー、まだ言うみたい。

今のこと名を訳すとこの女はどこの馬の骨ですかっていう感じだね。


「こちらの方はノアさんです。

 これから同じ教室で学ぶ学友なのですから仲良くね。」


「はい。

 ノア様これからよろしくお願いいたします。

 ところでノア様に聞きたいことがあるのですがよろしいでしょうか?」

あっ、ちなみに後半の質問は私にじゃなくてエリーに向かってきいてるよ。

なんて失礼な子なんだ、ぷんぷん。←全然怒ってない。


そんなリリアさんの態度を受けてエリーは私の方に目線で確認を取ってきます。

まあ質問ぐらい受けるからいいけど。

そんな感じでうなづきます。


「良いそうですよ。」

「ありがとうございます。」

ちなみにこの礼もエリーに向けて。

まあ意味的には私は質問に答えるのが当然で許可を取るのはエリーだけでいいっていう考えかな?


「ではノアさん、聞きたいことというのはなぜ偽名を使ってるかっていうことなんですが。」

あれ?私が貴族令嬢だって話したっけ?


「その前に聞きたいんだけど私自分が貴族令嬢だって言ったっけ?」

意趣返しに質問してきたリリアさんに対してじゃなくてエリーに向かってきいた。


「ええ、有名ですよ。

 あなたが貴族なのに社交界に全然出てなかったものですからいろいろと噂に尾ひれがついてすごいこと になっていますよ。」

うわあ、なんかいやだなあ。

あれ?けど私の容姿とか知らない人が多いはずなんだけど。


「ねえ、私自慢じゃないけどほかの人に私の容姿見られたのだってこの頃のことだし試験の時には貴族令 嬢だって言わなかったんだけど。」

そういうとエリーは少し困った顔をしたとに種明かしをしてくれます。


「実はですね。国が調査したんですよ。」

へっ?国が?


「あなたが死んでるのを隠してるんじゃないかって言ううわさが出ましてね。

 それで確認のために人をやろうとしたところであなたが学園に通うっていうことがわかりまして。

 それでそれが本当か調べるためにあなたのご実家に人を派遣しまして。

 それであなたのことが分かったんです。

 まあもっともあなたのご両親もあなたの容姿を知らないっていうんで困ってたそうですよ。」


へーそんなことがあったんだ。

でもそれって私のことを知ってる理由にならないよね。

そんな私の内心を察したかのようにエリーは説明を続けてくれる。


「一応リリアは私の護衛ですから。

 学園にいる生徒のたいていは調査資料がまわってくるのです。

 それと私が知ってる理由ですけど私のこの学園に来た目的はいい人探しですからね。

 その資料にはたいてい目を通しましたから。」

なるほどなるほど。


っとここまで放っておかれたリリアさんが強めの語調でまた質問してきた。


「時間稼ぎは終わりですか?

 それでは何をたくらんでいるのか白状してください。」

うん、何を言ってるのかわからない。


「なんで私が何かをたくらまないといけないの?」


「本名を隠すなんて怪しいではありませんか。」


「・・・・・それだけ?」

マジかあ、それだけで何かたくらんでると思われるのか。


「何がそれだけですか!

 早く何をたくらんでるのか答えてください。」

リリアさんは時間稼ぎだと思ってるのかご立腹だけど


「いや特に何も企んでないんだけど。」

こう答えるしかないよね。


「いえそんなわけはありません。

 わざわざ偽名を名乗っておいて王族に近づくなど何かたくらんでいるとしか思えません。」

あー、確かにそう聞くと怪しいよね。

けど何もほんとに何も企んでないんだけどなあ。

とりあえず私は目線でエリーに援護の要請をしてみる。


「私も気になっていたんです。

 何かをたくらんでるとかは思いませんけどもしよかったら理由をお聞かせ願えませんか。」

ちがった。

援護じゃなくて追い討ちだった。

もうこれ二度目だよ。


それに理由と言われても親と絶縁状態(私から一方的に)でその親がつけた名前が嫌ってのと私この年になるまで自分の名前を知らなかったから名前を言われてもしっくりこないっていうだけなんだけど。

それで前世の私の名前のノアっていう方が私的にはしっくりくるから名乗ってるんだけど・・・・・。


まず前世のことは話したくないから後半は話せないでしょ。

それに絶縁状態(私が一方的に)っていうのは恥ずかしいから話したくないし。

言えるのって名前がしっくりこないっていうだけなんだよね。

これ絶対ふざけてるって思われるよね。


しょうがない適当に理由でっちあげるかなあ。


「この学校って貴族とか平民とか関係なく学べるっていう教育理念でしょ。

 だから在学中に貴族としての特権を振り回さないようにっていう自分への戒めなんだよ。」

そういうとリリアさんは感心した感じだった。

さすが脳筋(私が思ってるだけ)単純で助かる。


それとは逆にエリーは嘘だってわかったみたいだけどこっちは脳筋とは違って私が放したくないっていうことを察して追求しないでくれた。



やれやれだよ。


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